「フォード・マスタング」50周年記念イベントの会場から
2014.04.23 画像・写真2014年4月17日、スペシャリティーカーの元祖である「フォード・マスタング」が誕生50周年を迎えた。アメリカ各地で催された関連行事の中から、ニューヨークのエンパイアステートビルで行われた新型車の特別展示と、シャーロット・モーター・スピードウェイで行われた記念イベントの様子を写真で紹介する。(関連記事)
(文=中村孝仁/写真=中村孝仁、フォード モーター カンパニー)

1964年当時、エンパイアステートビルの86階に展示された「フォード・マスタング」の様子。
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1964年当時、エンパイアステートビルの86階に展示された「フォード・マスタング」の様子。
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4人がかりでご覧のようにクルマを解体し、一般の人が使うエレベーターで86階まで運び上げたのだ。
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展示に使った「フォード・マスタング」は、ボディーを大きく4つのパートに分けて運んだそうだ。車体の中央は、ご覧のようにパイプを通してつなげる構造になっていた。
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エレベーターで運び上げられる「フォード・マスタング」。
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こちらは今回(2014年4月16日)の展示に使われた「フォード・マスタング」。ボディーはご覧のようなパートに分けられていた。
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各パーツを台車に載せて、エレベーターに持ち込む。
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1964年当時の写真(4番目)と見比べてほしい。エレベーターのサイズが大きくなっているのか、だいぶ楽そうだ。
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無事にエンパイアステートビルの展望台に設置された、新型「フォード・マスタング コンバーチブル」。
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エンパイアステートビルに展示される「マスタング」の様子。展示は2日間のみだったが、多くの人が訪れた。
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「マスタング」の誕生50周年記念イベントが開催された、シャーロット・モーター・スピードウェイのインフィールド。ご覧の通り、すべてマスタングで埋め尽くされた。
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巨大なスクリーンには「マスタング」の50周年を祝う記念のロゴが。
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記念すべきシリアルナンバー001の「フォード・マスタング」。スタンレー・タッカー大尉という人物に売却されたが、1966年にフォードに返され、現在はヘンリー・フォード博物館に展示されている。
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1964年のニューヨーク・ワールドフェアで展示された12台のうちの1台。シャシーナンバーは100004。
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1964年のインディ500のペースカーとして作られた3台のうちの1台がこれ。当時、シリアルナンバー240、241、242の3台がホルマンムーディーに送られ、ペースカーとしての役割を果たせるよう改造された。エンジンは、なんと「フォードGT40」用のユニットをデチューンして搭載。クーリングシステムやサスペンションなども、140マイルのラップペースを守れるように作り直されたという。このクルマはそのレースで採用されたシリアルナンバー241。現在は個人オーナーの元にあり、ほぼオリジナルコンディションを保っている。
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極めて珍しい「マスタング ランチェロ」。通称「マステロ」として名の通ったモデルで、ビバリーヒルズのディーラーがフォードからライセンスを得て50台を生産した。しかしながらアメリカ国内で販売されたのはわずか10台で、残りは主としてオーストラリアやヨーロッパに輸出され、「UTE」の名で販売されたようだ。ちなみに、お値段は当時の価格で5400ドルとめっぽう高く、ノーマルのコンバーチブル2台分に相当する。
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4月17日は快晴となり、ご覧のように「マスタング」に囲まれて日光浴するオーナーたちが多かった。
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巨大なテントの中には「レアカー・ディスプレイ」と称して珍しいモデルが多く展示されていた。これはそのうちの1台で、1971年にわずか9台生産されたオリジナルJコードの429コブラジェットエンジンを搭載するコンバーチブル。ただし現在は大きくモディファイされてしまい、エンジンは514コブラジェットとされている。
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極めて状態の良い1970年モデルの「BOSS302」。BOSS302とは、高出力の5リッターV8エンジンを積んだ、トランザムレースのホモロゲーションモデルだ。ファンの間でも人気の高いモデルのようで、珍しいクルマであるにもかかわらず、かなりの数がこのイベントにやってきていた。
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1966年モデルの「シェルビーGT350H」。なんとハーツのレンタカーとしてデリバリーされたものだ。ナンバープレートに記された1562というのは実はシリアルナンバーで、シェルビーのレジストリーによれば、コネチカット州ハートフォールドにデリバリーされた個体だった。
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レンタカーとして誰が乗るかわからないために、室内にはご覧のような注意書きが……。“レース用のブレーキが付いているので強めに踏んでください”
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一見すると、1969年モデルの「BOSS302」に見えるが……。
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しかし、ボンネットの下には最新の5リッターV8を搭載する。古いボディーを一度完全にリビルドし、かつ最新のメカニズムを積み込んだものなのだ。今、古い「マスタング」の世界では、この種のモディファイがはやっているようだ。
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ダイナコーンというメーカーが作るオリジナルの「マスタング」のボディーシェル。会場をまわってわかったが、アメリカでは今、古いマスタングを2014年の技術で作ることができる。そのためのボディーもシャシーもサスペンションも、すべて新品が用意されているのだ。ちなみにダイナコーンでは、右ハンドル用の1967年モデルのファストバックのボディーシェルも発売したそうだ。
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4月18日の夕方に開催された、イブニングクルーズに向かう「マスタング」の車列。あいにく天気はこれから雨に向かったが、それでもおびただしい数のクルマがこのパレード走行に参加した。