「お台場旧車天国2017」の会場から(前編)
2017.11.29 画像・写真2017年11月19日、クラシックカーイベント「お台場旧車天国2017」が東京・お台場の特設会場にて行われた。第5回となるこのイベントには、685台の車両が参加。ゲートオープンの10時半には、クルマ好きによる長蛇の列が……。来場者数は、2万0578名にも上った。
旧車天国の参加車両は、「天国エリア」と「地獄エリア」の、大きく2つに分けられる。天国エリアは、1985年(昭和60年)までに生産された車両(輸入車およびバイクは1995年まで)、または同一形式の車両で、味のある貴重なクルマが対象となる。一方の地獄エリアは、1986年(昭和61年)以降に生産された車両(輸入車およびバイクは1996年以降)と、比較的新しいものが対象となるが、珍しいことやマニアックであることなどが条件だ。このため、スポーツカーなどの人気車種だけでなく、個性豊かなさまざまな車両が集うのも魅力のひとつ。前編では、1970~1980年代の国産乗用車の姿を中心に紹介する。(文と写真=大音安弘)
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1/28会場となったのは、シンボルプロムナード公園やダイバーシティ東京に隣接する「臨海副都心青海地区お台場特設会場」だ。ゆりかもめ「船の科学館」駅の目の前なので、アクセス性も抜群。ゲートオープン時には、長蛇の入場待ちができるほどのにぎわいを見せた。
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2/28ずらりと並んだ8代目「日産ブルーバード」(U12系)。ラリー競技向けの4WDターボ車である「SSS-R」を設定するなど、当時のブルーバードでは最もスポーツ性が高かった。手前の紺色と白色の車両は、レアな5ドアハッチバック「オーズィー」。その名の通り、オーストラリア製の輸入車ブルーバードだ。
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3/28「フェラーリ348」や「ポルシェ911」(993型)、「ホンダNSX」など90年代のネオヒストリックのスーパーカーたちも多数参加。プレーンなスタイリングの美しさに多くの人が足を止めていた。
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4/28自動車パーツや関連グッズなどさまざまなアイテムが並んだスワップミートも大盛況。お目当ての商品を探し、熱心に歩き回る来場者も多かった。
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5/28スワップミートで発見した子供向けの遊具。現役時は、どこかの店舗前で子供たちを楽しませていたのだろう。店主は、「スバル360」の商用バン仕様のカスタムをモチーフにしていることをウリにしていた。
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6/28懐かしいボンネットバスの姿も。1964年式「日産U690」は、同乗試乗に加えて、展示中に乗り込むこともできるなど、ひと時、昭和にタイムスリップしたような感覚が味わえた。ボディーは、ごく最近までバスボディーの製造を行っていた富士重工製。
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7/28マツダロータリー50周年を記念した「マツダロータリー天国」には、マツダのロータリーゼーションを一気に振り返ることができる数々のクルマが展示された。写真は「コスモスポーツ」の後期型。
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8/28ロータリー専用モデルの「マツダ・サバンナ」。フロントグリル中央に、ロータリーエンジンをデザインしたエンブレムが輝く前期型。後期型では、ハニカムメッシュグリルとなった。ボディーバリエーションはクーペに加え、セダンやワゴンも設定。同コーナーには、スポーティー系ワゴンの“はしり”といえる「サバンナ スポーツワゴン」も展示されていた。
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9/28「マツダロータリー天国」で最も驚いた展示が、北米向けだった「ロータリーピックアップ」。マツダがロータリーエンジンの幅広い普及を試みた歴史を物語る一台。わずか3年ほどしか生産されず、日本では未発売。エンジンは13Bを搭載していた。
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10/28ロータリーエンジンの魅力を最大限引き出すべく生み出されたスポーツカー「マツダ・サバンナRX-7」。ロータリーエンジンが可能とした、低く流麗なシルエットも歴代モデルの特徴。イメージカラーだったグリーンもよく似合っていた。
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11/281972年式(昭和47年式)「トヨタ・カローラセダン デラックス」。初代はときどき見かけるが、2代目は珍しい。当時、作られたCMソングのレコードも展示されていたが、そのタイトルは、なんと『ちょっとうれしいカローラ』。何ともストレート……。
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12/281974年式(昭和49年式)「日産グロリアDX」。あえてスタンダード風仕様にしているとのこと。懐かしの刑事ドラマをほうふつさせる赤色灯がポイント。劇中ではよく大破していた記憶が……。
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13/283代目「日産シルビア」。前期型の2ドアハードトップ仕様だ。当時流行したピラーレスハードトップであることも特徴。余談だが、人気コミック『めぞん一刻』の主人公、五代裕作の恋敵、三鷹 瞬の愛車も、このシルビアだった。
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14/28こちらは「日産シルビア」の姉妹モデル、「日産ガゼール」の3ドアファストバック。ガゼールが設定されたのはこのモデルからとなる。ボディータイプの構成はシルビアと同じで、どちらも2ドアハードトップと3ドアファストバックが存在した。
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15/281981年式(昭和56年式)「日産グロリア4ドアハードトップ ターボ カスタム」。この5代目「セドリック/グロリア」に国産乗用車としては初のターボ車が設定。ツインカムVSターボバトルのきっかけとなった。
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16/281979年式(昭和54年式)「トヨタ・クラウン4ドアハードトップ スーパーサルーン エクストラ5-SPEED」。デザインに大幅リフレッシュを受けた後期型。当時は、高級セダンでも、まだMTが当たり前の時代だった。
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17/281988年式(昭和63年式)「いすゞ・ピアッツァ ハンドリングbyロータス」。「あれっ?」と思ったあなたは大正解。後期型を前期型の外装にモディファイしているそうだ。イタリアの鬼才ジウジアーロが手掛けたスタイルは、今なおモダンだ。
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18/281981年式(昭和56年式)「日産スカイライン」。“ジャパン”の愛称で親しまれたモデル。単なるスカGではなく、なんとディーゼルエンジン仕様の「280D GT」なのだ。「GT」の現存車は多くとも、ディーゼルGTは、ほぼないだろう。
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19/282代目「日産フェアレディZ」の輸出仕様「280ZX」。特徴的な2トーンであるマンハッタンカラーがまぶしい。
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20/281983年式(昭和58年式)「ホンダ・シティRマンハッタンルーフ」。トールボーイのボディーをより強調するハイルーフ仕様のシティ。
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21/282代目「トヨタ・セリカXX」。2リッターツインカムエンジンの1Gを搭載した後期型「GT」。他グレードにはAT仕様があったが、GTは5段MTのみだった。
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22/281984年式(昭和59年式)「トヨタ・セリカGT-TR」。最後のFRセリカとなった3代目の後期型。リトラクタブルヘッドライトを備えたブラック仕上げのマスクが特徴だ。
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23/281986年式(昭和61年式)「トヨタ・カムリGT」。当時、カムリには4ドアハードトップと4ドアセダンが設定されていた。こちらはセダン。オプションのサンルーフも見逃せない。この当時は、どのクルマにもスポーティーグレードが設定されるのが、当たり前だった……。
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24/281987年式「トヨタ・カローラレビン3ドアハッチバックGTアペックス」。親子参加だった大塚さんは、「TE27」と「AE86」の2台のレビンを所有。そのバトンを娘さんに渡すべく、目下、特訓中とのこと。お父さんの期待を背負う娘さんの琴音さんも楽しんでいる様子でなにより。世のクルマ好きのお父さんにとって、実にうらやましい光景だろう。
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25/282代目「日産レパード」。グレードは3リッターツインカムエンジンを搭載する「アルティマ」。刑事ドラマ『あぶない刑事』で有名。展示車はどちらも映画版の劇中車仕様で、紺ツートンが映画『あぶない刑事』の、金ツートンが『またまたあぶない刑事』のもの。
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26/287代目「日産グロリア」。グレードは「VG30ET」を搭載した4ドアハードトップ「ブロアムVIP」。前後には、発売から1年後に追加されたパワフルな3リッターV6ターボエンジンをアピールするエンブレムが輝く。この頃の“3ナンバー”は高級車の証し。外観でも主張すべく、3リッター車は専用のビッグバンパーを装着し、2リッターモデルと区別されていた。
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27/281986年式(昭和61年式)「トヨタ・カローラFX GTリミテッド」。初のFFカローラとなる5代目に設定された、カジュアルかつスポーティーなハッチバックモデル。最上級のGT系は、“ハチロク”と同じ、4AGエンジンを搭載していた。歴代FXで最も人気があったのが、この初代。モデルを追うごとに存在感を薄めてしまったのが残念だが、海外では、カローラの主力としても活躍した。
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28/28マツダのフラッグシップサルーン「ルーチェ」のあとを継いだのが「センティア」(写真右)。初代には、マツダの5チャンネル展開で生まれた姉妹モデル「アンフィニMS-9」(左)も存在した。この姉妹が並ぶのは、極めてレアだ。