CHAPTER 2.

ガソリンとディーゼル、2台のF-PACEを乗り比べる

ジャガーの理念が生きている

文=今尾直樹/写真=郡大二郎/取材協力=旧軽井沢 ホテル音羽ノ森

おしゃれな街によく似合う

軽井沢にはジャガーがよく似合う。とりわけ夏は、およそ130年前の明治時代に、カナダ人宣教師によって避暑地として「発見」されたことがきっかけとなって発展してきたこの町と、ジャガー史上初のSUVは完璧な組み合わせであるように筆者には思われた。

仮にいま、若き皇太子殿下と美智子さんがテニスを軽井沢某所で楽しんでいるとしよう。その駐車場にどんなクルマがふさわしいかといえば、ジャガーF-PACEなんてピッタリではあるまいか。

仮にいま、若きジョン・レノンとオノ・ヨーコが万平ホテルでプライベート旅行を楽しんでいるとしよう。夫妻の駐車場にどんなクルマがふさわしいかといえば、ジャガーF-PACEは最右翼の一台であるに違いない。

F-TYPEでは目立ちすぎるし、「XJ」ではスクエアにすぎる。F-PACEのカジュアルさが絶妙に好ましいように筆者には思える。
豊かな緑の中にたたずむ英国国教会のチャペル、旧軽井沢礼拝堂の前で。

「新しいジャガー、いいですね」
翌朝、旧軽井沢礼拝堂の前で撮影していると、通りかかった人が話しかけてきた。白亜のチャペルとイタリアンレーシングレッドのF-PACE、それに新緑が織り成すコントラストは目にも清新、視線を集めるのは当然である、と私は思った。

「ディーゼルはどれくらい走るのですか?」とさらなる質問をその人は投げかけてきた。この方はジャガーの新しきSUV、F-PACEに興味津々だったのだ。さすが、おしゃれで高感度な軽井沢住民、である。
ブラックで統一されたインテリアとグレイシャーホワイトのエクステリアが、彫刻的なコントラストを見せる。

ここに至るまで、私はディーゼルの20dには触れてもいなかった。SUVというのは重くて空気抵抗が大きい。ジャガー・ランドローバーが開発した新世代ディーゼルエンジン「イニジニウム」をもってしてもせいぜい10km/リッターであろう、と推量した私はそのように答えた。それは大間違いであった。あとで確認したら、20dの車載コンピューターは14.4km/リッターを示していた。

20dに乗り換えたのは、浅間山の麓を走る鬼押ハイウェーの途中のパーキングであった。食わず嫌いであった。先入観ほど間違っているものはない。F-PACE のディーゼルモデルはバランスのとれた、ジャガースポーツサルーンの血統を感じさせるスポーティネスを持っていた。
「F-PACE」の凛(りん)とした姿は、クラシックな建築にもよくなじむ。

豊かな緑の中にたたずむ英国国教会のチャペル、旧軽井沢礼拝堂の前で。
ブラックで統一されたインテリアとグレイシャーホワイトのエクステリアが、彫刻的なコントラストを見せる。
「F-PACE」の凛(りん)とした姿は、クラシックな建築にもよくなじむ。