走るために生まれてきたハイパフォーマンスSUV「レンジローバー スポーツ」と今なおアスリートとして走り続ける末續慎吾選手。この両者が初めて対峙(たいじ)した。
過酷なオフロード走行にも耐えうるオールアルミニウム製モノコックボディーを採用。大幅な軽量化により傑出した運動性能を実現している。
緩やかな曲線が印象的なヘッドライト。細部まで妥協なく作り込まれているのがわかる。
子どもの頃から「かけっこが大好きだった」と語る末續さん。“今でも走ることが楽しくてたまらない”という思いはウオーミングアップ中の表情からも見てとれた。
「レンジローバー スポーツ」のディーゼルエンジン車には、「SE」「HSE」「HSEダイナミック」の3グレードがある。試乗車は「HSE」で、グレードごとに、グリルまわりのカラーやグリルのカラーが異なる。
卓越したパフォーマンスと高効率を実現する3リッターV6ディーゼルエンジン。8段オートマチックトランスミッションとの組み合わせにより、0‐100km/hを7.6秒で加速させる。
大型SUVに乗り継いできたというだけあり、手慣れた様子でクルマを操る末續さん。「レンジローバー スポーツ」の自然で懐の深い走りが気に入った様子。
直線基調のデザインで構成された、シンプルで美しいインテリア。試乗車は、エスプレッソとアイボリーの2色でコーディネートされていた。
10.2インチの最新インフォテインメントシステム「InControl Touch Pro」を搭載。スマートフォンのように、指先での操作が可能。
ステアリングホイールのスポーク部、左側のスイッチを操作することで、通常の話し言葉による指示が可能となっている。
末續さんのトレーニングの基本は走ること。ウオーミングアップでは、ストレッチを入念に行っていた。
メーターは2眼式。中央のマルチインフォメーションディスプレイには、燃費や走行モードなどの車両情報が表示される。
アルミ素材をあしらい、洗練された印象のセンターコンソール。シフトレバーの手前には「テレインレスポンス2」のセレクターや電動パーキングブレーキのスイッチが配置される。
2017年6月には、9年ぶりに日本選手権に出場。末續さんの登場で、会場は温かい歓声につつまれた。
「HSE」グレードにはパーフォレーテッドオックスフォードレザーシートが標準装備される。シートカラーは写真のエスプレッソを含む、全4色から選べる。
後席は身長178cmの末續さんが座って足を組んでも余裕のスペースがある。
室内空間の汎用(はんよう)性を高める「5+2シート」がオプションで選べる。3列目シートは、子ども用・予備用として設計されており、最大で7人の乗車が可能。
「荷室がフルフラットになるのはいいですね!」と末續さん。荷室の側面には、3列目シートの電動操作スイッチが備わる。
荷室は5人乗車時で784リッター。最大で1761リッターまで荷室容量を拡大できる。
ドアを開けるたびに「パワーサイドステップ」が展開し、乗降時の足元をサポート。
LED式のリアコンビランプが、リアビューにさらなる力強さを与えている。
末續さんは、「レンジローバー スポーツ」の21インチアロイホイールを入念にチェックしながら、道具の大切さにも触れた。彼は一歩蹴りだしただけでスパイクの良しあしがわかるという。道具は違和感なく体にフィットするものでなければならない。
「レンジローバー スポーツ」には、3リッターV6と5リッターV8のガソリンエンジン搭載車と、3リッターV6のディーゼルエンジン搭載車の、全10モデルが用意される。
初代「レンジローバー スポーツ」がデビューしたのは2005年。2代目となった現行モデルでも、ランドローバーブランドにおけるスポーツツアラーとしての立ち位置を明確に打ち出している。
「走り方に正解はないんです」という末續さん。それぞれが自分の感性で最適な走り方を見つけていくものだ、と。37歳になった今も、挑戦は続く。
流麗で引き締まったボディーラインやワイドなスタンスなど、磨き抜かれた体躯(たいく)をイメージさせる若々しいスタイルも魅力のひとつ。
「HSE」グレードには電子制御エアサスペンションが標準で装備される。
「自分にとって、走ることは生きること」と言い切る末續さん。どんな理由であれ、陸上をやめる理由にはならない。彼の追い求める世界はこの先にある。