「水野和敏的視点」 vol.70 「スバルWRX STI」

2014.10.10 mobileCG

「水野和敏的視点」 vol.70 「スバルWRX STI」

R35型「日産GT-R」の生みの親、育ての親であるだけでなく、レース界での活躍やセダンの進化への貢献など、自動車の世界で数々の成果を上げてきた水野和敏氏が本音でクルマを語り尽くす『mobileCG』の特集「水野和敏的視点」。今回は主役は「スバルWRX STI」である。スバルのスポーツモデルの代表的存在にして、日本のスポーツカーの雄に対して、ミスターGT-Rの期待は高まるばかり。さて、ひととおり試乗を終えて戻ってきた氏の口から、どんな評価が出てくるだろうか。


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スバルWRX STI
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4595×1795×1475mm/ホイールベース:2650mm/車重:1500kg/駆動方式:4WD/エンジン:2リッター水平対向4 DOHC 16バルブ ツインターボ/トランスミッション:6MT/最高出力:308ps/6400rpm/最大トルク:43.0kgm/4400rpm/タイヤ:(前)245/40R18 (後)245/40R18/車両本体価格:379万800円

スバルWRX STI
    ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4595×1795×1475mm/ホイールベース:2650mm/車重:1500kg/駆動方式:4WD/エンジン:2リッター水平対向4 DOHC 16バルブ ツインターボ/トランスミッション:6MT/最高出力:308ps/6400rpm/最大トルク:43.0kgm/4400rpm/タイヤ:(前)245/40R18 (後)245/40R18/車両本体価格:379万800円
    
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■このセッティングに異議あり!

年間を通してさまざまなクルマをテストしていると、いろいろな思いが湧き起こってきます。素晴らしいクルマに出会えばもちろんわくわくしますし、さらには、それを造り込んでいる開発者の仕事をしている姿までが浮かんできます。

逆に、自動車メーカーが社会的使命として訴求しなければいけない、安全性確保のための最後の砦(とりで)であるスタビリティーを外してまで、売らんがための「瞬間の味付け」に過度に走ったクルマに乗ると、本当にがっかりします。正直な気持ちを言えば、がっかりを通り越して、お客さまのことを思うと怒りが込み上げてきてしまうケースもあります。

社内の「発売移行の会議」に通ったからよい、というのではありません。目の前にはいないお客さまのために、「安全と楽しさ」というややもすると矛盾する性能を常により高いレベルに向上させ続けることは、自動車エンジニアとしての永遠のテーマであり、使命だと思うからです。

熱心なスバルファンの方々には申し訳ないのですが、私は新しい「WRX STI」に初めて試乗したとき、信じられず、そして戸惑ってしまいました。なぜなら、従来の「インプレッサWRX」「レヴォーグ」「BRZ」、そして「WRX S4」と、最近のスバル車のハンドリングバランスのよさとスタビリティー限界性能の向上は、目を見張る進化を続けてきましたが、WRX STIはそれらとは違っていたからです。(つづく)

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(語り=水野和敏/まとめ=青木禎之<Office Henschel>/写真=小林俊樹)

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