REPORT 実践を通して知る ちょっと賢い“タイヤ選び”

きっかけはリアタイヤのパンク

運転免許を取得してから6台のセダンを乗り継いできたという三浦由紀浩さん。今どき希少な正統派クルマ好きである。現在の愛車は「メルセデス・ベンツE250」。ドイツ製高級車に乗るシュッとしたイケメンというのは完璧な組み合わせのようだが、このクルマにはちょっと残念な点があった。前後のタイヤが別メーカーの製品なのだ。

「2年前に購入した時は、純正タイヤが装着されていたんです。気に入っていましたが、右のリアタイヤがパンクしてしまったんですね。その時にリアの2本を取り替えました。すると、今度は右のフロントタイヤがパンク。両方ともクギが刺さっていたんです……」

三浦さんがタイヤに求めるのは、静かさと乗り心地。フロントには静粛性が高いと評判のタイヤを選んだという。前後で違うブランドのタイヤを付けたことに、大きな問題があるとは考えなかった。

「どちらも国産タイヤを選びました。国産なら性能的には安心できると思っていましたから」

三浦さんのマイカーは、先代の「メルセデス・ベンツEクラス セダン」。スリーポインテッドスターのラインナップの中でも特に長い歴史を持つ、Eセグメントの高級セダンである。

クルマの性能を台無しにしてしまうことも

「タイヤは4本一緒に取り替えたほうがいいですよ! 前後で違うタイヤを取り付けたのでは、クルマ本来の性能が引き出されない可能性があります」

三浦さんの勘違いを指摘するのは、藤トモ先生ことモータージャーナリストの藤島知子さん。

「残念ながら、前後で違うタイヤを装着しているケースは少なくないようです。見た目が大幅に違うわけではないので、気にしない人が多いんでしょうね……。でも、高いお金を出してクルマを買ったのに、タイヤ代を惜しんだことで台無しになってしまうこともありますよ」

タイヤ製造の技術は進歩し続けていて、タイヤ交換することでクルマのポテンシャルを引き出すこともできるのだ。

「燃費やハンドリング、乗り心地など、市販されているタイヤには銘柄によって得意な分野に違いがあります。ただ、うたい文句だけでは判断できない部分もありますね。クルマとの相性も考えて、最適なタイヤを選ぶことが大切です」

藤島知子(ふじしま ともこ)
自動車専門誌に加え、テレビやウェブメディアなどでも活躍するモータージャーナリスト。モータースポーツへの挑戦をきっかけに執筆活動を開始し、今日では“運転好き”の目線と女性ならではの目線の両方から、クルマと共に過ごすライフスタイルの素晴らしさを発信している。

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