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2023年版 アルファ・ロメオの目的・条件別選び方とおすすめモデル|中古車購入指南

目的・条件別おすすめ 中古アルファ・ロメオの選び方 2023.01.01 失敗しない中古車選び 嶋田 智之 今も昔も、スポーティーなクルマを好む向きに一目置かれるアルファ・ロメオ。刺激的な走りと美しいデザインを身上とするこのブランドのクルマのなかでも、今押さえておくべきモデルはどれか? 豊富な中古車の中からオススメの一台を紹介する。

いつの時代も“美”と“走り”にこだわるイタリアの老舗

アルファ・ロメオほど、そのキーを手にした人間をエモーショナルな気分にさせてくれるロマンチックなクルマをつくるブランドはないだろう。そのエモーションはどこから? と理由を探れば、“美しい”とか“楽しい”とか“気持ちいい”とか、ありがちな言葉にしか変換できないが、他のそうした言葉で語られるブランドと比べて、アルファ・ロメオのそれはなぜか少しばかり特別に感じられるのだ。それはオーナーだけが知っている。

歴史をさかのぼれば、古い。1910年にミラノで誕生し、翌年にはその第1号車でレースに参戦している。第2次大戦まではレーシングカーと高性能スポーツカーしかつくらない少量生産のスーパープレミアムブランドとして活動したが、戦後は量産メーカーに転じて、少し頑張れば誰もが買うことのできるクルマをいくつも誕生させ、そして今も送り出し続けているのはご存じのとおりだ。

その過程でアルファ・ロメオは時代に翻弄(ほんろう)され、さまざまな変化を遂げてきた。ジェネレーションごとに、つくるクルマの造形の方向性も、走らせて感じる印象の方向性もガラッと違う。そういう意味では一貫性がない。けれど、逆を言えば、いつの時代もそのときに一番美しいと感じるスタイリングをカタチにし、そのときに手元にあるテクノロジーやメカニズムを駆使して、ドライバーを喜ばせる“何か”を必ずクルマに注ぎ込んできた。この芯の部分は常に一貫しており、経営母体や経営方針がいくら変わっても、どういうわけかそこだけは受け継いでここまで来ているのだ。

アルファ・ロメオのユーズドカーはたくさん流通している。新しめのモデルがディーラーに頼れるのはもちろんだが、ヒストリックモデルも含めてスペシャリストというべき専門店がたくさん存在するのも、このブランドの“徳”だ。そういう意味では手に入れやすいし、維持もしやすい。そして自然とはまり込み、いつしか逃れられなくなるというのも、アルファ・ロメオの持つひとつの側面である。

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アルファ・ロメオの歴史は1910年にミラノの企業家らが不振にあえぐ自動車メーカーを買収したことに端を発する。写真は1910年製「24HP」。
アルファ・ロメオの歴史は1910年にミラノの企業家らが不振にあえぐ自動車メーカーを買収したことに端を発する。写真は1910年製「24HP」。
戦前のグランプリレースで活躍した「P2」。当時のアルファ・ロメオは、レーシングカーと超高性能スポーツカーしかつくらない少量生産のプレミアムブランドだった。
戦前のグランプリレースで活躍した「P2」。当時のアルファ・ロメオは、レーシングカーと超高性能スポーツカーしかつくらない少量生産のプレミアムブランドだった。
1950年に登場した「1900」。アルファ・ロメオにとって初の量販モデルだったが、やはりレースカー譲りの高度なメカニズムが取り入れられていた。
1950年に登場した「1900」。アルファ・ロメオにとって初の量販モデルだったが、やはりレースカー譲りの高度なメカニズムが取り入れられていた。
“新世代アルファ”の先兵として2015年に発表された「ジュリア」(2代目)。いつの時代も、走りの楽しさと独自の美観にのっとったスタイリングこそが、アルファ・ロメオの魅力なのだ。
“新世代アルファ”の先兵として2015年に発表された「ジュリア」(2代目)。いつの時代も、走りの楽しさと独自の美観にのっとったスタイリングこそが、アルファ・ロメオの魅力なのだ。

条件で選ぶ 希望で選ぶ

とにかく安くアルファ・ロメオに乗りたい

ひと頃までは、エントリーモデル的なコンパクトハッチからフラッグシップセダンまでラインナップしていたアルファ・ロメオ。最もフレンドリーな価格帯にあるのは、言うまでもなくコンパクト系。小柄なボディーにアルファらしさが凝縮されているのが大きな魅力だ。

アルファ147(2.0ツインスパーク搭載車)
ミト

これぞアルファ・ロメオというコンセプトを体感したい

アルファ・ロメオの魅力は、独自の美意識から生まれる印象的なスタイリングと、ドライバーを喜ばせてくれる走りの気持ちよさ。それが瞬時に伝わってくるモデルもあれば、じっくり乗り込んで濃密な味わいが得られるモデルもある。なんにせよ、いずれも紛(まご)うことなきアルファである。

アルファ156 GTA
アルファスパイダー(2代目)

最新のアルファ・ロメオに乗りたい

2015年に発表された2代目「ジュリア」から、アルファ・ロメオはよりプレミアム性を高める方向にシフト。ジュリアのSUV版ともいえる2016年発表の「ステルヴィオ」も含め、極めてハンドリングに優れ、また優雅にもスポーティーにも走れるエンジンを搭載した、アルファ流の高級感が漂うモデルを生産している。

ジュリア(2代目)
ステルヴィオ

往年の名車のなかから選びたい

長い歴史を持つブランドだけに、名車と呼ぶべきモデルは数え切れないほど存在する。ミラノ郊外のアルファ・ロメオ博物館でも、すべてのクルマを展示しきれないほどだ。そのなかにあって最もよく知られ、最も手に入れやすいのは、長くつくられた初代ジュリアのシリーズだろう。

ジュリア(初代)
アルファ147
アルファ147
ミト
ミト
アルファ156 GTA
アルファ156 GTA
アルファスパイダー(2代目)
アルファスパイダー(2代目)
ジュリア(2代目)
ジュリア(2代目)
ステルヴィオ
ステルヴィオ
ジュリア クーペ1300GT
ジュリア クーペ1300GT
ジュリア ベルリーナ
ジュリア ベルリーナ

ボディータイプで選ぶなら

クーペ/オープン

多少の実用性をトレードオフにしてでも非日常的な味わいを高めたオープンカーやクーペは、アルファ・ロメオの“らしさ”が最もはっきりカタチになっているといえるカテゴリー。パッと見で他と違うことが分かるインプレッシブな存在感に、強く引きつけられる。

アルファスパイダー(3代目)
アルファGTV

セダン/ワゴン/SUV

1960年代から、家族向けのセダンやワゴンにも高性能なDOHCエンジンを積んでいたのがアルファ・ロメオ。ドライビングプレジャーにこだわる伝統は、今もなお生き続けている。歴代のいずれのモデルも美しく、そして走らせて気持ちいい。

アルファ156(2.0ツインスパーク/2.0JTS/2.5 V6 24V搭載車)
アルファ159スポーツワゴン
ステルヴィオ

ハッチバック/コンパクト

何かと制約の多いコンパクトカーであっても、自らの矜恃(きょうじ)を忘れないのがアルファ・ロメオ。実用ベースのハッチバックでも、アルファのクルマはひと味違う。何も知らずに走らせても、どこか楽しい。どこか気持ちいい。日常のなかの非日常を、日々堪能できるのだ。

ジュリエッタ(3代目)
アルファ147 GTA
アルファスパイダー(3代目)
アルファスパイダー(3代目)
アルファGTV
アルファGTV
アルファ156
アルファ156
アルファ159スポーツワゴン
アルファ159スポーツワゴン
ステルヴィオ
ステルヴィオ
ジュリエッタ(3代目)
ジュリエッタ(3代目)
アルファ147 GTA
アルファ147 GTA

アルファ・ロメオ車種一覧<現行モデル>

現行のアルファ・ロメオのラインナップは、2代目ジュリア以降の新世代と、それ以前に開発されたひとつ前の世代とで構成されている。例えばジュリエッタなどは後者に区分されるが、世代が古くても魅力まで古ぼけたりしないのがこのブランドの美点。後に登場したライバルを前にしても、キラリと光る何かを保ち続けているのがすごい。

ジュリア(2代目)

<ジュリア(2代目)のライバル車種は……>
このクラスにおいて最大のライバルといえるのは、BMWの「3シリーズ」だ。「アウディA4」や「メルセデス・ベンツCクラス」も同じセグメントに属している。

ジュリエッタ(3代目)

<ジュリエッタ(3代目)のライバル車種は……>
このクラスの王者は、言うまでもなく「フォルクスワーゲン・ゴルフ」。総合的な実力の高さ、すなわち万人が納得できる乗り味と使い勝手は、どのモデルも追いつけないレベルにある。

ステルヴィオ

<ステルヴィオのライバル車種は……>
あえてライバルを探すなら、少しコンパクトな「ランドローバー・レンジローバー イヴォーク」か。ブリティッシュモダンなつくりと、ほどほどにスポーティーな走りで高評価を得ている。

4C/4Cスパイダー

<4C/4Cスパイダーのライバル車種は……>
同じくらいのサイズのミドシップとして、「アルピーヌA110」「ポルシェ718ボクスター/ケイマン」などが挙げられるが、乗り味も目指す走りの方向も皆違う。

ジュリア(2代目)
ジュリア(2代目)
BMW 3シリーズ
BMW 3シリーズ
ジュリエッタ(3代目)
ジュリエッタ(3代目)
フォルクスワーゲン・ゴルフ
フォルクスワーゲン・ゴルフ
ステルヴィオ
ステルヴィオ
ランドローバー・レンジローバー イヴォーク
ランドローバー・レンジローバー イヴォーク
4C
4C
ポルシェ718ケイマン
ポルシェ718ケイマン

アルファ・ロメオ車種一覧<先代モデル>

先ほども述べたとおり、近年のアルファは「2代目ジュリアより前か後か」で世代が分けられる。FRプラットフォームをベースとするジュリア以降のモデルに対し、それ以前のモデルはいずれもFFをベースに開発。ルックス、ハンドリングともにアルファならではの世界観に満ちており、ユーズドカーとして考えれば、いずれのモデルも価格がだいぶこなれてきている。

アルファ159/159スポーツワゴン
アルファブレラ/アルファスパイダー(3代目)
ミト
アルファ159
アルファ159
アルファブレラ
アルファブレラ
ミト
ミト

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(文=嶋田智之、webCG)

 

嶋田智之
古今東西のクルマの中でも、特にエンスージアスティックなモデルに精通するモータージャーナリスト。複数の輸入車専門誌の編集長を経て、フリーランスとして独立。今日では執筆活動に加え、自動車イベントのトークショーなどでも活躍を見せる。