
航続距離の延長でドライバーの心理は
どう変化するのか
「日産リーフ」を1週間にわたって試乗するのは、これで2回目だ。前回はリーフがデビューした翌年の2011年だったから、6年ぶりのことになる。
この間、リーフにはいくつかの変化が起こった。最大のニュースは、最大で280kmの航続距離を実現したことだろう。デビュー当初はJC08モードで200kmだった満充電での航続距離が、2012年のマイナーチェンジで228kmに。さらに2015年には従来24kWhのみだった駆動用バッテリーが、30kWhタイプも選べるようになったことで得られたものだ。
カタログ値で200kmだった前回は、正直、「もう少し走ってくれれば」と思うことが何度かあった。それが280kmになった現在、実際にはどのくらい走れ、それによってドライバーの気持ちはどう変わるのか、興味があった。
森口将之:1962年東京生まれの自動車ジャーナリスト。自動車専門誌の編集部勤務を経て1993年にフリーランスとして独立。海外にも積極的に足を運び、交通事情や都市景観、環境対策などの取材を通して、クルマのあるべき姿を探求する。EVにも造詣が深い。
さらに2016年には、自宅や会社に充電設備を持たない人でもリーズナブルにリーフに乗れる新しいサポートプラン「日産ゼロ・エミッションサポートプログラム2(ZESP2)」が用意された。
その内容は、全国に5600基以上あるNCS(日本充電サービス)の急速充電器を専用カードで使え、さらに車載ナビで充電器の場所や空き状況が確認できたり、充電が終了するとメールでお知らせしてくれたり、長距離移動の際は日産レンタカーが割引となったり、エマージェンシーサポートが付いたりと、至れり尽くせりの内容となっている。
東京・代官山の通りにたたずむ「日産リーフ」。「タンジェリンオレンジ/スーパーブラック」の2トーンカラーが、おしゃれな街並みによくなじむ。
ちなみにNCSとは、自動車メーカー4社等が2014年に設立した合同会社で、それまで独自に展開していた会社のサービスもここに合流しており、現在は国内の多くの充電器がこの規格になっている。
このZESP2には2つのプランがある。ひとつは月会費1000円(税別)で、充電1分あたり15円がかかる「つど課金プラン」。そして月会費2000円(税別)で充電し放題になる「使いホーダイプラン」だ。しかも今リーフを新車で買い、ZESP2に申し込んだ人なら、この使いホーダイプランが2年間無料になるという。
EV用の急速充電器を示す案内看板。意識して街中をドライブすると、コンビニエンスストアやコインパーキングなど、いたるところに存在することに気がつく。