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「三菱エクリプス クロス」開発責任者インタビュー

SUVに「エクリプス」のパーソナル感を 2017.03.07 「三菱エクリプス クロス」がデビュー <PR> 三菱自動車にとっては久しぶりの、まっさらの新型車「エクリプス クロス」が2017年3月7日に開幕したジュネーブ国際モーターショーでデビューした。あまたのラグジュアリーモデルがワールドプレミアの地として選ぶその場所で、言わずもがなの激戦区に投じるそれを、果たして内の人々はどのような思惑で作り上げたのか。このモデルの開発責任者である山内裕司プログラムダイレクターに話を伺った。

ヒエラルキーから自由なSUV

――まず、エクリプス クロスの立ち位置を伺いたいのですが、三菱のラインナップの中ではどのようなところに位置するモデルですか?

山内プログラムダイレクター(以下、山内):車格としては「アウトランダー」よりも全長が短いこともあり、ひとつ下のクラスと思われてしまうかもしれませんが、われわれとしてはサイズ的な上下関係は一切気にせず、全く新しい価値を供するモデルと考えています。

――寸法的にみるとCセグメント系のど真ん中という理解もできます。が、SUVカテゴリーにおいては数字的なセグメンテーションが意味をなさなくなってきている側面もあります。

山内:まさにそこがわれわれの狙うところで、ヒエラルキーは特に意識しませんでした。イメージしたのはクーペ的なパーソナル感です。例えば社会的なしがらみや子育ての負担に日々を追われて過ごされてきたお客さまが、再び自らの時間を楽しんでいただく時にパートナーとして選んでいただけるのはどんなクルマなのか。そういうことを考えながらコンセプトを煮詰めていきました。

――クーペ的なパーソナル感というと、かつてはスペシャリティーと称された2+2のクーペカテゴリーがありました。「エクリプス」と聞けば、まさにそこがドンピシャで思い浮かぶところです。

山内:われわれとしては1989年の初代から、とても思い入れの深い名前です。そして米国市場などでは一定の認知も得ています。前述のようなコンセプトでクルマのあり方を考えるにあたって、エクリプスが培ってきたイメージは違和感なく受け入れられるなということで、市場にかかわらず統一採用することになりました。

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三菱自動車のC&Dセグメント プログラムダイレクター、山内裕司(やまうち ひろし)氏にお話を伺った。
三菱自動車のC&Dセグメント プログラムダイレクター、山内裕司(やまうち ひろし)氏にお話を伺った。拡大
「エクリプス クロス」のボディーサイズは全長4405×全幅1805×全高1685mm。ホイールベースは2670mm。
「エクリプス クロス」のボディーサイズは全長4405×全幅1805×全高1685mm。ホイールベースは2670mm。拡大
「エクリプス クロス」は三菱自動車のラインナップでいうとサイズ的には「RVR」と「アウトランダー」の間に位置する。しかしヒエラルキーは特に意識せず、開発したという。
「エクリプス クロス」は三菱自動車のラインナップでいうとサイズ的には「RVR」と「アウトランダー」の間に位置する。しかしヒエラルキーは特に意識せず、開発したという。拡大
<山内裕司氏 プロフィール>
1996年三菱自動車工業 研究部入社。2008年にMRDA(ミツビシ・モーターズ・アールアンドディー・オブ・アメリカ・インク)実験部GM、2010年に同社 開発担当副社長を経て、2014年に三菱自動車の協業企画推進室 室長に就任。2015年にC&D-seg プロダクトエグゼクティブに就く。2017年からC&D-seg プログラムダイレクターを務める。
<山内裕司氏 プロフィール>
	1996年三菱自動車工業 研究部入社。2008年にMRDA(ミツビシ・モーターズ・アールアンドディー・オブ・アメリカ・インク)実験部GM、2010年に同社 開発担当副社長を経て、2014年に三菱自動車の協業企画推進室 室長に就任。2015年にC&D-seg プロダクトエグゼクティブに就く。2017年からC&D-seg プログラムダイレクターを務める。拡大

クーペフォルムと実用性を両立させる

――静的なアピアランスについては、どういったことを意識されたのでしょうか。

山内:もう、何はともあれカッコよくと。デザインでお客さまを引きつけることに注力しましたね。クーペという狙いを特徴づけるためにAピラーとルーフの交差部を頂点としてルーフをなだらかに落としていますが、思慮なく作ると後席の乗降性や居住性、視界などに影響が出ます。そこをギリギリの線でクリアしつつ、いかに当初イメージしたシルエットを守り抜くかに注力しました。

――リアゲート周りのデザインが個性的で印象に強く残ります。

山内:リアガラスを寝かせることでクーペ的な印象づけを強めているわけですが、後ろが見づらくなるという弊害をどうにかしたかった。そこでグラスエリアを上下二段構えにして従来以上の後方視認性を確保しながら、テールランプとインテグレートすることでオリジナリティーを追求しています。リアワイパーはスポイラーの内側に隠すなど、すっきりと見えることにも配慮しました。

――このデザインだと後席居住性や積載容量などはあまり期待できなさそうですね。

山内:後席の頭上空間などはアウトランダーのようにはいきませんね。でも中途半端な譲歩でデザインがぼやけるようなことにはしたくなかった。荷室については後席に200mmのスライド量を確保して、ユーザビリティーを高めるなど工夫を加えています。

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ボディーサイドに走る強いキャラクターラインとベルトラインでウェッジシェイプを形成。シャープなクーペSUVフォルムを作り出している。
ボディーサイドに走る強いキャラクターラインとベルトラインでウェッジシェイプを形成。シャープなクーペSUVフォルムを作り出している。拡大
「エクリプス クロス」ではかっこよさというものを大事にした。「デザインでお客さまを引きつけることに注力しました」と山内氏は語る。
「エクリプス クロス」ではかっこよさというものを大事にした。「デザインでお客さまを引きつけることに注力しました」と山内氏は語る。拡大
「エクリプス クロス」のフロントシート。
「エクリプス クロス」のフロントシート。拡大
リアシートには前後スライド機構が備わり、200mmの可動量が確保されている。
リアシートには前後スライド機構が備わり、200mmの可動量が確保されている。拡大

1.5ガソリンと2.2ディーゼルを設定

――現状では写真を見て感じた印象にとどまりますが、内装の質感が随分向上しているのではと想像します。

山内:そこも素材レベルから徹底的に作り込みました。これまでのわれわれのプロダクトとは全く違ったレベルにあることは間違いありません。このあたりはぜひ実車をご覧いただければと思います。

――装備的にはAppleのCarPlayやHUD(ヘッドアップディスプレイ)など、インフォテインメントの大幅なアップデートがうかがえます。

山内:Android Autoも含め、スマートフォンとの緻密な連携を前提にヘッドユニットを構築しています。HUDはフルカラー表示で、ナビの案内情報なども表示できるように配慮しました。

――搭載されるパワー&ドライブトレインはどういった内容になっていますか?

山内:ガソリンは1.5リッターの直噴4気筒ターボにCVTの組み合わせ、ディーゼルは2.2リッターのコモンレール直噴4気筒ターボに8段ATの組み合わせになります。

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ダッシュボードには水平基調のデザインを採用。立体的なシルバー加飾を施し、スポーティーさと上質さを表現している。
ダッシュボードには水平基調のデザインを採用。立体的なシルバー加飾を施し、スポーティーさと上質さを表現している。拡大
内装の質感向上にはこだわった。「素材レベルから徹底的に作り込みました」と山内氏。
内装の質感向上にはこだわった。「素材レベルから徹底的に作り込みました」と山内氏。拡大
スマートフォン連携ディスプレイオーディオはApple CarPlay(写真)やAndroid Autoに対応している。
スマートフォン連携ディスプレイオーディオはApple CarPlay(写真)やAndroid Autoに対応している。拡大
1.5リッター直噴ガソリンターボエンジンのほか、2.2リッタークリーンディーゼルターボエンジン(写真)搭載車が設定される。
1.5リッター直噴ガソリンターボエンジンのほか、2.2リッタークリーンディーゼルターボエンジン(写真)搭載車が設定される。拡大

新しい三菱の世界観を伝えたい

――4WDの駆動制御はS-AWCと聞いています。

山内:ドライブモードはオート/スノー/グラベルの3モードです。従来はロックモードと呼んでいましたが、それでは用途がうまく伝わっていないのではという反省もありまして、グラベルというファンクションに変更しました。加えて、旋回内輪側の制動制御で曲がりやすくするブレーキAYCを備えています。

――三菱のプロダクトということで、中にはオフロード性能を期待している方もいらっしゃるのではと思いますが。

山内:われわれとしては、そこに関して他銘柄には負けられないという自負がありますので、最低地上高もアウトランダーと同等を確保し、駆動制御も一定の悪路性能は意識しています。が、このモデルに関してはクーペという趣旨もあり、オンロードでの運動性能と快適性の両立を優先してきました。社内的には苦しい時期でもありましたので開発は一筋縄ではいかないところもありましたが、新しい三菱の世界観をお客さまに実感いただけるクルマに仕上がったと思っています。

(文=渡辺敏史/写真=荒川正幸、三菱自動車工業、webCG)

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「エクリプス クロス」の仕上がりは上々。「新しい三菱の世界観をお客さまに実感いただけるクルマに仕上がったと思っています」と山内氏。
 
「エクリプス クロス」の仕上がりは上々。「新しい三菱の世界観をお客さまに実感いただけるクルマに仕上がったと思っています」と山内氏。
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ドライブモードには、オート/スノー/グラベルの3モードを用意。4WD機構にはAYCブレーキ制御を追加した「S-AWC(Super All Wheel Control)」を採用している。
ドライブモードには、オート/スノー/グラベルの3モードを用意。4WD機構にはAYCブレーキ制御を追加した「S-AWC(Super All Wheel Control)」を採用している。拡大
三菱というとオフロードに強いというイメージがある、しかしクーペをうたう「エクリプス クロス」では、むしろオンロードでの運動性能や快適性を優先してきたという。
三菱というとオフロードに強いというイメージがある、しかしクーペをうたう「エクリプス クロス」では、むしろオンロードでの運動性能や快適性を優先してきたという。拡大
テールランプが点灯すると、リアセクションの個性がより一層際立つ。日本では2017年度中に発売の予定。
テールランプが点灯すると、リアセクションの個性がより一層際立つ。日本では2017年度中に発売の予定。拡大