THE NEW RANGE ROVER EVOQUE
Chapter 3-1
現代的であると感じる理由
新型レンジローバー イヴォークでの旅は、横浜での撮影からスタートすることに決めた。神奈川県庁や横浜地方裁判所などが並ぶ日本大通りが、イギリス人建築家のリチャード・ヘンリー・ブラントンによって設計されたという故事にちなんでのことだ。深い意味はないけれど、イヴォークのデザインはそんな“お遊び”がしたくなるほどインプレッシブであることは間違いない。

すべてが新しくなった新型レンジローバー イヴォーク。新開発プラットフォームとマイルドハイブリッド機構を組み込んだパワートレインを採用している。
イヴォークのデザインについて深掘りすることは本稿の目的ではないけれど、横浜の街で撮影を行いながら、このクルマのデザインが極め て現代的であると感じる理由に思い当たった。ファッションでも音楽でもスポーツでも、ストリートの文化が色濃く反映されるのが現代のトレンドだ。たとえば高級ファッションブランドはグラフィティー調の色柄を取り入れたり、ヒップホップから着想を得たダブッとした洋服を作っている。あるいはスケートボードがオリンピックの種目になるなど、昔からの文化とストリートカルチャーの境目がなくなりつつある。

英国人建築家R.H.ブラントンの設計によって明治3年頃に完成した、日本で初めての西洋式街路、横浜・日本大通りを行く新型イヴォーク。
ボディーの凹凸を極力廃した、ヴェラール譲りのツルンとしたイヴォークのデザイン処理にも、カスタマイズカーの世界でスムージングと呼ばれる手法の影響が感じられる。レンジローバーというラグジュアリーなブランドがカスタマイズカーの世界と通じているのは、高級ファッションブランドがヒップホップの世界観を取り入れているのと同じ構図だ。クルマは世につれ、世はクルマにつれ。レンジローバー イヴォークがかっこいいだけでなくイマっぽく見えるのには、そんな背景があると考える。

最新のデジタルデバイスを積極的に取り入れ、進化を遂げた内装デザイン。一方で、ユーカリ素材や再生ポリエステルから作られたテキスタイルを仕様に応じて採用するなど、環境にも配慮がなされている。
内装のテキスタイルに、ユーカリ素材を使ったものや再生ポリエステルから作られたDinamicaスエードクロスを用意するなど、環境に配慮している点も、現代のラグジュアリーブランドらしい姿勢だ。

新型イヴォークには、2リッター直4ディーゼルと、出力の異なる3種類の2リッター直4ガソリンエンジンが用意される。
能書きはそれぐらいにして、旅をスタートさせたい。今回の旅の相棒は、レンジローバー イヴォークR-DYNAMIC HSE P300 MHEV。日本仕様のエンジンラインナップは4種で、2リッターのディーゼル(最高出力180ps)と、2リッターのガソリンがチューン違いで3種(それぞれ最高出力が200ps、248ps、300ps)。今回の相棒は最もチューンが高い300ps仕様で、後述するマイルドハイブリッドの機能を備えている。
この旅の目的は、長い距離を走って新型イヴォークのポテンシャルをじっくり見極めることだ。スタートボタンで300psを目覚めさせ、旅が始まった。

横浜から英国ゆかりの地を巡るロングドライブのパートナーは、新型イヴォークR-DYNAMIC HSE P300 MHEV。
-
すべてが新しくなった新型レンジローバー イヴォーク。新開発プラットフォームとマイルドハイブリッド機構を組み込んだパワートレインを採用している。
-
英国人建築家R.H.ブラントンの設計によって明治3年頃に完成した、日本で初めての西洋式街路、横浜・日本大通りを行く新型イヴォーク。
-
最新のデジタルデバイスを積極的に取り入れ、進化を遂げた内装デザイン。一方で、ユーカリ素材や再生ポリエステルから作られたテキスタイルを仕様に応じて採用するなど、環境にも配慮がなされている。
-
新型イヴォークには、2リッター直4ディーゼルと、出力の異なる3種類の2リッター直4ガソリンエンジンが用意される。
-
横浜から英国ゆかりの地を巡るロングドライブのパートナーは、新型イヴォークR-DYNAMIC HSE P300 MHEV。