
BMWのラグジュアリーセダン「7シリーズ」は、どんな体験をもたらすのか。 最高のクラフトマンシップと最新のテクノロジーが織り成す、その世界に触れた。
抑制のきいた華やかさ
目の前にしずしずと現れたのは、「750」の「Li」だった。ホイールベースがスタンダードボディーより140mm長い、リアシートというものの存在をさらに重視したモデルである。
BMWというブランドのクルマを選ぶユーザーが、自分の時間には自身でステアリングを握って走ることを楽しみたいタイプであることは、まず間違いないだろう。それは長年7シリーズにロングホイールベース版をラインナップしてきたBMWが、このLiにも“M Sport”を設定していることが証明している。けれど、Liを選ぶ人は、同時にウイークデーのビジネスタイムにはリアシートにおさまるべき人物でもあるはずだ。リアシートの居住性は、やはり気になるところだろう。
分厚いけれど動きの滑らかなリアドアを開けると、そこには抑制のきいた華やかさ、とでもいうべき上質な空間が広がっている。派手ではないし、といって堅苦しさもなく、当然ながら安っぽさのようなものはみじんもない。
BMWのフラッグシップセダン「7シリーズ」。日本では、写真の「750Li」を含む全12モデルがラインナップされている。
リアシートにおさまってみると、目の前のフロントシートの背中には、左右で独立した10インチのモニターがレイアウトされている。ルーフに備わる、前後それぞれ独立したサンルーフ越しには空が望める。開放的な気分になる。
サンルーフはもちろん、リアのサイドウィンドウとリアウィンドウには電動式のブラインドも備わっているから、プライバシーをキープしたい場合には、すべてを閉じればいい。さらに気分を変えたくなったなら、足元やフロントのシートバック、ドア内側の小物入れやショルダー部に埋め込まれた照明のカラーや光の強弱を好みに調整できるアンビエント・ライトの機能を生かせばいい。
車内に流れるオーディオのサウンドやソースなどもリアシートからコントロールできる。10インチのモニターではBlu-rayも楽しめる。インターネットにアクセスして調べ物をすることも可能だ。
リラックスするための空間としても、ビジネスのための空間としても、自分にあった環境を組み立てることができる。
前後2枚のガラスパネルで構成される「スカイ・ラウンジ・パノラマ・ガラス・サンルーフ」。切り替え可能な6色のアンビエントライトも備わっており、夜間は趣のある室内空間を演出できる。