アウトドアでは完璧な準備を!
プラドは頼もしいパートナー

本日、ケンさんが予定しているアクティビティーは、ロッククライミングの一種であるラッペリングとキャニオニングのふたつ。その前に、周辺の道路で軽くランドクルーザープラドを走らせる。

「アウトドアを楽しむ場所まで連れて行ってくれるわけだから、やっぱりクルマの存在って大事ですよね。少しぐらい荒れた道でもタフに走ってほしいから、やっぱり少し背の高い四駆が安心。クライミングにしろカヤックにしろ、舗装されていない道を走ることもありますから、本物の体験をするには悪路を走破できるクルマが必要なんですよ。海へ山へと遠出をする機会も多いから、ミニバンでは躊躇(ちゅうちょ)するような未舗装路も難なく走ることができるうえに、乗り心地がよくて静かなこのプラドなんかいいですね。家族で快適に移動できますよ」

ランドクルーザープラドをドライブするケンさん。「やっぱりアウトドアには本格的なSUVだと安心ですね。しかもこんなにヘビーデューティーなのに、とても運転しやすいのが印象的でした」とのこと。

これから行うアクティビティーを安全に楽しむコツを尋ねると、こんな答えが返ってきた。
「子どもにもよく言い聞かせたんですが、臆病すぎるほど臆病になれ、と。それがアウトドアを楽しむコツです。天候をよく調べて、装備も万全を期す。これからやるラッペリングは岩場の上にロープをかけて降りてくる遊びで、ロッククライミングのなかでは安全な部類ですけど、必ずロープの支点を何カ所か用意します。3カ所あれば1カ所が外れても大丈夫。リスクヘッジというほどじゃないけれど、子どもに教えると普段の生活にも役立つと思うんですよね」

クルマがお好きでメカニズムにも詳しいケンさんは、ここでランドクルーザープラドのトランスファー切り替えスイッチとセンターデフロックのスイッチに気付いた。
「おっ、センターデフロックまで付いているんだ。アウトドアでは臆病すぎるほど臆病になって完璧な準備をしたほうがいいと思うので、あると安心ですよね。万が一のことはあってはいけませんが、備えはしておく。それがアウトドアの心得です」

ロッククライミングの舞台となる岩場へは、お子さん連れのお客さんを連れて行くことも多いという。「ここは、小学生ならちょっとがんばれば登れます。子どもには親父が楽しんでいる背中を見せることが一番だと思っていますが、それには格好のルートですね」

どれだけ過酷な場所であっても人や荷物を運んで無事に帰ってくるということで、「ランドクルーザー」は世界中で絶対的な信頼を得た。この信頼性の高さを裏付ける本格的なメカニズムは、ケンさんがおっしゃる「アウトドアでは完璧な準備をする」という言葉に通じるものがある。

ラッペリングの岩場までは、結構な山道だ。ロープを肩にかけ、各種ギアを身につけたケンさんは軽快な足取りで山を登っていく。「なぁに、小学生でも元気に登る道ですよ」とケンさんはおっしゃるが、取材班の半数は息も絶え絶えだ。その様子を見たケンさんは、こんな言葉を残した。

「アウトドアのいいところって、だれもが平等だというところです。偉いとかお金持ちだとか関係なく、普段から準備をしている人は楽しく登れるし、そうでない人は山に登っても景色を楽しめない。そこが面白いですよね」

outside BASEをオープンする時点では、この岩場の存在は知らなかったとケンさん。「遠くから、ちょっと岩場が見えたんですよ。それで何度かアタックして、このルートを開拓しました」

ラッペリングの大迫力は、原稿に10行を費やすより写真をご覧いただくほうが正確に伝わるだろう。それにしても岩場の上からの眺めは、汗だくになって登った甲斐(かい)がある絶景だ。こんな体験をすると、つらくてもまた山に登ろうという気になる。

ケンさんが岩場を降り始めた。その姿を、取材班全員が手に汗握って見つめる。不可能だと思えることに挑む姿、それを克服する知恵と体力。ケンさんは、「アウトドアを楽しむ姿を子どもに見せれば、子どもは自然とついてくる」とおっしゃるが、確かにその通りだと思った。

ラッペリングのスタート地点、つまりここからロープ伝いに岩場を降りる。「どうです、この眺め。しんどいけれど、登れば登っただけの価値があるということをお子さんに伝えられるんじゃないですか」