アグレッシブにも優雅にも走れる
124スパイダーのフトコロの深さは、運転のフレンドリーさにも表れている。毎日チョコチョコ乗るとなると、いかに走りが楽しくても運転しづらいのは困る。「普段使いもOK」なのが、124スパイダーの、特にAT仕様のスゴイところ。パワーを求めるオーナーに向けては伸び感をともなうターボの力強さを提供し、同時にAT内のトルクコンバーターで出足のトルクも補うという寸法だ。
特にポイントなのが“トルクを補う”という点だ。日常生活では下(低回転域)がスカスカで上(高回転域)が伸びるパワートレインより、下からトルクがあるもののほうが断然使いやすいのである。しかも124スパイダーは、そのコントロール性が高い。いくらショーウィンドウに映る姿がステキでも、乗りこなせていない雰囲気が出てしまうとカッコ悪いが、124スパイダーは乗り手の運転スキルに合わせてくれる包容力を備えている。それでいて「レコードモンツァ」装着車ならアバルトサウンドに酔いしれることもできるのだから、なんとまぁぜいたくなことか。
“アバルトのオープン”というぜいたく
1950年代から1960年代にかけてアバルトがレースで勝利を重ね続けていた頃、イタリアのダテ男たちは無理をしてもサソリのエンブレムが付けられたクルマを手に入れようとした。運よくオーナーになれたとしても、乗りこなすのは大変だったに違いない。カリカリにチューンされたエンジンのパワーバンドを保ちながらMTで操るのは、熟練のドライバーでも至難の業であったはず。今は170psの高出力を6段ATで乗りこなす。イージーではあるけれど、回転が上がるにつれて過給効果が目に見えて発揮される古典的な感覚を体感することができる。
忘れてはならないのが、アバルト124スパイダーがツーシーターのオープンカーだということ。名車は数々あれど、かつては気軽に乗れるアバルトのオープンなどなかったのだ。この時代に生きている恩恵を感じてしまう。オープンカーは世の中にいくらでもあるけど、屋根が開けばいいってものじゃない。アバルトのオープンという組み合わせには、ほかでは見つけられない通好みの価値がある。
往年の「アバルト124ラリー」に憧れた方がワクワクできるほどの高い運動性能と、質感を求める大人が満足できる重厚感を併せ持ち、なおかつユーザーを選ばないフレンドリーさをも備えている。さらにはストーリー性、デザイン性と、女性の所有欲を満たしてくれるキーワードにも事欠かない。いやはや124スパイダー、なかなかアッパレな一台である。
DEALER INFORMATION
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AT仕様の124スパイダーは、2500rpmで最大トルクを発生するターボエンジンとトルクコンバーターの組み合わせによる“力強さ”も特長。ストップ&ゴーの多い街中でも、ゆとりを持って、優雅に走らせられる。
124スパイダーの6段ATは、シフトセレクターやシフトパドルによる手動変速が可能。走行モードを「SPORT」にすると変速制御がスポーツ走行向けに切り替わり、より積極的なドライビングを楽しむことができる。
170psの最高出力を発生する1.4リッター直4ターボエンジン。ドライバーを高揚させる盛り上がり感と、低速域でもスムーズに走らせられる扱いやすさを両立している。
往年のアバルトのなかにもオープンカーはあったものの、それらの多くはレーシングカーやラリーカーなどの特殊なモデルだった。快適にオープンエアが楽しめる124スパイダーは、とてもぜいたくな存在なのだ。