第359回:【Movie】気分はヒッピー!? イタリア版フォルクスワーゲンミーティングの「ピース」な世界
2014.08.08
マッキナ あらモーダ!
■歴史あるカーミーティング
フォルクスワーゲン(VW)ファンのための夏祭り「インターナショナル・フォクスワーゲン・ミーティング」が、イタリア中部トスカーナ州スタッジャ・セネーゼで、2014年7月11日から13日にわたって開催された。
このイベントは「マッジョリーノ(イタリア語で昆虫のコフキコガネ。「VWビートル」の愛称)クラブイタリア」が毎年開催しているものだ。
「なぜイタリアでフォルクスワーゲン?」という疑問については、カミッロ・クローチ会長による動画内の解説をご覧いただこう。
3日間に集結した「ビートル」「タイプ2」をはじめとするVW&派生車種は約150台。他国の巨大VWイベントと比較すると、ややコンパクトである。
しかし会場にあふれるムードは、限りなくピースフル、つまり平和だ。オリジナル派も、チューニング派も、オーディオ武装派も、そして特設キャンプサイトで盛り上がるヒッピー人生憧れ派も、趣味趣向の違うクルマをお互い鑑賞し、相手の熱いVW談義に耳を傾ける。
傍らで、VWの故郷ヴォルフスブルクからはるばるやってきた姉妹クラブを温かく歓迎する。なにより驚くのは、来場者たちの多くが、オーガナイザーや名物エントラントたちの名前を知っていて、もちろんファーストネームで呼んでいることだ。そして彼らの情熱は少し前、「ビートル」と名のつく遊歩道さえ実現してしまっていた……。
こうしたムードの中に身を置くと、例年開催のVW祭としてイタリアでは最も長い歴史を刻み、欧州レベルでも長寿イベントのひとつとなった理由がわかってくる。カーミーティングを評価する物差しは規模ではない。
(文と写真=大矢アキオ<Akio Lorenzo OYA>)
【Movie】インターナショナルVWミーティング(前編)
なぜイタリアでフォルクスワーゲンなのか?
マッジョリーノ・クラブ・イタリアのカミッロ・クローチ会長に聞いた。
【Movie】インターナショナルVWミーティング(後編)
会場の脇には「ビートルの小径」と名の付く遊歩道が? マッジョリーノ・クラブ・イタリアのジョヴァンニ名誉会長にその理由を聞いた。そして、アルベルト・フィニスタウリ副会長がビートルへの熱い思いを語る!
(撮影・編集=大矢アキオ<Akio Lorenzo OYA>)

大矢 アキオ
Akio Lorenzo OYA 在イタリアジャーナリスト/コラムニスト。日本の音大でバイオリンを専攻、大学院で芸術学、イタリアの大学院で文化史を修める。日本を代表するイタリア文化コメンテーターとしてシエナに在住。NHKのイタリア語およびフランス語テキストや、デザイン誌等で執筆活動を展開。NHK『ラジオ深夜便』では、24年間にわたってリポーターを務めている。『ザ・スピリット・オブ・ランボルギーニ』(光人社)、『メトロとトランでパリめぐり』(コスミック出版)など著書・訳書多数。近著は『シトロエン2CV、DSを手掛けた自動車デザイナー ベルトーニのデザイン活動の軌跡』(三樹書房)。イタリア自動車歴史協会会員。
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