新型「ベントレー・フライングスパー」日本上陸

2013.06.05 自動車ニュース
「ベントレー・フライングスパー」
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新型「ベントレー・フライングスパー」日本上陸

ベントレーモーターズジャパンは2013年6月5日、ベントレーの4ドアサルーン「フライングスパー」の最新型を都内で発表した。日本国内における販売価格は2280万円で、2013年の秋以降に順次デリバリーされる。

発表会場に展示された「ベントレーS2コンチネンタル フライングスパー」(1960年)。1957年にデビューした「フライングスパー」は、6ライトのボディーが特徴(少数だが4ライトもあり)。「S1」のエンジンは吸気がOHVで排気がサイドバルブの4.9リッター直6だったが、59年に登場した「S2」ではOHVの6.2リッターV8に進化した。
発表会場に展示された「ベントレーS2コンチネンタル フライングスパー」(1960年)。1957年にデビューした「フライングスパー」は、6ライトのボディーが特徴(少数だが4ライトもあり)。「S1」のエンジンは吸気がOHVで排気がサイドバルブの4.9リッター直6だったが、59年に登場した「S2」ではOHVの6.2リッターV8に進化した。 拡大
こちらは「S3コンチネンタル フライングスパー」(1964年)。1962年に登場した「S3」はヘッドライトがデュアルとなり、パワーステアリングが装着された。H.J.マリナー社でコーチビルトされたボディーはオールアルミ製で、生産台数は82台といわれている。
こちらは「S3コンチネンタル フライングスパー」(1964年)。1962年に登場した「S3」はヘッドライトがデュアルとなり、パワーステアリングが装着された。H.J.マリナー社でコーチビルトされたボディーはオールアルミ製で、生産台数は82台といわれている。 拡大

■歴史ある“スーパーサルーン”

そもそも「フライングスパー」を名乗るモデルが、初めてベントレーのラインナップに加えられたのは、1957年のことである。1932年以来、ロールス・ロイスの傘下にあったベントレーの当時の主力車種は、「S1」という4ドアサルーン。いわゆるバッジエンジニアリングによって、「ロールス・ロイス・シルバークラウドI」の細部を変えた双子車だった。
そのS1のシャシーに、2ドアクーペまたは2ドアドロップへッドクーペ(コンバーチブル)ボディーを架装したモデルが「S1コンチネンタル」だったが、それを再び4ドアサルーン化したモデルが「S1コンチネンタル・フライングスパー」。つまり「S1コンチネンタル フライングスパー」は、2ドアクーペから生まれたスポーティーな4ドアサルーンだった。その後「S2」「S3」へと発展し、65年まで作られた。

それから40年を経た2005年、フォルクスワーゲン グループの一員となったベントレーから、「コンチネンタル フライングスパー」が復活した。初代と同様に2ドアクーペの「コンチネンタルGT」をベースにした4ドアサルーンで、552psを発生する6リッターW12ツインターボエンジンを搭載。4WDシステムを介しての最高速度は312km/hに達する、当時世界最速の4ドアサルーンの1台で、全世界で約2万台が販売された。

そして去る2013年2月に発表され、3月のジュネーブショーで世界初公開された、初代から数えて3代目、フォルクスワーゲン傘下では2代目となる新型が、早くも日本上陸を果たした。過去2代と同じく、ひと足先に登場していた2ドアのコンチネンタルGT系をベースとする最高級スポーツサルーンだが、新型は車名から「コンチネンタル」が外され、「ベントレー・フライングスパー」と名乗ることになった。

 
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運転席まわりの様子。操作ボタンやサンバイザーなどを除くほとんどのパーツが、モデルチェンジに際して新たに作り直された。
運転席まわりの様子。操作ボタンやサンバイザーなどを除くほとんどのパーツが、モデルチェンジに際して新たに作り直された。 拡大
写真は、後席の住人を楽しませるための大型モニター。前席の背面に設けられる。
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■コツコツと進化

フルモデルチェンジとはいえ、4ドアサルーンボディーのスタイリングは、コンチネンタルGT系と同じくキープコンセプト。ただしよく見れば、デュアルヘッドライトは先代コンチネンタルGT以来の内側2灯の径が大きいものとは反対に、外側2灯が大きくなった。また、リアドアの途中からリアフェンダーにかけてキックアップした造形は、初代「コンチネンタル フライングスパー」にも通じる印象を受ける。

ボディーサイズは全長5295mm、全幅1976mm、全高1488mmで、先代と実質的には変わらず、3065mmのホイールベースはまったく同じ。
Bピラー、サイドシル、フロントクロスメンバーを強化してボディー剛性を高めるいっぽうで、ボンネットとフロントフェンダーをアルミ製とするなどして車体の軽量化も図られている。車重は、先代より約50kg軽い2475kg。また空力特性も改善され、Cd値は0.29となっている。

4座仕様と5座仕様の2種類が用意されるキャビンは、レザーとウッドをはじめ最高級の素材を用い、ハンドクラフトで入念に仕上げられている。
およそ考え得る限りのアクセサリーが完備されているが、8インチの高解像度タッチスクリーンを中心とするセントラルインフォテインメントには、最先端のテクノロジーを導入。取り外し可能なリモコンにより、後席からもエアコンやオーディオをはじめ、カーナビやマルチメディアシステムまで操作が可能となる。
また前席バックレストの背面に10インチのLCDスクリーンとマルチメディアプレーヤーを備え、DVD、SDカード、iPodやiPadなどからコンテンツを取り込むことができるほか、ノートPC、タブレットコンピューターなどを車内のWi-Fiホットスポット経由でインターネットに接続可能な「マルチメディアスペシフィケーション」もオプションで用意。パッセンジャーは、ゆったりとエンターテインメントを楽しむこともできれば、寸暇を惜しんでビジネスにいそしむことも可能というわけだ。

625psと81.6kgmを発生する、6リッターW12ターボエンジン。


	625psと81.6kgmを発生する、6リッターW12ターボエンジン。
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会場には、1921年製の「ベントレー 3リッター ツアラー by Gairn」も置かれた。同年に発売されたベントレーの処女作で、オリジナルボディーのまま残っている世界最古のベントレーと言われている個体。ワンオフのボディーはスコットランドのコーチビルダーであるGairn社製。
会場には、1921年製の「ベントレー 3リッター ツアラー by Gairn」も置かれた。同年に発売されたベントレーの処女作で、オリジナルボディーのまま残っている世界最古のベントレーと言われている個体。ワンオフのボディーはスコットランドのコーチビルダーであるGairn社製。 拡大

■最高速も燃費もアップ

エンジンは先代と同じく、6リッターW12ツインターボ。最高出力は「コンチネンタルGTスピード」と同じ625psで、81.6kgmという強大なトルクをわずか2000rpmから発生する。トランスミッションは先代の6段ATから8段ATに進化し、通常はフロント40%、リア60%の割合だが、状況によりフロントに最大65%、リアに最大85%のトルク配分が可能な4WDシステムを介して4輪を駆動。パフォーマンスは最高速度322km/h、0-100km加速4.6秒で、先代から引き続いて「世界最速、最強のベントレー4ドアモデル」を掲げる。

そのいっぽうで、軽量化や空力性能の向上、エンジンマネージメントの進化などによって、燃費とCO2排出量は先代より13%以上も改善。欧州の混合サイクルにおける燃費値はリッターあたり6.8km、CO2排出量は343g/kmとなっている。

コンピューター制御のエアサスペンションは再設計され、乗り心地が改善されるとともに、路面からの騒音や振動のボディーへの伝達は一段と抑えられた。ホイールおよびタイヤは19インチが標準だが、オプションで20インチや21インチも選ぶことが可能である。

新型フライングスパーは、ほかのベントレーと同様、1台1台顧客の好みに合わせて作られる。標準のボディーカラーは、モダンで洗練されたダークカシミアを加えた17色。非常に珍しい紫色のダイヤモンドをイメージしたという新色のダムソン含め、オプションカラーは100色を超える。さらにインテリアのレザーおよびウッドのカラーや仕上げを含めた膨大な組み合わせのなかから、自分だけの1台を仕立てることができるというわけだ。ただしそのためには、最低でも2280万円の予算が必要となるが。

(文=沼田 亨)

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