ミドシップスポーツ「718ケイマン」を知る
ポルシェの真骨頂 2016.11.15 A Life with PORSCHE CAYMAN<PR> 2016年春に世界初公開されたポルシェの2シータースポーツ「718ケイマン」が、日本上陸を果たした。新たに開発された水平対向4気筒ターボエンジンや、一段と磨きのかけられた足まわり、こだわりの内外装は、どんな運転体験をもたらすのか。上級モデル「718ケイマンS」に試乗し、その実像に迫った。現実になった積年の夢
会心の作というものがある。作り手が深く満足できた作品のことで、それを手に入れられたら望外の喜びというものだ。ポルシェ718ケイマン(と、ケイマンS)に接すると、常にそのことが頭をよぎる。なぜなら“本当のスポーツカー”こそ、創業者フェルディナント・ポルシェ博士に連なる一族がずっと作りたかったものだからだ。
ポルシェの量産車第1号が1948年発表のリアエンジン車「356」だということは広く知られている。そのあとを継いだ「911」はスポーツカーと考えられているけれど開発当初の目標には、室内空間に余裕を持った2プラス2であり、トランクスペースにはゴルフクラブが積めること、などがあげられていた。実際に路上でのライバルにはスポーティーなメルセデスやジャガーといったセダンが含まれていたそうだ。フランスの著名な自動車ジャーナリスト、故ポール・フレールは著書『ポルシェ911ストーリー』でそう書いている。
とりわけ911は、1968年にホイールベースを延ばしたのと機を一にして、快適に高速走行ができるグランツーリスモ的性格を強く打ち出したように思える。しかし一方で、純粋なスポーツカーを世に問いたいという気持ちは連綿とあったようだ。レース活動にこれだけ熱心なメーカーなのだから。それも当然だろう。果たしてミドシップの2シーターであるケイマン(とその先触れである「ボクスター」)は、まさにポルシェにとって積年の夢が実現したモデルなのだ。