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世界とのつながりを感じる

横浜のみなとみらい地区でしばし撮影したのち、いよいよ箱根を目指す。首都高速に阪東橋から上がり、狩場線に乗って横浜横須賀道路経由、保土ヶ谷バイパスで北上し、東名高速に横浜町田から入った。

「カンナム・スパイダーF3-S」では、ライダーは車体のやや後方に着座する。ステップの位置は、前後5段階に調節可能。

Y字型のフレームを持つカンナム・スパイダーは、筆者にとって未体験の、まったくもって新しい感覚を味わわせてくれた。一見、バイク風ではあるけれど、この斬新な快楽装置は独自のフレームを持つ。「Yフレームデザイン」と呼ばれるそれは、Yの文字そのままに前2輪、後ろ1輪のタイヤとホイールを支え、ホイールベース間にエンジンを抱えている。バイクのようにまたがるので重心は高そうに思えるけれど、そうではない。ものすごく低重心で、安定している。とりわけ前輪のどっしり感は四輪以上にも思える。車検証での前後重量配分は前280kg、後ろ150kg。これに体重60~70kgなりが加われば、前後重量配分はよりすぐれたものになる。

ベルト駆動による後ろ1輪駆動だけれど、255/50R15サイズのリアタイヤは十分なグリップ力を持っていて、容易にブレークしそうにはない。165/55R15の前2輪と後輪とのトライアングルがもたらす乗り心地は、想像するよりもはるかに快適で、首都圏から箱根までのライドだったら、お尻が痛くなるなんて現象はまったく起きない。極めて落ち着いた心もちで全身オープンが堪能できる。

高強度のスイングアームとモノサスペンションで構成されるリアまわり。エンジンが生み出す駆動力は、ベルトを介して後輪へと伝えられる。

景色はバイクに酷似している。目の前にあるのはバーハンドルと速度計とエンジン回転計で、自分の両腕がそのまま何者にも隔てられることなく、世界とつながっている。手を伸ばせば、もちろんそんなことはしないけれど、すぐそこに隣のレーンを走る自動車があり、その先に民家があり、山があって、空がある。私は世界とつながっている。

慣れるまではカーブがコワイ。どうやって曲がればいいのか、カラダが判然としないからだ。前2輪はバーハンドルで操舵する。リーンはしない。体重移動で曲がる乗り物ではない。四輪のようにハンドルで曲がる。だけど、またがって乗る。横Gから体を支えるのは自らの体幹、あるいはバランス感覚ということになる。そこの感覚がまったくもって新しい。大きく右なり左なりに前輪を動かしたとき、手前に引く側の腕は余裕ができるが、向こうに押す側は伸びきる。新しい身体感覚ではあるけれど、総じていえば、外見から想像するよりもはるかに乗りやすい。

海辺の道を流す。「カンナム・スパイダー」には、アクセルの操作をすることなく一定速度で巡航できる、クルーズコントロール機能が備わっている。
「カンナム・スパイダーF3-S」では、ライダーは車体のやや後方に着座する。ステップの位置は、前後5段階に調節可能。
高強度のスイングアームとモノサスペンションで構成されるリアまわり。エンジンが生み出す駆動力は、ベルトを介して後輪へと伝えられる。
海辺の道を流す。「カンナム・スパイダー」には、アクセルの操作をすることなく一定速度で巡航できる、クルーズコントロール機能が備わっている。

クルマの免許で“夢”かなう
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クルマの免許で“夢”かなう
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