Driving Impression01 ロングツーリング編 東京-伊勢志摩間500kmを行く 電気自動車で旅する時代が到来!? 航続距離にまだ限りがあるピュアEVではなかなか楽しめないロングツーリングも、「アウトランダーPHEV」ならできる。東京から三重県の伊勢志摩まで、片道500kmの“静かなる旅”に出た。

1/3 文=藤島知子/写真=小林俊樹

“自分で発電する電気自動車”の長距離性能は?

エコカーというと、今のところエンジンとモーターを組み合わせたハイブリッド車がなじみ深い。しかし、環境負荷が少なくても航続距離やインフラ整備にまだ課題を残している電気自動車(EV)とハイブリッド車の間に位置する、“進化の過程をつなぐ存在”がある。プラグインハイブリッド車である。

その中でも、人気の高いSUVにプラグインハイブリッドシステムを組み合わせた「アウトランダーPHEV」は、とてもユニークな存在といえる。2リッターのガソリンエンジンと2つの走行用モーターを搭載し、バッテリーを床下に収めながらも、SUVには欠かせない最低地上高はしっかりと確保。それでいて、居住性や積載性、SUVとしての機動性は犠牲にしていない。出発前に充電しておけばモーターのみで60.2km(JC08モード)の距離が走れるほか、出先でバッテリーの電力がなくなってもエンジンを発電専用として動かし、その電力を使ってモーター走行することができる。

さらに、停止中・走行中にかかわらずエンジンを作動させて駆動用バッテリーに充電できるバッテリーチャージモードを使用すれば、旅先でもEVさながらのモーター走行が可能。45リッター分のレギュラーガソリンと満充電したバッテリーの電力を加えると、エンジン車に負けるとも劣らない897km(JC08モード)も走れる計算になるという。

ピュアEVのように“電欠”で走行不能に陥る心配もないので、普段はEVとしてエコに使い、週末はエンジン車と同様の気軽さでロングドライブに繰り出すこともできる。このアウトランダーPHEV、カタログの上ではエンジン車、ハイブリッド車、EVの要素を全て詰め込んだ理想的な存在であることが理解できるが、実際はどうなのだろうか。さまざまなメカニズムを満載しているだけに、走りの楽しさがスポイルされていないのか、とさまざまな疑問が頭に浮かぶ。
そこで、百聞は一見にしかずということで、私は旅に出ることにした。目指すは三重県の伊勢志摩方面。東京から片道500kmあまりのロングツーリングだ。

モーターのみのEVモードで走りだす。モーターならではの緻密なトルク特性のおかげで、まずはしっとり滑らかにタイヤが転がっていく感触が伝わってくる。エンジンが始動しないから、乗員は振動や騒音のストレスから解き放たれ、高級サルーンさながらの静粛性と快適な乗り心地を得ることができる。ここで最初に抱いていた、武骨なSUVのイメージはあっさりと吹き飛んでしまった。