これまでポータブルナビの泣き所はプアな測位性能にあった。車両の車速センサーをつながず、GPSのみに測位の手段を委ねていたのだから完璧な測位を望むのは無理というものだった。だが、新ゴリラ兄弟にこれまでの常識は通用しない。車速センサーこそつながないが、上下方向、左右方向、前後の加速度といった車両のあらゆる動きを敏感に感じ取る3軸対応のGジャイロを搭載することで、上級ナビ同様の測位性能を獲得することができたのだ。
もちろんGPS信号がメインとなるのは変わらないが、GP530では日本が打ち上げた初のGPS衛星「みちびき」に対応しており、位置精度をさらに上げている。みちびきは準天頂衛星と呼ばれ、日本の上空を周回するため、真上からの信号を受信することが可能。精度はさらに高くなる。
まだ1基だけしか上がっていないためその恩恵にあずかれるのは一日の半分ほどでしかないが、2基目が打ち上げられればさらなる精度向上が期待できる。現状でもこれに対応しているのとしていないのとでは大きな違いがあるので、新しモノ好きには新技術を体験するいい機会だろう。
このように基本性能の強化に重点を置いた新ゴリラは、ナビにとって何が大切かを知っている本物志向の人に自信を持って薦められるポータブルナビである。上級ナビに迫る性能を持ち、簡単な取り付けで即座にフル機能が味わえる。しかも手のひらに乗るコンパクトネス、これを技術の進歩と呼ばずして何といおう。設置場所がないことで性能のよいナビを諦めてきた輸入車オーナーには最適の一台だ。GP720とGP530、どちらを選ぶかは、設置スペースや装着時の視界確保を考えて判断すればよいだろう。
注意:CN-GP720VDとCN-GP530Dはいくつかの相違点があります。主な違いは下の表をご参照ください。






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