Driving Impression02 ショートツーリング編 都心から箱根へ日常ドライブ

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頭脳でも相当楽しめるクルマ

そんなアウトランダーPHEV、ほぼ満充電の状況からのEV走行距離は公表値の約半分、おおむね30km弱といったところだった。この間、首都高を通って横浜に向かい、横浜の市街地で撮影がてらのストップアンドゴーを伴う試乗、そして箱根に向かうも東名の事故による保土ヶ谷バイパスの大渋滞という過酷な内容を考えれば納得の範疇だろう。また、30kmという数字は日本の自家用車が1日あたり走る距離としてもっとも平均的な20km強を楽々とカバーするものだ。つまり大半のユーザーにとって、アウトランダーPHEVはピュアEVと同等の日常性を持つということになる。そしてピュアEVにとって電池残量の低下はあせりを二次曲線的に招くものだが、プラグインハイブリッドであれば、ガソリンが入っている限り航続距離にまつわる心配はほとんどない。

加えて、アウトランダーPHEVには、EV走行での航続距離をコントロールするためにいくつかの仕掛けが用意されている。ひとつはエンジンの稼働によりバッテリーの残量を温存するバッテリーセーブモードと、さらにエンジンを常時稼働させてバッテリーへの充電を行うバッテリーチャージモードのプログラム。シフトセレクター脇のボタンでこれらを駆使することにより、バッテリーの充電量を任意に管理することができるというわけだ。

そしてもうひとつが6段階で切り替えられる回生ブレーキシステム。ステアリングに据えられたパドルの操作で、ドライバーの意思による減速と回生の緻密なコントロールが可能となっている。大型モーターを前後に2つ用いた四駆ということもあり、アウトランダーPHEVの回生効率はかなりのもの。ちなみに坂道を登り切ってほぼ電池を使い果たした箱根のターンパイクを、できるだけ回生ブレーキを使いながら流れにまかせて下ってみると容量で半分弱、EV走行可能距離にして30kmまでバッテリーの蓄電量が回復した。

アウトランダーPHEVでのツーリングはピュアEVならではの快適性のみならず、これらのデバイスを駆使しながら電池をマネジメントする楽しさがある。普通のハイブリッドカーであれば燃費を捻(ひね)り出すのもドライビングプレジャーだが、加えて地図や情報をみながら鳥瞰(ちょうかん)的なドライブプランを立てて電気を稼ぎ出す、もしくは補充することで得られるのはロールプレイングゲーム的な達成感だ。ついお財布への優しさばかりが頭に浮かぶが、このクルマは頭脳でも相当楽しめるというのが、サンデードライブでの印象だった。