Driving Impression02 ショートツーリング編 都心から箱根へ日常ドライブ

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ピュアEVからのフィードバックが感じられる走り

運転席に座ってイグニッションをオンにすると、無音のまま「READY」が表示されて準備OK。このあたりはハイブリッドカーに慣れた身にはさしたる新鮮味もない。バイワイヤのシフトセレクターをDに入れて、アクセルを踏むとモーター独特のヌルッと滑らかなトルクが車体を前に推し進める……とまあ、これも想定通りの反応だ。
が、いざ走り始めてみると、これは単にハイブリッドカーの範疇(はんちゅう)にはくくれないクルマということがありありと感じ取れる。

なにはともあれ、モーターでの加速の息が長い。というか、普通のハイブリッドカーならばとっくにエンジンが稼働している60km/hを超え、70km/h、80km/hとメーターの針はスイスイと上昇。もちろんそんな速度域でもキャビンは静寂が保たれるわけだが、風切り音やロードノイズといった物理音はそれなりに高まり、ヒューンというモーターやインバーターの作動音を飲み込んでいく。その、アナログとデジタルのはざまを行き交うような巡航感覚はどちらかといえばピュアEVに近い。

実際には高速道路の速度域となる100km/hでもモーターのみでの走行が可能だというが、さすがに発進からそこまでを担わせるには、後方がすいていてマイペースで速度を乗せられるような状況が必要だ。が、周囲の流れに合わせてのアクセル操作で仮にエンジンが稼働しても、そのエネルギーの大半はモーターへと電気を回すために使われているため、シームレスな加速感に変化はない。

そういった基本特性を理解したつもりでも、アウトランダーPHEVの制御は丁寧かつ奥深くて、走っている最中にもさまざまな気付きがある。ともあれクルマが向かっている方向性は、極力エンジンを用いず、EVとしての稼働率を高めるというところだ。というわけでハイブリッドカーではなくEVとしてこのクルマを見ると、発進時や低速域でトルクを優しく伝えるための入念なチューニングやブレーキの回生協調制御のうまさなどに、三菱のEVにまつわる豊富なキャリアからのフィードバックが感じ取れる。