どのシートでも心地いい
ポルシェ パナメーラS E-ハイブリッドはクオリティーの高いスポーツセダンだ。なめらかな曲面で構成されたスタイリングもさることながら、作りのよさが際立っている。ドアを開けた瞬間、ヒンジの剛性の高さを感じ、すばらしい品質感を味わうことができるといっても過言ではない。乗りこめば、前席も後席も、手に触れる部分の作りのきめの細かさと質感、それに操作したときの動きなどで大いなる満足感をおぼえるはずだ。
後席空間は広々としていて、運転手つきのショーファードリブンとして使われても違和感は一切ない。パナメーラのよさは、すべての席が独立しているので、囲まれ感で気分が落ち着くところにもある。家族とさえ距離を置きたがる思春期の子どもがいるひとが、パナメーラで一緒に出掛けられるようになったと言っていたのを聞いたことがある。しかもパナメーラS E-ハイブリッドはEV走行中の静粛性がひときわ高いため、前席と後席の会話も弾むそうだ。

後席は、ヘッドレスト一体型のスポーティーなデザイン。独立式の2人掛けになっている。
ドライバーにとっても“コックピット”と表現したくなる運転席の居心地はいい。すべてのコントロール類が必要なところに配されている。可能なかぎりモーターだけで走行する「Eパワーモード」や、エンジンの力を借りながらバッテリーへの充電を行う「Eチャージモード」、さらに「ハイブリッドモード」と、運転を積極的に楽しみたいときにエンジンとモーターを同時に動かせる「スポーツモード」がそろうのもパナメーラS E-ハイブリッドならでは。必要に応じてこれらのモードを切り替えられるスイッチもセンターコンソールに配置されている。ブラインドタッチで操作できるのは、人間工学的にすぐれた設計ゆえだ。
セダンというと箱型のクルマ、というのが一般的な定義かもしれない。しかしポルシェが考えると、セダンはここまで“進化”する。そのことにあらためて感心させられるのがパナメーラS E-ハイブリッドの大いなる魅力なのだ。

「パナメーラS E-ハイブリッド」の最高速度は270km/h。モーター駆動のみでも、最高135km/hでの走行が可能だ。








