ミニバンボディーを力強く加速させる

パワーユニットは「ノートe-POWER」のものと基本的には変わらない。発電用の1.2リッターのエンジンと駆動用のモーターは同じものが使われている。コンパクトカーのシステムはミニバンではもの足りないのではないかと心配したが、モーターはボディーに合わせて調整されている。

「ノート」のモーター出力が80kWなのに対し、「セレナ」は100kW。トルクも254Nmから320Nmまでアップした。7人フル乗車でも十分な「e-POWER」らしい性能が得られるように強化が図られている。発電用のエンジン出力も58kWから62kWに上げられ、バッテリー容量は「ノート」の1.5kWhの2割増しとなる1.8kWhに増強された。

「ペダルをゆるめるとかなりブレーキが利くんですね。強いエンジンブレーキのような感覚です。最初は戸惑いましたが、慣れるに従ってラクだと感じるようになりました。ペダルの踏み替えが少なくなりますからね。今はもう少し大きいミニバンに乗っているんですが、『セレナe-POWER』のほうがずっと運転が楽しい!」(NSさん)

「昔、モータースポーツをやっていたんですが、(「セレナe-POWER」の)アクセルを抜いてタックインを使ってコーナーに入っていく感覚が、ちょっと似ていると思いました。もちろん、家族を乗せてそんなことはしませんよ(笑)。7人フル乗車でも重い感じがしなくて力強く進むのはスゴいと思いました」(KUさん)

埼玉県からお越しのKSさんご一家。お父さんは「セレナe-POWER」の「滑らかな走り」と、「加速してもうるさくない」ところが評価ポイント。お母さんは3列目で試乗したが、「室内が静かなため、前席とも普通に会話ができることに驚いた」そうだ。

ハザードボタンの右側には、極力バッテリー駆動に徹することで室内を静かに保つ「マナーモードスイッチ」と、バッテリーへの充電を優先する「チャージモードスイッチ」が備わっている。

「セレナe-POWER」にはワンペダル運転を可能にする「e-POWER Drive」が搭載されている。このイージーさを知ってしまうと、ブレーキとアクセルを踏み替える面倒な操作が煩わしくなってくる。「ノートe-POWER」はワインディングロードを運転するのが楽しいクルマだったが、「セレナ」は2列目、3列目の乗員が気分よく乗っていられることが重要だ。参加者の声を聞くと、その点も万全なようである。

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2005年式「日産セレナ」にお乗りのFSさんご一家は、現在クルマの買い替えを検討中。ガソリンエンジンを搭載した現在の愛車と比べて「セレナe-POWER」は、「アクセルを踏んだ分だけ滑らかに加速する上に、静かで力強さが感じられた」そうだ。

高速周回路を行く「セレナe-POWER」。ボディーの大きさを感じさせない走りのよさに、ステアリングを握ったお父さん、お母さんは一様にご満悦だった。

「セレナe-POWER」のオフィシャルサイトはこちら
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