



東京→京都・大阪500km
ジャガーXEディーゼルの
ビジネスマンズエクスプレスとしての実力を探る
遠くへ行く車
文=高平高輝/写真=田村 弥
Text by Koki Takahira /
Photographs by Wataru Tamura
新東名高速道路にて
もちろん燃費だけがXEディーゼルの要点ではない。ご存じの通り、ジャガーXEはドイツのプレミアム御三家に切り込むべく、2015年夏に日本に導入されたジャガー期待のミディアムサルーンである。全体の75%あまりをアルミ製とした軽量ボディーを生かした軽やかでしなやかな走りっぷりが特長だが、加えて“インジニウム”と称する新開発の2リッター4気筒直噴ターボディーゼルエンジンも目玉であり、それを積むディーゼルモデル3種のデリバリーが始まったのである。

新東名高速道路を一路西へ。
自慢の最新ディーゼルエンジンの最高出力/最大トルクは180ps(132kW)/4000rpmと43.8kgm(430Nm)/
1750-2500rpmというもの。この数字を見るだけで余裕しゃくしゃくぶりが想像できる。何しろ最大トルクは「XE S」の3リッターV6スーパーチャージャー付きエンジン(45.9kgm/3500rpm)に迫るものであり、実際に0-100km/h加速のメーカー値は7.8秒、最高速228km/hと、2リッターガソリン直噴ターボ(200ps、32.6kgm)を積む「20t」と事実上変わらない(こちらは7.7秒と236km/h)パフォーマンスを備えている。それでいながらJC08モード燃費は17.1km/リッター、同じく11.8km/リッターの20tとは比べ物にならないレベルだ。

2リッターのインジニウムディーゼルエンジン。
現実の路上でも、実にイージーで速い。きわめて洗練されたパドルシフト付き8段ATとの相性は抜群で、普通に何気なく加速していくとまるで気づかないうちに粛々とシフトアップし、走行車線に落ち着いてみると制限速度を超えそうになっているということが多かった。まったく無理せず、安心して走れる快適速度帯が100km/hよりもかなり高いということだ。トップギアで100km/h巡航時のエンジン回転数はわずか1400rpm強。その近辺での加減速はほとんどキックダウンすることなく、するとしてもせいぜい2000rpm程度までしか回す必要がない。ちょうど新東名など一部高速道路の制限速度引き上げが話題になっているが、イージーで快適で速いXE 20dはそんな舞台で真価を発揮するはずだ。

高速道路でこそディーゼルの真価が発揮される。
ちなみに燃料タンク容量はガソリンモデル(63リッター)よりもちょっと小さい56リッターとなるが、高速道路だけなら多少速めのペースでも20km/リッターは超えたから1000kmはまず問題なし。その気ならば東京・大阪間往復を無給油でこなすこともできるだろう。

高速道路だけなら1000km無給油走行もいけそうだ。

新東名高速道路を一路西へ。

2リッターのインジニウムディーゼルエンジン。

高速道路でこそディーゼルの真価が発揮される。

高速道路だけなら1000km無給油走行もいけそうだ。