イタリアン・スポーツカーABARTH 124 spiderしみ

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ABARTH

REPORT 1

文=嶋田智之/写真=郡大二郎

自分のウデで、自由自在に

これは結構な美点だと思う。リアタイヤがグリップを手放していくときの流れは分かりやすく伝わってくるし、正確なステアリングや絶妙に調律されたシャシーが、その先のコントロールのしやすさをかなえている。“どうにでもできそう”という気すらしてくるほど──錯覚かもしれないけど──である。いずれにしても、クルマを自分自身の手で的確にコントロールする楽しみの濃さという点では、124スパイダーは間違いなくピカイチ級なのだ。

日々のワンシーンがドラマになる

ただ、それらは124スパイダーの魅力の一部にすぎない。初代「フィアット&アバルト124スパイダー」の魅力的なディテールを巧みに埋め込んだ、技巧派のイタリアンデザイン。心地いい日に、わずかなアクションだけでトップを開け放てるオープンエアの醍醐味(だいごみ)。ストロークが短く、小気味よく決まる6段MTのシフトフィール。日常と非日常をシームレスに行ったり来たりすることのできる要素が、このクルマにはたくさんあるのだ。飛ばさないときだって気分よくいられる感覚。そういうところが、クルマ趣味を“若気の至り”にできない世代には、またちょうどいい。

楽しいことなんて、いくらだってある。重ったるい何かから自分を引き離すための方法も、いくらだってある。でも、クルマ好きにとってはスポーツカーを走らせることほど、その両方に適したものはない。仕事場からの帰り道。コンビニまでの5分の道すがら。そんなどうってことない時間ですら、ちょっとばかりドラマチックなものに変えてくれるのだから。

そんなふうなことを考えると、アバルト124スパイダーがものすごくマジカルな存在に感じられて仕方ないのだ。

DEALER INFORMATION
キャンペーンやイベント、スペック情報など、ABARTH 124 spiderについて詳しくはこちらをご覧ください。

レザーとアルカンターラで仕立てられた124スパイダーのシート。鮮やかなレッドのステッチやABARTHロゴでドレスアップされている。

トランスミッションは6段MTと6段ATの2種類から選択可能。特に前者については、ストロークが短くダイレクト感のあるシフトレバーによって、素早く正確な変速操作が可能となっている。

刺激的な走りはもちろんのこと、イタリア製品ならではのスタイリッシュな意匠や、気軽にオープンエアを楽しめるソフトトップを備えた124スパイダーは、大人も楽しめるスポーツカーに仕上がっている。