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2023年版 ボルボの目的・条件別選び方とおすすめモデル|中古車購入指南

目的・条件別おすすめ 中古ボルボの選び方 2023.01.01 失敗しない中古車選び 高山 正寛 安全を第一とするスウェーデンのプレミアムブランド、ボルボ。最近ではスタイリッシュなイメージも加味され、日本でも確固とした地位を築いている。他のブランドとは一味違う趣を持つモデルの中から、理想の一台を探してみよう。

安全を第一とし 常に数歩先を提案するメーカー

昨今のブランド戦略の成功を受け、日本国内においても認知度が高まっているボルボ。彼らの乗用車ビジネスは、もともとスウェーデンのコングロマリットであるボルボグループの輸送部門のひとつであった。それがフォードに譲渡され、そして中国の浙江吉利控股集団(ジーリーホールディンググループ)傘下となった後も、本社および工場はスウェーデンのイエテボリに位置し続けている。今日では中国にも工場を建設し、重要な市場でのサポートは吉利から受けているものの、クルマづくりに関する独立性は今も担保されているのだ。

ところで、ボルボといえば「安全性」というキーワードが思い浮かぶが、それは創業以来、常に安全を重視し、交通事故死傷者を減らすことを使命としてきたからだ。その理由には“北欧が発祥の地”という地理的要因もあるようで、かの地では巨大なヘラジカ(オオジカ)との衝突頻度が高いことから、かねてこれを前提に開発を行う必要があったという。また衝突安全性の強化に加え、各種安全装置の採用にも積極的に取り組んでおり、こうした姿勢は現在のモデルにも生かされている。かつての名車である「240」シリーズは、一部のユーザーから「走るレンガ」と呼ばれていたが、それはスクエアなボディー形状に加え、安全性能の高さが評価されての愛称なのだ。

また、今では“常識”ともいえる「3点式シートベルト」を開発したのもボルボであるが、こうやって原稿を書くたびに思い出すのが、同社がその特許を世界に無償公開したことだ。また、1994年に世界に先駆けてサイドエアバッグを開発したのも、このメーカーだった。今日ではADAS(先進運転支援システム)や予防安全装置の装着がどのメーカーでも進み、差別化が難しくなっているが、そうした中でもボルボは常に、一歩先を見据えた研究開発を続け、特徴を示している。

そんなボルボの中古車を探す際、ひとつ注意しておくべきなのがモデルライフ中の進化の度合いだ。一例だが、2代目「V40」の場合、発売時のものと最終型を比較すると、ADASだけでも非常に機能差が大きい。最新モデルが最良とまでは言い切らないが、これだけ長い時期販売されているモデルを中古車で探す場合、そうした点を調べたうえで選ぶのがいいだろう。これは、2010年に発売された初代「V60」などでも同様で、8年の間にパワートレインや安全機能が大きく変わっていることを理解しておく必要がある。

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条件で選ぶ 希望で選ぶ

とにかく安くボルボに乗りたい

ボルボの中古車の流通量は、他の輸入車と比べて多いほうではない。その中で価格をメインに選ぶのであれば、1995年ごろに販売が開始された初期の「2桁ナンバーモデル」、すなわち「S40」や「V50」がお薦めだ。いずれも手ごろな価格で流通している。

S40(2代目)
V50

これぞボルボというコンセプトを体感したい

ボルボが社是とする安全性に加え、他社がまねできない独特なスタイリング、“スカンジナビアンデザイン”と表される室内の設(しつら)え、機能面に見る独創性などにも興味があるのなら、3ドアハッチバックの「C30」や、クロスオーバーワゴンである「クロスカントリー」系のモデルも面白いだろう。

C30
V60クロスカントリー(初代)

最新のボルボに乗りたい

ボルボといえば以前はステーションワゴンを中心に高い人気を誇っていたが、ここでは世界的に販売好調なSUVをチョイスしたい。スタイリッシュな新しいボルボの世界観に触れられるはずだ。

XC40
XC90(2代目)

往年の名車のなかから選びたい

「ボルボといえばステーションワゴン」というイメージを持つ方は多いだろう。特に堅牢(けんろう)さでその名を世界にとどろかせた「240」系や「900」系はまだまだ人気が高い。また物件数は少ないが、ボルボにおけるエポックメイキングとなった「850」をあえて探してみるのも面白い。

240ワゴン
850エステート

ボディータイプで選ぶなら

セダン

ボルボのラインナップの中では物件数はあまり多くなく、選ぶのが難しいのがセダン系の車種。往年のモデルよりは、1世代前の「S60」あたりだと比較的探しやすい。また意外と言っては失礼だが、2018年に発売された「S90」が、実は買い得感が高い点にも注目したい。

S60(2代目)
S90(2代目)

ワゴン

堅牢かつ実用面でも優れることから、高く評価されてきたボルボのステーションワゴン。特に日本では、「スバル・レガシィ」などとともにステーションワゴンブームの火付け役となった。ここでは派生車種であるクロスオーバー系も含めて紹介する。

V60(初代)
V70(2代目)

SUV

今も世界的に成長を続けるSUV市場。ボルボもここ数年間で一気にラインナップを充実させた。特に「XC60」は初代、2代目とも物件数が多く、選びやすいのが特徴だ。予算に応じて新旧を比較してみるのも面白い。

XC60(初代)
XC60(2代目)

その他(コンパクト/クーペ/コンバーチブル)

かつてはステーションワゴン、昨今はSUVが主力ということもあり、コンパクト系やスペシャリティー系のボルボ車は決して多くない。そんな中で、圧倒的な物件数を誇るのが2代目の「V40」。高年式のボルボ車の中では、入門モデルとしてイチ押しの存在である。

V40(2代目)
C70(2代目)

ボルボ車種一覧<現行モデル>

現在のボルボ車のラインナップは、世界的にも需要が見込めるSUVがメインとなっている。それでも伝統のステーションワゴンや、ワゴンにSUVテイストをプラスした「クロスカントリー」も人気だ。また各モデルに設定される特別仕様車はコストパフォーマンスが高く、候補車としてぜひチェックしておきたい。

S60(3代目)

<S60のライバル車種は……>
このクラスは世界的にも競合が多く、特にドイツ御三家の「BMW 3シリーズ」や「メルセデス・ベンツ Cクラス」「アウディA4」などがライバルに挙げられる。

V60(2代目)

<V60のライバル車種は……>
競合の多いジャンルおよびセグメントとなるが、ラゲッジルームの容量や使い勝手などを考慮すると、「アウディA4アバント」が実質的なライバルとなる。

V90(2代目)

<V90のライバル車種は……>
最大のライバルは「メルセデス・ベンツEクラス ステーションワゴン」。特にV90クロスカントリーと直接競合する、「E220d 4MATICオールテレイン」に注目だ。

XC40

<XC40のライバル車種は……>
ドイツ御三家のSUVは王道だが、デザインや走りなどで個性を主張するという点では、「シトロエンC5エアクロス」と比較するのも面白い。

XC60(2代目)

<XC60のライバル車種は……>
パワートレインの豊富さやボディーサイズからして、「BMW X3」が最大のライバル。特に2020年4月にX3初となるPHEVが追加されたことで、魅力も増した。

XC90

<XC90のライバル車種は……>
ミドル~ラージクラスのSUV市場は強豪がひしめき合っており、ライバルはかなり多い。「BMW X5」「メルセデス・ベンツ GLE」、あるいは「アウディQ7」などが該当する。

ボルボ車種一覧<先代モデル>

ボルボは1920年代から乗用車をつくり続けているが、一般的な中古車として流通しているのは、おおむねひと世代前のモデルから。車名が「アルファベット+2桁の数字」という表記で統一された、いわゆる「2桁ナンバーモデル」だ。現行ラインナップと比べると個性的な面々が多く、また現在販売をけん引するクロスオーバーSUV「XC」シリーズもこの世代から登場した。

S40(2代目)
V50
V40(2代目)
S60(2代目)
V60(初代)
V70(3代目)
S80(2代目)
XC60(初代)