INTERVIEW
秋田道夫が語るレンジローバー イヴォークの魅力
楽しみがひろがる


きれいなクルマに期待が高まる
イヴォークが生まれるのにちょうどいい潮時だったというお話は、とても興味深い。つまりデザイナーには、そういった時代の空気を読む能力も求められるのだ。イヴォークも、20年前に出ていたら、これほど注目されなかったかもしれない。
「それは大いにありますよね。これまでIH(電磁誘導加熱)のクッキングプレートや湯沸かしケトルをデザインしましたが、それは家族構成が小さくなったことや、高齢化が進んで火を使わずにすむようになるという世の趨勢(すうせい)から考えた製品でした」

時流に合ったデザインがあるという秋田さんのお話は示唆に富んでいる。
「私はクルマというのは風景だと思って見ています。オーナーの所有物ではあるけれど、みんなの目の保養になるという役割もある。つまり、ポストと同じように公共物であるという一面があります。そして、公共物はきれいでなければならないというのが私の持論なんです。なぜなら子どもは大人がやっていることを見て、“これは許されるんだ”と判断します。公共の物がきれいだと、こういうのは許されているんだと、子どもたちは学べるわけですね」
確かに、わが家の家電製品は他人の目にはふれないけれど、愛車は多くの人から見られる。「自動車デザインには公共物の側面がある」という言葉は心に残る。最後に、このイヴォークという斬新なデザインのモデルが世界中で受け入れられたこと、売れたことをどのように考えるかを尋ねた。

「デザイナーは売れるものを作りながら、いいデザインを追求しないといけない。なぜなら、ヒット商品を出すと信頼が上がって、より理想とするデザインを実現できるから。例えば初代iMacがそうです。ジョナサン・アイブはその後シンプルなデザインにシフトしましたが、初代iMacが売れたことによって信頼が生まれて、シンプルな形にチャレンジできるようになった。だからイヴォークがヒットしたことで、デザイナーはますます信頼されて、積極的に新しい造形に取り組めるはずです。これからが楽しみです」

そう考えると、「レンジローバー ヴェラール」がまるでコンセプトカーのようなスタイルで市販されたのにも、イヴォークのヒットという後押しがあったのかもしれない。秋田さんがおっしゃるように、レンジローバーのデザインからは、ますます目が離せない。
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