WEC第6戦富士でポルシェが1-2フィニッシュ

2015.10.11 自動車ニュース
表彰式でのひとこま。17号車の3人(ティモ・ベルンハルト/マーク・ウェバー/ブレンドン・ハートレー)は、トロフィーを高々とかかげて喜びをあらわにした。

WEC第6戦富士でポルシェが1-2フィニッシュ

2015年10月11日、世界耐久選手権(WEC)の第6戦となる富士6時間耐久レースの決勝が行われ、ポルシェが1-2フィニッシュで勝利を飾った。

WECでは、プロトタイプから市販車ベースまで、さまざまなレーシングカーが混走する。
決勝日の富士スピードウェイは雨。6時間の耐久レースは、ウエットコンディションの中でスタートした。
序盤は、セーフティーカーの「アウディR8」(写真左)に続く形で周回が重ねられた。水しぶきの高さが、路面のコンディションを物語る。
17号車のポルシェ919 ハイブリッド。ポール・トゥ・ウィンでレースを制した。

■ハイブリッド車が三つどもえ

WECは、2012年にシリーズ戦としてスタートした耐久レースで、世界8カ国を転戦。その中には24時間のルマンが含まれる一方、ルマン以外は6時間のレースとなる。レースは、プロトタイプカーの「LMP1」と「LMP2」、市販車がベースの「LM GTE Pro」と「LM GTE Am」の4クラスで争われ、中でもトップカテゴリーのLMP1では、トヨタ、アウディ、ポルシェの3メーカーが、ハイブリッド仕様のマシンを投入して鎬(しのぎ)を削っている。

決勝前日の10日には、曇り空のもと予選が行われた。ドライバー2名の平均タイムで争われるこの予選で、17号車のポルシェ919 ハイブリッドを駆るマーク・ウェバーとティモ・ベルンハルトが1分22秒763の平均タイムで堂々のポールポジションを獲得。
これを7号車のアウディR18 e-tron クワトロに乗るアンドレ・ロッテラーとブノワ・トレルイエ、ポルシェ18号車のロマン・デュマとマルク・リーブが追う展開となり、最終的には、予選終了間際にタイヤを新品に替えた18号車が2番手のポジションを手にした。以下、アウディの7号車、8号車、トヨタTS040 ハイブリッドの1号車、2号車の順となった。

決勝当日の富士スピードウェイは、朝から小雨。午前11時、セーフティーカーの先導により6時間耐久レースの火ぶたが切られた。17周を走り終えたところでセーフティーカーがピットに入り、レースは本格的にスタートした。
程なく、トップを走っていたポルシェの17号車(ティモ・ベルンハルト/マーク・ウェバー/ブレンドン・ハートレー組)と18号車(ロマン・デュマ/ニール・ジャニ/マルク・リーブ組)が相次いで順位を落とし、代わってアウディの7号車(マルセル・ファスラー/アンドレ・ロッテラー/ブノワ・トレルイエ組)が首位、8号車(ルーカス・ディ・グラッシ/ロイック・デュバル/オリバー・ジャービス組)が2位に。トヨタの1号車(アンソニー・デビッドソン/セバスチャン・ブエミ/中嶋一貴組)は3位、2号車(アレックス・ブルツ/ステファン・サラザン/マイク・コンウェイ組)は4位に上がり、これにポルシェの18号車と17号車が続くという波乱の展開になった。

こちらは、2位でレースを終えた、18号車のポルシェ919 ハイブリッド。
トヨタは、母国日本のレースを勝利で飾ることができず。最高位は、1号車(写真手前)のクラス5位。
雨の富士では、多くのチームがタイヤの選択に翻弄(ほんろう)された。写真は、7号車のアウディR18 e-tron クワトロ。
LM GTE Amクラスを制した、デンプシープロトン・レーシングのマシン。

■強さを見せつけたポルシェ

しかし、スタートから1時間が経過するころには、ポルシェの18号車は上位2台のアウディに迫り、その後8号車をパスして2位にポジションアップ。さらに2時間経過したところで、トップの7号車を捕らえて首位に躍り出た。
このあと、アウディの7号車とポルシェの17号車が2位争いを演じることになったが、アウディがピットストップのタイミングを迎えたところでバトルは一時休止。遅れてポルシェの2台もピットストップを行ったところ、トップの18号車がピットインしたタイミングでコースが“フルコースイエロー”に。ほかのマシンがペースを落とす中、効率的にピットストップを済ませた18号車は、2位以下に60秒近い大差をつけて再スタートを切るという幸運に恵まれたのだった。

その後は7号車アウディと17号車ポルシェによる2位争いが再開され、レース中盤に何度も順位を入れ替えるバトルを見せたが、タイヤ選択を誤った7号車のペースが途中から上がらなくなり、17号車の優勢は確実なものとなった。

終盤は、そのままポルシェがレースをリード。ゴール間際、18号車にドライブスルーペナルティーが科され、2位の17号車との差が縮まると、18号車はレース残り10分で、ポイント争いで上位に立つ17号車にトップをゆずり、17号車が今季3勝目を手にした。18号車は2位。続くアウディ勢は、ゴール直前で8号車が給油のためにピットストップし、この間にポジションアップを果たした7号車が3位表彰台を獲得している。

LMP1以外では、LMP2はGドライブレーシングの26号車(ロマン・ルシノフ/ジュリアン・キャナル/サム・バード組)が、LM GTE ProはAFコルセの51号車(ジャンマリア・ブルーニ/トニ・ヴァイランダー組)が、LM GTE Amはデンプシープロトン・レーシングの77号車(パトリック・デンプシー/パトリック・ロング/マルコ・ゼーフリート組)が、それぞれクラス優勝を果たしている。

(文=生方 聡)

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