「今回は、自分へのごほうびでプチバカンス。北海道で温泉めぐりをしまーす!」
久しぶりの北海道旅行で盛り上がっているのは吉田由美さん。
移動にはもちろんクルマを使います。お借りしたのはジャガーXE。雪道を走るから4WDのプレミアムSUV「F-PACE」なのかと思ったら、由美さんが選んだのはFRのセダン。
「FRだから雪道を走れないなんて、ただの思い込みですよ! ジャガーXEなら、まったく心配ありません。スタッドレスタイヤさえ装着すれば、スイスイ走れますから」
運転していて自然に笑顔になってしまう由美さん。「ジャガーXEはFRならではのナチュラルなハンドリングが楽しい。4WDじゃなくても、雪道をスイスイ走れちゃいますよ!」
今回の旅はパートナーと一緒。研究仲間の神賀理沙さんと2人旅だ。彼女は温泉ソムリエの資格を持っているというから頼もしい限り。
「実は私も資格はあるんだけど、まだ勉強中で……。理沙ちゃんは2つ星ソムリエだから知識も経験もバッチリ。早く温泉に入りたい!」
理沙さんは自動車に関してはまったくの素人で、運転免許も持っていない。まずは、由美さんからこのクルマについてレクチャー。
旭岳温泉に向かう道は真っ白で、まわりは完全な雪景色。寒そうだけど車内はポカポカで、これから入る温泉について会話がはずむ。
由美「ジャガーってどんなクルマだかわかる?」
理沙「うーん、よく知らないけど、高級車ですよね。お値段は800万円くらい? ……もしかしたら1000万円?」
由美「そんなに緊張しなくて大丈夫(笑)。実は500万円台なの。ジャガーは歴史のあるブランドで、昔から高級車なのに値段はリーズナブルなのが特徴だったんです。XEもスタイルはエレガントだし、内装も上質だからいいもの感がありますね」
理沙「そうなんですか! 女子は洋服でもいいものを安く買うのが好きだから、このクルマも自慢できちゃいますね。
吉田由美(よしだ ゆみ)
カーライフエッセイスト。短大時代からモデルを始め、雑誌やテレビで自動車関係の仕事をするうちに執筆活動を行うように。ハードウエア評価に加え、クルマの利便性やカーライフの楽しみ方について女性視点から温かくもキビシくジャッジ。
神賀理沙(かみが りさ)
タレント、リポーター。岩手朝日テレビ『いいコト!』などに出演中。2つ星温泉ソムリエの資格を生かし、温泉番組でリポートすることも多い。岩手県の主要な温泉はほぼ制覇!
運転していて自然に笑顔になってしまう由美さん。「ジャガーXEはFRならではのナチュラルなハンドリングが楽しい。4WDじゃなくても、雪道をスイスイ走れちゃいますよ!」
旭岳温泉に向かう道は真っ白で、まわりは完全な雪景色。寒そうだけど車内はポカポカで、これから入る温泉について会話がはずむ。
吉田由美(よしだ ゆみ)
カーライフエッセイスト。短大時代からモデルを始め、雑誌やテレビで自動車関係の仕事をするうちに執筆活動を行うように。ハードウエア評価に加え、クルマの利便性やカーライフの楽しみ方について女性視点から温かくもキビシくジャッジ。
神賀理沙(かみが りさ)
タレント、リポーター。岩手朝日テレビ『いいコト!』などに出演中。2つ星温泉ソムリエの資格を生かし、温泉番組でリポートすることも多い。岩手県の主要な温泉はほぼ制覇!
エンジン始動とともにせり上がり、理沙さんを驚かせたロータリーシフター。指先だけで操作できるのがうれしい。
最新型のインジニウムディーゼルエンジンは、先進技術でフレキシビリティーとパワーを両立させ、CO2の排出量も少ない。INGENIUMとは、ラテン語で「知の力」を意味する。
ジャガー独自のアルミニウムボディーは、航空宇宙技術が生かされた先進的な構造を持つ。軽量化するだけでなく、ねじり剛性が高いことが特徴。「軽いだけじゃなく、適切な重量配分がスポーティーな走りにつながっています。コーナリングもスムーズですよ」
理沙「あれ、エンジンがかかったらなんか円い柱みたいなものが浮き上がってきた……!」
確かに、初めて「ロータリーシフター」を見たらビックリしてしまうかも。でもATの場合、シフターがレバー式でなければならない理由はない。伝統を受け継ぎながらも、従来の習慣にとらわれずに新しい趣向を積極的に取り入れていくのがジャガーらしさなのだ。
エンジン始動とともにせり上がり、理沙さんを驚かせたロータリーシフター。指先だけで操作できるのがうれしい。
由美「ところで理沙ちゃん。このXEのエンジンは普通のクルマとちょっと違うの。ディーゼルエンジンってわかるかな?」
理沙「そういえば、最近クリーンディーゼルって言葉をよく聞くような気がしますね」
由美「それ! ディーゼルって昔はあまりイメージがよくなかったけど、技術が進歩した今では排ガスがきれいでエコなエンジンとして見直されてきているんです。ヨーロッパではかなり前から主流になっていて、日本でもここ何年かでどんどんディーゼルモデルが増えてきました」
理沙「ディーゼルって、何が違うんですか?」
由美「燃料がガソリンじゃなくて軽油なの。軽油はガソリンよりも値段が安くてお得。しかもCO2の排出量が少ないので環境にも優しいんです」
最新型のインジニウムディーゼルエンジンは、先進技術でフレキシビリティーとパワーを両立させ、CO2の排出量も少ない。INGENIUMとは、ラテン語で「知の力」を意味する。
ジャガーXEに搭載されているのは、先進テクノロジー満載の最新型インジニウムエンジン。2リッターターボで最高出力は180ps。43.8kgmという強大なトルクをわずか1750-2500rpmという低回転から生み出すので、出足がよくて運転しやすい。
ジャガーは早くから構造素材としてアルミニウムを取り入れており、このモデルのボディーシェルにも使われている。軽量化の恩恵もあって、17.1km/リッター(JC08モード)という優れた燃費を実現。前後の重量配分はほぼ50:50なので、スポーティーなハンドリング性能も得ている。
ジャガー独自のアルミニウムボディーは、航空宇宙技術が生かされた先進的な構造を持つ。軽量化するだけでなく、ねじり剛性が高いことが特徴。「軽いだけじゃなく、適切な重量配分がスポーティーな走りにつながっています。コーナリングもスムーズですよ」
目指すのは旭川の旭岳温泉。新千歳空港から北に進むにつれ、積雪量が増えていく。路面は真っ白になったのに、由美さんの表情に変わった様子は見られない。
由美「全然緊張しないで走れますよ。発進でふらつくこともないし、コーナーでもリアが滑る感じはないですね。JaguarDriveコントロールで“ウィンター” モードを選んでいますから、うっかりアクセルを踏み過ぎても空転を起こしにくいんです」
ロータリーシフターの手前にJaguarDriveコントロールのスイッチを配置。押すだけで4つの走行モードを切り替えられる。雪道を走る時は、ウィンターモードを選ぶのが正解。
JaguarDriveコントロールには“スタンダード”“エコ”“ダイナミック”“ウィンター”という4つのモードがあり、ステアリングとスロットルマッピングが変更される。“ダイナミック”モードではスロットルの反応をシャープにし、高いエンジン回転を保って俊敏にギアシフト。スポーツ走行から雪道まで、1台で4種類のドライビングが楽しめるのだ。
湯元 湧駒荘は大雪山系旭岳のふもとに位置する歴史ある温泉宿。雄大な大自然に囲まれ、北の大地を満喫できる。。
“ウィンター”は雪道などの滑りやすい路面を走る時に合わせたモードで、スリップしそうな状況では自動的にスロットルを絞って過大なトルクが発生しないように調整してくれる。3.6km/h?30km/hではオール・サーフェイス・プログレス・コントロール(ASPC)が作動するので、凍結した傾斜路面でもドライバーはハンドル操作に集中すればいい。
宿の湯元 湧駒荘は標高1000mに位置する。圧雪路のワインディングロードも難なくこなし、無事に到着。さっそく自慢の温泉へ。
温泉ソムリエの理沙さんは、バラエティーに富んだ泉質に注目。「5種類もの源泉があるのはとても珍しいですね。毎分300リッター湧き出る源泉を存分に楽しめます!」
理沙「ここは17の浴槽があって、5つの源泉から泉質の違うお湯が引かれているんです。こんなに種類が多い温泉はあまりありません」
由美「ここでは理沙ちゃんが先生ね。まずどのお風呂に入ればいいの?」
理沙「最初は炭酸水素塩泉に入りましょう。肌をクレンジングする効果があって、角質や毛穴の汚れを取り除いてくれるんです。少しぬるいけど、加温すると成分が失われてしまいます。源泉かけ流しだから湯の魅力を存分に味わえますよ」
由美「んー、心まで浄化されたみたい(笑)。次はどれ?」
理沙「最初に炭酸水素塩泉に入れば、あとはどの順番でも。41度から33度までいろいろな温度のお湯があるので、順番に入るといいですね。硫酸塩泉は肌の蘇生効果がある若返りの湯です」
由美「それって最高!」
理沙「ナトリウムが入った芒硝泉は肌に皮膜を作ってしっとり肌に。カルシウムの石膏泉に入ると、肌にハリが出ますよ。正苦味泉ははずせません。マグネシウムと硫酸塩泉が合わさったお湯で、すごく珍しいんです」
由美「すご~い。お肌スベスベで一皮むけたみたい!」
理沙「美人の湯ですよね」
由美「じゃあ、もっと美人になるために次の温泉に行きましょう!」
理沙さんから効能を教えてもらいながら5つの源泉に浸ってご満悦の由美さん。「一度に5種類の美人の湯に入れるなんてラッキー!」
(取材協力=湯元 湧駒荘)
ロータリーシフターの手前にJaguarDriveコントロールのスイッチを配置。押すだけで4つの走行モードを切り替えられる。雪道を走る時は、ウィンターモードを選ぶのが正解。
湯元 湧駒荘は大雪山系旭岳のふもとに位置する歴史ある温泉宿。雄大な大自然に囲まれ、北の大地を満喫できる。
温泉ソムリエの理沙さんは、バラエティーに富んだ泉質に注目。「5種類もの源泉があるのはとても珍しいですね。毎分300リッター湧き出る源泉を存分に楽しめます!」
理沙さんから効能を教えてもらいながら5つの源泉に浸ってご満悦の由美さん。「一度に5種類の美人の湯に入れるなんてラッキー!」
(取材協力=湯元 湧駒荘)
望楼NOGUCHI登別は全室展望風呂付きのスイートルーム。和モダンのハイセンスなインテリアは落ち着きがあって、自然にくつろいでしまう。
きれいな乳白色のお湯からは硫黄の香りが漂ってきて、まさに温泉に来たという気分を味わえる。「お風呂からあがった後も、ポカポカが続きます。肌がしっとりしたのを実感しますね」
(取材協力=望楼NOGUCHI登別)
約300km離れている2つの温泉に入れたのは、長距離ドライブでも疲れない 「ジャガーXE」だったから。美人の湯で至福の時を過ごした2人は、満足げに帰路につきました。
理沙さんのセレクトは登別温泉。有名な温泉地だけど、ここ旭岳からは300km近い距離のような気が……。
由美「大丈夫! ジャガーXEならすぐ着いちゃいますよ」
雪は雨に変わり、路面はシャーベット状に。引き続き“ウィンター”モードで走っていると、前のクルマが急ブレーキ!
理沙「ビックリした~。ぶつからなくてよかったけど、今何か音がしませんでした?」
由美「クルマの前にステレオカメラが備えられていて、衝突の危険を察知すると警告音で教えてくれるの。その後ドライバーが何もしないと、自動で緊急ブレーキが作動するんです」
理沙「クルマが自分で止まってくれるんですか?」
由美「ジャガーXEは先進安全装備も充実しているから安心して運転できますね」
ステレオカメラを使った機能はほかにもある。車線から逸脱するとステアリングホイールを振動させて警告する「レーンデパーチャーウォーニング」、ドアミラーのアイコンを点滅させて接近車両を知らせる「クロージングビークルモニター」、設定した車速で前方車両と距離を保ちながら走行する「アダプティブクルーズコントロール」が装備されている。ドライバーの負担を軽減して安全性を高めているのだ。
望楼NOGUCHI登別は全室展望風呂付きのスイートルーム。和モダンのハイセンスなインテリアは落ち着きがあって、自然にくつろいでしまう。
高速道路を南下している間に雨は上がり、登別温泉に到着。長距離ドライブなのに、由美さんは疲れた様子もない。
由美「巡航している間は2000回転に満たないからずっと静か。大トルクのおかげで加速したい時はちょっとアクセルを踏めばOKなので、ストレスを感じないんです」
こちらの宿は望楼NOGUCHI登別。スタイリッシュなデザインで、大人の隠れ家というイメージだ。和モダンな雰囲気の広いスイートルームには展望風呂がしつらえられている。
きれいな乳白色のお湯からは硫黄の香りが漂ってきて、まさに温泉に来たという気分を味わえる。「お風呂からあがった後も、ポカポカが続きます。肌がしっとりしたのを実感しますね」
(取材協力=望楼NOGUCHI登別)
由美「いかにも温泉という香り」
理沙「硫黄の香りですね」
由美「あったまる~。身体がポカポカするみたい」
理沙「こちらの硫黄泉は肌に浸透して毛細血管を拡張する効果があるんです。メラニンを分解する作用もあるので美白効果も。塩化物泉でもあるから塩のパック効果で保湿を促進。まさに“美人の仕上げの湯”です」
由美「やったー。もしかして、美人度アップしちゃったかな?」
お二人とももともと美人ですが、温泉のリラックス効果でお肌が生き生きしています。雪の大地で美人の湯をハシゴするぜいたくな旅ができたのは、ジャガーXEのおかげ。感謝しなくちゃいけませんね。
約300km離れている2つの温泉に入れたのは、長距離ドライブでも疲れない 「ジャガーXE」だったから。美人の湯で至福の時を過ごした2人は、満足げに帰路につきました。
スポーツカーこそ本来のわがDNA――そんなスタンスをあらためて強調しつつ、スポーティーな雰囲気を基調としたニューモデルを続々と世に問うているのが、昨今のジャガー。
特にかつての日本では、「裕福な年配者のための、ジェントルなサルーンを生み出すメーカー」といった印象も強かった。
が、そうした静的なイメージが支配的だったのも、“今は昔”のハナシになりつつある。
1961年に発表され、発売後は世界的なヒット作となった往年の名モデル「E-TYPE」。それから半世紀ぶりに姿を現した2シーターモデルの「F-TYPE」を筆頭に、スポーティーで躍動感あふれるルックスの持ち主がズラリと並ぶのが、現在のジャガーラインナップなのだ。
欧州で“D セグメント”と呼ばれる激戦区に、満を持して導入されたサルーンが「XE」日本での発売は2015年の6月。最新ジャガー車の流儀に従って、そのボディーには軽量さと強靱(きょうじん)ぶりを両立させる、最新のアルミテクノロジーが採用されている。
多くの人に、「最近このブランドの作品は変わってきたな……」と実感させるようになったのは、恐らく2009年にローンチされた初代「XF」以降であるはず。見た目の印象にとどまらず、このブランドから発表されるニューモデルは、まさにそのころから、走りのテイストも大きく方向性を変えた。
端的に言えば、スタイリングテイストの変化に呼応するように、ジャガー車全般の走りのテイストもまた“ドライバーズカー”の方向へと大きくかじが切られたのだ。それは、最も大型のサルーンである「XJ」シリーズとても例外ではなかった。
高く、幅広のセンターコンソールによってフロント左右席が分断されたインテリアは、サルーンでありつつもスポーティーな雰囲気が満点。イグニッションスイッチONと共にせり上がる“ロータリーシフト”も見どころのひとつだ。
フラッグシップサルーンであるだけに、もちろんゆったりとしたサイズのゴージャスなリアシートに、ショーファーを仕立ててゲストとして収まった場合の快適性は言うまでもない。
が、同時に最新のXJは、自らがステアリングを握った際の、ドライバーズカーとしての資質も一級品に仕立てられている。
中でも、自在なハンドリング感覚の演出は特筆もの。5mをはるかに超える全長の持ち主でありながら、いざ走り始めるとそうした体格を意識させられることのない、身軽で等身大の本格スポーツサルーンとしてのダイナミズムをタップリと味わわせてくれる。
フラッグシップのサルーンにすらそんな非凡なキャラクターを与えるジャガーが、2015年に満を持して世に送り出したミディアムクラスサルーンがXE。今回は、そんな最新のジャガー車で、いよいよ本格的な冬が訪れようとする北海道へと旅に出た。
いかにもプレミアムブランドの作品らしい、上質で丁寧な作り込みのインテリアもジャガー車ならではの魅力。タップリとしたサイズのシートが、どのような場面でも優しく体を包み込んでくれる。
欧州で“D セグメント”と呼ばれる激戦区に、満を持して導入されたサルーンが「XE」日本での発売は2015年の6月。最新ジャガー車の流儀に従って、そのボディーには軽量さと強靱(きょうじん)ぶりを両立させる、最新のアルミテクノロジーが採用されている。
高く、幅広のセンターコンソールによってフロント左右席が分断されたインテリアは、サルーンでありつつもスポーティーな雰囲気が満点。イグニッションスイッチONと共にせり上がる“ロータリーシフト”も見どころのひとつだ。
いかにもプレミアムブランドの作品らしい、上質で丁寧な作り込みのインテリアもジャガー車ならではの魅力。タップリとしたサイズのシートが、どのような場面でも優しく体を包み込んでくれる。
とかく「雪には弱い」といわれがちなFRレイアウトを採用する「XE」でも、この写真のように硬く締まった圧雪路に最新のスタッドレスタイヤ、という組み合わせであれば、何の不安もなく快適なドライブが楽しめる。
ドライ路面で際立つ自在なハンドリングの感覚は、雪上走行でもしっかり踏襲。FRレイアウトの採用や、それがもたらした、ほとんど完璧に50:50という前後重量配分なども、そんな好ましい操縦性を実現させる要因につながっている。
駆動方式だけではなく、前後重量バランスも重要なポイント。「2WDなのに雪道のワインディングも自由に走れる」という感覚は、こんなところにも秘密があるのだ。
北海道の冬。それはもちろん、積雪や凍結路面とは無縁でいられない。こうしたシチュエーションに遭遇した場合、4WDシステムの持ち主が大きなアドバンテージを得るのは紛れもない事実だ。
2WDモデルでは、フロントもしくはリアの2輪でのみ発生させるしかない駆動力を、4WDであれば4つの車輪で路面へと伝えることができるのは大いに有利。すなわち、滑りやすい路面での発進時には、絶大なる威力を発揮する。
だが一方で、今なおそうした地域のタクシーに2WDモデルが少なくないことからも明らかなように、システムがより簡潔で軽量さも武器となる2WDが「完敗」ではないのもまた事実だ。
とかく「雪には弱い」といわれがちなFRレイアウトを採用する「XE」でも、この写真のように硬く締まった圧雪路に最新のスタッドレスタイヤ、という組み合わせであれば、何の不安もなく快適なドライブが楽しめる。
スタッドレスタイヤの性能向上や、昨今の電子制御技術の進歩が、こうした条件下での2WD モデルにもそれなりに高い走りの自由度を実現させている。実際、そんな最新2WDモデルの走りの実力を、あらためて教えてくれることになったのがXEでのテストドライブでもあった。
今回のテスト車両は、2リッター4気筒のターボ付きディーゼルエンジンを、8段ATと組み合わせて搭載した「R-SPORT」。180psという最高出力は、数字的には今や取るに足らないもの。しかし、より注目すべきは1750~2500rpmという低く、そして幅広い範囲で発生する430Nmという大トルクだ。実際の走りでも、アイドリング+αの段階から発生する太いトルクに随分と助けられた。
ドライ路面で際立つ自在なハンドリングの感覚は、雪上走行でもしっかり踏襲。FRレイアウトの採用や、それがもたらした、ほとんど完璧に50:50という前後重量配分なども、そんな好ましい操縦性を実現させる要因につながっている。
アクセルペダルをじわりと踏み加えることでリニアに立ち上がるトルクが、滑りやすい状態での発進時に、意外にも「路面をつかむ感じ」を分かりやすく伝えてくれるからである。
「それでも、トルクの立ち上がりが強過ぎて扱いにくい」という場面では、センターコンソール上にスイッチがレイアウトされた“JaguarDriveコントロール”も頼りになる存在。
ここで“ウィンター”モードを選択すると、急激なトルクの立ち上がりが回避されてスムーズな発進を行いやすくなるからだ。
駆動方式だけではなく、前後重量バランスも重要なポイント。「2WDなのに雪道のワインディングも自由に走れる」という感覚は、こんなところにも秘密があるのだ。
さらにこのXEには、路面状況が厳しくなるほどに真価を発揮する、通常のモデルには見られない“秘密兵器”も用意される。“オール・サーフェイス・プログレス・コントロール”と名付けられた、最新デバイスがそれ。3.6~30km/hまでの範囲でセット車速をキープする、いわば「極低速クルーズコントロール」機能だ。
実際にこれを活用して、まだ轍(わだち)のない新雪の中を進んで行くと、微妙なアクセル操作から解放され、ステアリング操作に専念できることによる心理的な余裕が、想像以上に大きいものであることを実感した。上り下りの勾配中でも使用が可能なため、凍結した下り坂といった厳しい状況の中でも大きな効果が期待できることになる。
滑りやすい条件でのロングドライブでも、疲労感は最小限。フラットなの乗り味や自在な操縦性に加え、ディーゼルエンジンを搭載しつつ高い静粛性を保っていることなども、そうした好印象をもたらす一因になっている。
きちんとスタッドレスタイヤを装着することにより、4WDモデル並み……とまではいかなくても、通常の2WD車両を凌駕する冬道での走行性を披露してくれたXE。
また、そうしたシーンを外れても、いかにも最新のジャガー車らしい、真のドライバーズカーとしてのバランスに長(た)けた走りのテイストを提供してくれたことも見逃せない。
クルージング中のわずかなアクセル操作に対して、即座に大きなトルクを上乗せさせるディーゼルエンジンの性格は、高速走行時の大きな美点。こうしたシーンでは、特に優れた燃費性能を実現させる点も見逃せない。
わずか1400rpmほどで100km/hのスピードを実現する高速クルージングは、まさに「平和で快適」。「すべての車輪がしっかり仕事をしている」と実感のできるコーナリングの感覚も、FRレイアウトを備えたこのモデルならではの財産だ。
“アウトバーンで鍛えられた”という金看板とともに、日本の輸入車シーンで圧倒的な人気を誇るドイツ発のモデルたち。けれども、そんなモデルたちに一歩たりとも見劣りすることのない走行性能を身に付けつつ、ライバルとは一線を画した個性豊かなスタイリングと、英国車ならではの雰囲気あふれるインテリアを見事に融合させた一台――それが今回、本格的な冬が到来した北海道でその実力の高さを教えてくれたXE であると、ここであらためて紹介したい。
滑りやすい路面では、路面とのコンタクト感がしっかり伝えられることも安全走行には重要。そんな路面からのインフォメーション性の高さに優れているのも、最近のジャガー車の大きな美点だ。
滑りやすい条件でのロングドライブでも、疲労感は最小限。フラットなの乗り味や自在な操縦性に加え、ディーゼルエンジンを搭載しつつ高い静粛性を保っていることなども、そうした好印象をもたらす一因になっている。
クルージング中のわずかなアクセル操作に対して、即座に大きなトルクを上乗せさせるディーゼルエンジンの性格は、高速走行時の大きな美点。こうしたシーンでは、特に優れた燃費性能を実現させる点も見逃せない。
滑りやすい路面では、路面とのコンタクト感がしっかり伝えられることも安全走行には重要。そんな路面からのインフォメーション性の高さに優れているのも、最近のジャガー車の大きな美点だ。
JAGUAR XE 20d R-SPORT ジャガーXE 20d R-SPORT |
|
ボディーサイズ | 全長×全幅×全高=4680×1850×1415mm |
---|---|
ホイールベース | 2835mm |
車重 | 1660kg |
駆動方式 | FR |
エンジン | 2リッター直4 DOHC 16バルブ ディーゼル ターボ |
トランスミッション | 8段AT |
最高出力 | 180ps(132kW)/4000rpm |
最大トルク | 43.8kgm(430Nm)/1750-2500rpm |
タイヤ | (前)225/45ZR18/(後)225/45ZR18 |
燃費 | 17.1km/リッター(JC08モード) |
価格 | 561万円 |
ボディーサイズ | 全長×全幅×全高=4680×1850×1415mm |
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ホイールベース | 2835mm |
車重 | 1660kg |
駆動方式 | FR |
エンジン | 2リッター直4 DOHC 16バルブ ディーゼル ターボ |
トランスミッション | 8段AT |
最高出力 | 180ps(132kW)/4000rpm |
最大トルク | 43.8kgm(430Nm)/1750-2500rpm |
タイヤ | (前)225/45ZR18/(後)225/45ZR18 |
燃費 | 17.1km/リッター(JC08モード) |
価格 | 561万円 |