レンジローバー第4のモデルとして、2017年3月に世界初公開された「レンジローバー ヴェラール」。同年7月には、早くも日本で販売が開始された。
これまでのSUVにはない、全高を抑えた伸びやかなスタイリングが特徴の「ヴェラール」。角ばった部分のない滑らかな面構成が、既存のSUVにはない優雅なイメージを演出している。
ヘッドランプには、照射能力はもちろんデザイン性にも優れたLED式を採用。オプションで、最長で550m先まで照射できるマトリックス・レーザーLEDヘッドランプも用意されている。
ボンネットを飾る、「RANGE ROVER」のロゴ入りパネル。つややかなブラックとブロンズの組み合わせがシックで、特に今回の試乗車では「フィレンツェ レッド」の外装色との対比が美しかった。
普段は格納されていて、解錠時のみせり出す仕組みのドアパネル格納式デプロイアブル・ドアハンドル。こうした装備にも、「ヴェラール」のデザインに対するこだわりが感じられる。
「R-DYNAMIC SE」グレードに装備される20インチアルミホイール。「ヴェラール」にはグレードに応じて、実に18種類ものホイールが用意される。
パワーユニットの種類は豊富で、自分のクルマの使い方に合う最適なものを選ぶことができる。今回の試乗車には、最もパワフルな過給機付きの3リッターV6ガソリンエンジンが搭載されていた。
インテリアではエレガントなシンプルさを追求。各部の素材には天然本革や、デンマークの高級テキスタイルメーカー、クヴァドラ社と共同開発したプレミアムテキスタイルなどが用意されている。
先進的なフルデジタルのメーターパネル。車速やエンジン回転数などはもちろん、燃費情報や走行可能距離、さらにはナビゲーションシステムの地図画面も表示することができる。
ステアリングホイールに備わるアダプティブクルーズコントロールの操作スイッチ。自動緊急ブレーキやレーンキープアシストなど、「ヴェラール」にはさまざまな先進運転支援システムが用意されている。
光沢のあるブラックが美しいセンターコンソール。8段ATのコントローラーはダイヤル式で、手動変速はステアリングホイールに備わるシフトパドルで行う。
インフォテインメントシステムには2つの高解像度タッチスクリーンを持つ「Touch Pro Duo」を採用。スイッチ類を極力排した、すっきりとしたデザインの操作インターフェイスを実現している。
センターコンソールのアームレストはスライド式となっており、後方に押し下げるとカップホルダーと小物入れが現れる。
ドリンクホルダーのフタを開けるための、「LAND ROVER」のロゴ入りスイッチ。収納類を“開けっ放し”にせず、ひとつひとつにフタを設けるあたりにもデザイナーのこだわりを感じる。
インテリアにはツートンカラーを含めさまざまなカラーバリエーションが用意されている。試乗車には「エボニー」(コクタン)のモノトーンが用いられていた。
リアシートは4:2:4の3分割可倒式。リクライニング調整機能に加え、仕様に応じてシートヒーターも用意されている。
シート表皮の種類は、スエードクロスやウィンザーレレザーなど全4種類。試乗車には、パーフォレイテッドグレインレザーとスエードクロスの組み合わせが用いられていた。
ラゲッジルームの容量は5人乗車時で673リッター。クルマやキーに触れることなくテールゲートの開閉が可能なハンズフリー・パワー・テールゲートも用意される。
東京・代官山のカフェ&ギャラリー「Podium」にて、今回お話を伺ったロボットクリエイターの高橋智隆さんと、レンジローバー ヴェラール。
高橋さんは「エボルタ」や「ロビ」「キロボ」などで知られる、世界的なロボットクリエイター。今回は最新作のモバイル型ロボット電話「ロボホン」とともに、取材に応じてくれた。
実は高橋さんは、自動車についても深い造詣の持ち主。「自動車デザインは工業デザインの頂点。いまだに一番の手本だと思っている」という。
ロボット電話の「ロボホン」に語りかける高橋さん。持ち主が愛着をもって接する工業製品という意味では、高橋さんのロボットと自動車には、通じるものがあるのかもしれない。
「レンジローバー ヴェラール」のデザインについて、「コンセプトカーに見られるような“デザインの鮮度”が、プロダクトの段階でも保たれている」と語る高橋さん。「これが基準になってトレンドをけん引しそうな気がする」と述べた。
神宮外苑のいちょう並木を行く「ヴェラール」。パワフルな過給機付きエンジンと、アルミを多用した軽量ボディーにより、堂々としたサイズでありながら痛痒(つうよう)のないスムーズな走りを見せてくれる。
リラックスした様子で「ヴェラール」を運転する高橋さん。状況に応じて、最適な走行モードを選択できる「テレインレスポンス」に興味を示していた。
3リッターV6ガソリンモデルには電子制御エアサスペンションが標準装備されており、状況に応じて自動で車高を調整することで、高い悪路走破性能とオンロードでの優れた高速安定性を両立している。
高い動力性能も「レンジローバー ヴェラール」の特長のひとつ。特に、過給機付き3リッターV6ガソリンエンジン搭載車は、0-100km/h加速が5.7秒、最高速が250km/hと発表されている。
既存のSUVにはないエレガントなイメージが身上の「ヴェラール」。バリエーションも豊富で、標準モデルと「R-DYNAMIC」という2つのデザインを含め、33種類もの仕様の中から自分にあった一台を選ぶことができる。