ホンダ、小型ミニバンの新型「フリード/フリード+」を発売
2016.09.16 自動車ニュース![]() |
本田技研工業は2016年9月16日、コンパクトミニバンの新型「フリード」「フリード+(プラス)」を発表し、同日販売を開始した。
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■いままで以上に「ちょうどいい」
ホンダ・フリードは、取り回しのよい小柄なボディーで3列6人乗り、ないし7人乗りの車内空間をかなえたコンパクトミニバンであり、今回の新型は2代目のモデルにあたる。一方のフリード+は、フリードをベースとした2列5人乗りのハイトワゴンで、2010年にデビューした「フリードスパイク」の後継モデルとなる。
開発コンセプトは「いつでも、どこでも、だれでも7days Wonderful Mobility」というもので、ゆとりの車内空間とコンパクトさという相反する要素に加え、使い勝手や快適性、さらにはバランスのよいスタイリングなどを徹底して追及。初代モデルのキャッチフレーズだった「ちょうどいい」をさらに突き詰め、どのようなシチュエーションでも、どのようなユーザーにとっても使いやすく、デザインや走りも満足できるクルマを目指して開発された。
パワートレインは2種類で、ガソリン車には1.5リッター直噴ガソリンエンジンとCVTの組み合わせを採用。燃費はFF車で19.0km/リッター、4WD車で17.6km/リッターとなっている。一方、ハイブリッド車にはアトキンソンサイクルの1.5リッターガソリンエンジンと高出力モーターを内蔵した7段DCTを搭載しており、最高で27.2km/リッターという燃費性能を実現。ジスプロシウムやテルビウムといった、重希土類を排した駆動用モーターの採用もトピックとなっている(燃費はいずれもJC08モード)。
一方、車体構造については駆動用バッテリーなどの搭載位置を、従来の3列目シートの下から1列目シートの下に変更。コンパクトミニバンではこれが初というハイブリッド4WD車の設定や、フリード+では荷室フロアの大幅な低床化を実現した。
ラインナップは豊富で、上述のパワーユニットや駆動方式、シートや荷室の仕様などの組み合わせだけでも全部で16種類(福祉車両含む)のバリエーションを用意。価格はフリードが188万円~272万8200円、フリード+が190万円~274万8200円となっている。また福祉車両として、フリードには助手席リフトアップシート車とサイドリフトアップシート車が、フリード+には車いす仕様車がラインナップされる。
■ますます広く、ますます便利に
「プラットフォームは完全新設計」という新型フリードだが、ボディーサイズについては全長×全幅×全高=4265×1695×1710mm、ホイールベース=2740mmと、全長が5cm伸びた以外に大きな変更はない。
一方で車内空間の効率は大きく改善されており、フリードでは1列目シートと3列目シートのヒップポイントの距離が、従来モデルより90mm拡大。2列目シートの前後スライド長も360mmと、これまでより120mm広げられた(6人乗り仕様)。これにより乗員スペースのゆとりが増しただけでなく、シートアレンジでは1、2列目、ないし2、3列目のフラットモードが可能となった。
また、各席のシート幅は保ちつつ、左右席間の距離を1列目で150mm(従来モデル比で+50mm)、2列目で160mm(同+25mm)に広げることで、前後席間のウオークスルーのしやすさを改善。室内高についても、従来モデルより40mm高い1280mm(ガソリン車)を実現した。乗降性の改善も図っており、リアスライドドア開口部の幅を1165mm(同+20mm)に、高さを665mm(同+40mm)に拡大。ステップの地上高も15mm低い390mmに抑えている。
■さまざまな用途に使えるラゲッジスペース
一方、2列シート車のフリード+は、「ユーザーが自分で使い道を自由に考えられる」ことを開発テーマとした、ラゲッジスペースが大きな特徴となっている。
特にフロアについては、従来モデルのフリードスパイクから実に185mmも高さをダウン。荷室高は1355mmとなり、ゴルフバッグ4個を立てた状態で積載できるほか、2列目シートをたためば26インチの自転車2台を積むことも可能となっている。さらに、この高さを有効活用できるよう耐荷重200kgのユーティリティーボードを全車に採用。ユーザー自ら荷室をカスタマイズできるよう、サイドライニングには左右それぞれ10カ所にM6ボルトを取り付けられるナットを設けている。
2列目シートの格納も独自の仕様となっており、格納時の床面をフラットとするためにダブルフォールダウン式を採用。背面にはユーティリティーボードとの隙間をなくすためのシートバックボードを備えており、1列目シートを前端までスライドさせて2列目を格納すれば、車中泊も可能な広さの、フルフラットな空間を得ることができる。
■内装の仕様によってフリードとフリード+を差別化
エクステリアデザインについては、先代モデルより特徴的なモノフォルムのスタイリングを受け継ぎつつ、「ソリッド・ウイング・フェイス」と呼ばれるフロントマスクなど、各所に「ステップワゴン」をはじめとした今日のホンダ車に共通する意匠を採用。コンパクトミニバンならではの機能性に加え、メリハリの利いた凝縮感や、塊感、「ひとりで乗るのもいいかな」と思わせるパーソナル感などを表現したという。ボディーカラーには新色の「ブルーホライゾン・メタリック」「シトロンドロップ」を含む、全9色をラインナップしている。なお、初代フリード/フリードスパイクでは個別のデザインを用意していたのに対し、今回の新型ではデザインを統一している。
これに対し、インテリアの設計は機能性を重視したもので、ダッシュボードやメーターには運転席からの視界をさまたげないよう、水平基調のデザインを採用。各所にオープントレーやアッパーグローブボックスなどの収納スペースを設けているほか、天井の前端部には、3列目シートの様子を確認するための室内確認用ミラーを備えている。
また、インテリアでは各部の素材や色使いなどでフリードとフリード+の差別化を図っており、前者についてはグレードに応じて木目調の装飾パネルを用いるなど、リラックスできる空間であることを重視。シートにはベージュ(ファブリック)、モカ(ファブリック)、ブラック(プライムスムース/ファブリック)の3種類の表皮を用意している。
これに対し、フリード+ではモノトーンの内装色やハイコントラストのメタル調装飾パネルなどで「ツール感」を表現。内装色はブラックのみで、グレードに応じてブロック柄のファブリックシートと、合成皮革「プライムスムース」とファブリックのコンビシートを用意している。
(webCG)
→新型「ホンダ・フリード/フリード+」の写真はこちら(前編)
→新型「ホンダ・フリード/フリード+」の写真はこちら(後編)