The World of Ultimate SUV

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DRIVING IMPRESSION

こころ躍るSUV

注目すべきは走行性能

文=渡辺敏史

レンジローバーのラインナップにおいて「ヴェラール」が果たす役割は、「イヴォーク」の側に近そうにみえる。つまり、同門の「ジャガーF-PACE」と同じ、アルミモノコックを基本骨格としてシティーユースに軸足を置いたスタイリッシュなクロスオーバーSUVというものだ。しかし、ヴェラールの悪路走破性能は、同級のライバルとは明らかに一線を画すところにある。

そのキーとなるのは、オフロードに精通するブランドならではの知見が生かされたトラクション性能だ。路面状況に応じて最適な駆動制御を選択できる「テレインレスポンス」はおなじみだが、ヴェラールではそれに加えて、最低地上高を50mm近く高められるエアサスペンションや、センターとリアアクスルの電子制御デフロック機能も一部グレードにオプションで用意されている。

河川を渡るレンジローバー ヴェラール。渡河水深は、コイルサスペンションを装着するモデルが600mm、電子制御サスペンション仕様車は650mmとなっている。

試乗に供された限定モデル「FIRST EDITION(ファーストエディション)」にはそれらが標準で装備されており、実際に悪路を走行してみたところ、なんら特別なテクニックをドライバーに求めることなく、人が歩くにも厳しそうな低ミューの傾斜路やモーグルセクションを苦もなくクリアしていくさまに感心させられた。そして、洗練されたデザインでありながら、そういう場所に苦もなく出入りできるアプローチやデパーチャーのアングルが確保されている点も、ヴェラールの目指したところをよく表しているといえるだろう。

一方オンロードでは、風切り音やロードノイズのみならず、ドライブトレインのメカニカルノイズもしっかりと抑えた静粛性の高さや、大きな凹凸を乗り越える際にも上屋を優しくフラットに保つサスペンション設定のおうようさなど、レンジローバーの製品として十分に納得できる快適性を備えていることが確認できた。

レンジローバー ヴェラールには、路面状況に応じたさまざまな走行モードが用意される。写真は、10.2インチタッチスクリーン上の選択画面。

ハンドリングに関しては、軽量なアルミモノコックも奏功してか、ロールはしっかり抑えられており、車格を忘れさせる軽快な回頭性を備えている。試乗車のタイヤはスタイリングを際立たせる最大サイズ(22インチ)だったが、乗り味に穏やかさを求めるなら21インチ、もしくは20インチ辺りを検討してもいいだろう。言い換えれば、そのくらいヴェラールのスポーティネスは高水準にあるということだ。

SUVの魅力が環境を問わないマルチパーパス性にあるとするならば、ヴェラールはその両端の性能を偏らせることなく最大限に拡張したモデルだ。カタチだけではなく中身にこそみるべきところがあるという辺りが、いかにもレンジローバーらしい。

操縦安定性およびコーナリング性能を高めるトルクベクタリングバイブレーキや、ダイナミックスタビリティーコントロールなども備わる。
河川を渡るレンジローバー ヴェラール。渡河水深は、コイルサスペンションを装着するモデルが600mm、電子制御サスペンション仕様車は650mmとなっている。
レンジローバー ヴェラールには、路面状況に応じたさまざまな走行モードが用意される。写真は、10.2インチタッチスクリーン上の選択画面。
操縦安定性およびコーナリング性能を高めるトルクベクタリングバイブレーキや、ダイナミックスタビリティーコントロールなども備わる。

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