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ルノー・キャプチャー VS. フォルクスワーゲンTクロス VS. プジョー2008

納得のベストセラー 2021.03.01 欧州での人気が証明するルノー・キャプチャーの実力<AD> 欧州のベストセラーSUV「ルノー・キャプチャー」の新型が日本に上陸。BセグメントSUVのライバルとしてしのぎを削る「フォルクスワーゲンTクロス」、そして「プジョー2008」と乗り比べ、超激戦区で支持を集めるその理由を探った。

欧州で一番売れている「キャプチャー」

いま、クルマ選びで一番ホットなカテゴリーが、コンパクトSUVではないだろうか。「ユーザーからの人気がある」→「自動車メーカー各車がリキを入れて開発」→「面白いニューモデルを続々投入」→「人気が出る」という好循環が起こっており、ゴツいタイプから未来的なデザイン、そして本格的なオフローダーから都会派まで、まさに百花繚乱(りょうらん)だ。

実際に一度乗ってみると、その人気の理由が肌身にしみる。コンパクトカーの魅力は取り回しがいいことで、狭い道でのすれ違いや駐車をする時に小ささが威力を発揮する。コンパクトSUVはそうした強みはそのままに、車高を高くすることで居住空間やラゲッジスペースに余裕が生まれるのだ。

かつては、小型実用車と同じ基本骨格を使うSUVは、背を高くしたぶん、カーブを曲がる時にグラっと傾かないようにサスペンションを固める傾向にあった。このことは足が突っ張っているように感じる乗り心地につながっていたけれど、技術の進歩というのはすばらしいもので、多くの自動車メーカーがその弱点を克服している。最新のコンパクトSUVの足まわりは、軟骨成分をたっぷりと摂取した膝のように、柔軟に動くのだ。

乗り心地だけでなく、騒音や燃費といったネガもコンパクトSUVに感じなくなったいま、何も我慢することがなくなったわけで、このカテゴリーが全世界で支持されるのも当然だろう。そしてコンパクトSUV市場に、真打ちが登場した。2020年に欧州で販売されたSUV全モデルの中で、最も多くの販売台数を記録したルノー・キャプチャーの新型が日本に導入されたのだ。

そこで今回は、ルノー・キャプチャーを軸に、ライバルと思われる2台を招いて比較試乗を行うこととした。2台とはフォルクスワーゲンTクロスとプジョー2008で、同じ条件で乗り比べてみると、事前に想像していたよりはるかに大きな違いを発見することになった。

→「ルノー・キャプチャー」の詳しい情報はこちら

今回試乗したのは「ルノー・キャプチャー」(中央)と「フォルクスワーゲンTクロス」(右)、そして「プジョー2008」(左)の3台。各車、300万円前後の価格設定となるガチのライバルである。
今回試乗したのは「ルノー・キャプチャー」(中央)と「フォルクスワーゲンTクロス」(右)、そして「プジョー2008」(左)の3台。各車、300万円前後の価格設定となるガチのライバルである。拡大
2021年2月4日に導入が発表され、同年2月25日に販売が開始された「ルノー・キャプチャー」。初代モデルのデビューは2013年で、今回が初のフルモデルチェンジとなる。試乗車は「インテンス テックパック」と呼ばれる、車両本体価格が319万円の上級グレード。
2021年2月4日に導入が発表され、同年2月25日に販売が開始された「ルノー・キャプチャー」。初代モデルのデビューは2013年で、今回が初のフルモデルチェンジとなる。試乗車は「インテンス テックパック」と呼ばれる、車両本体価格が319万円の上級グレード。拡大
「キャプチャー」に先立つこと1年前の2020年1月28日に発売された「フォルクスワーゲンTクロス」。同ブランドで「最もボディーサイズの小さなSUV」が導入時のセリングポイントで、今回は車両本体価格337万9000円の「TSI 1stプラス」に試乗した。
「キャプチャー」に先立つこと1年前の2020年1月28日に発売された「フォルクスワーゲンTクロス」。同ブランドで「最もボディーサイズの小さなSUV」が導入時のセリングポイントで、今回は車両本体価格337万9000円の「TSI 1stプラス」に試乗した。拡大
最新の「プジョー2008」は2020年9月16日に販売が開始された2代目モデル。電気自動車バージョンの「e-2008」もラインナップする。今回、比較試乗に連れ出したのは、エントリーモデル「アリュール」で、車両本体価格は302万円。
最新の「プジョー2008」は2020年9月16日に販売が開始された2代目モデル。電気自動車バージョンの「e-2008」もラインナップする。今回、比較試乗に連れ出したのは、エントリーモデル「アリュール」で、車両本体価格は302万円。拡大

「Tクロス」が得意な領域は?

Tクロスのルックスは正統派のSUVで、直線基調のスタイルは力強く、コンパクトでありながらタフなクルマだという印象を与える。スクエア基調のスタイルは見た目だけでなく、後席の頭上空間の確保にも寄与しており、しゃれっ気や色気も必要だけどやっぱり機能が大事だよね、というメッセージが伝わってくる。言ってみれば「用の美」を備えたドイツ製の道具で、真面目なデザインだ。

インテリアにも外装と同じオレンジの差し色が効果的に使われているからパッと見は華やかであるけれど、デザインやスイッチ類のレイアウトはフォルクスワーゲンらしいオーソドックスなもの。今回用意した他の2台、特に2008は内外装ともにかなりとんがったデザインなので、Tクロスの普通さが際立つ。ただし古くさいとか退屈に感じることはなく、横方向への広がりを印象づける水平基調のインテリアはすっきりとしていて機能的。エクステリアと同じく、やはり「用の美」を感じさせる。

といった具合にデザインやパッケージングからは作り手の良心が伝わってくるTクロスであるけれど、いざ走りだして見ると「むむ?」と感じる点がいくつかある。

まずパワートレイン。「TSI 1stプラス」に搭載される排気量999ccの直列3気筒ターボエンジンは、その排気量から想像するより力強く、ゼロ発進から不満のない加速をみせる。デュアルクラッチ式の7段AT(DSG)とのマッチングも良好で、加速はスムーズだ。ただし、アイドルストップ状態からエンジンが再始動する際に、タイミングがワンテンポ遅れることと、3気筒っぽいブルッという振動とノイズが発生することで、せっかくの好印象を何割か差し引きたくなる。

前述したようにタウンスピードではスムーズに加速するけれど、高速道路の合流やETCゲートからの加速でアクセルペダルを踏み込むと、ふぞろいな回転フィールと濁ったノイズで、車内の平和が乱される。あぁ3気筒なんだ、と気づかされる瞬間だ。繰り返しになるけれど、街なかで穏やかにアクセル操作をする限りは、こうしたことは感じない。

足まわりはパワートレインと逆で、高速域が得意で市街地がやや苦手。街なかではバタバタとタイヤが暴れる感じがあって、落ち着かない。タイヤを確認するとピレリの「チントゥラートP7」で、サイズは215/45R18。薄くて大径のこのタイヤはルックス的にはカッコイイけれど、乗り心地は標準の16インチのほうが期待できるのではないか。ただし、高速コーナーでは45偏平の18インチのタイヤのおかげでビシッと安定して、実にスポーティーに走るから、悩ましい。

それぞれの出来は問題ないものの、パワートレインは市街地向き、足まわりは高速向きというちぐはぐな印象が、終始つきまとうのだった。

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「Tクロス」(左)と「キャプチャー」(右)。Tクロスのボディーサイズは全長×全幅×全高=4115×1760×1580mmで、フォルクスワーゲンらしい端正なフロントフェイスとスクエアなフォルムが特徴だ。
「Tクロス」(左)と「キャプチャー」(右)。Tクロスのボディーサイズは全長×全幅×全高=4115×1760×1580mmで、フォルクスワーゲンらしい端正なフロントフェイスとスクエアなフォルムが特徴だ。拡大
他のフォルクスワーゲン車にも通じる、水平基調のインストゥルメントパネルが印象的な「Tクロス」のインテリア。同ブランドで日本初となる、常時接続の新世代インフォテインメントシステム「We Connect(ウィーコネクト)」を搭載している。
他のフォルクスワーゲン車にも通じる、水平基調のインストゥルメントパネルが印象的な「Tクロス」のインテリア。同ブランドで日本初となる、常時接続の新世代インフォテインメントシステム「We Connect(ウィーコネクト)」を搭載している。拡大
1リッター直3直噴ターボエンジンは最高出力116PS、最大トルク200N・mを発生。7段DCTが組み合わされる。
1リッター直3直噴ターボエンジンは最高出力116PS、最大トルク200N・mを発生。7段DCTが組み合わされる。拡大
「TSI 1stプラス」には、カラフルなシート表皮デザインのスポーツコンフォートシートが標準装備されている。
「TSI 1stプラス」には、カラフルなシート表皮デザインのスポーツコンフォートシートが標準装備されている。拡大
後席には左右一体式となる140mmの前後スライド機構と、60:40の分割可倒式シートバックが備わっている。
後席には左右一体式となる140mmの前後スライド機構と、60:40の分割可倒式シートバックが備わっている。拡大
後部座席を使用する通常時の荷室容量は385リッターで、後席を前にスライドさせた場合は455リッターとなる。床面は2段階に高さが調整できるようになっており、写真はフロアボードを外した状態のもの。
後部座席を使用する通常時の荷室容量は385リッターで、後席を前にスライドさせた場合は455リッターとなる。床面は2段階に高さが調整できるようになっており、写真はフロアボードを外した状態のもの。拡大

クラスを超えた「キャプチャー」の走り

Tクロスからキャプチャーに乗り換える。試乗車は「インテンス テックパック」と呼ばれる上級グレードだ。デザインは好みの問題だけれど、砲丸投げの選手みたいだったTクロスに対して、キャプチャーは走り高跳びの選手のようだ。どちらも筋肉質のアスリートには違いないが、彫りの深いラインと陰影に富んだパネルの組み合わせによって、キャプチャーにはふわっと宙に舞うような華やかさがある。

キャプチャーのインテリアをひとことで表現すれば、シックだ。派手な色使いや奇をてらったような造形はないけれど、色艶を吟味した樹脂素材を丁寧に組み合わせることで、全体に落ち着いた空間になっている。手が触れる部分に柔らかい素材を使っていたり、ステアリングホイールのレザーが手のひらに吸い付くようなタッチだったり、見た目だけでなく触感にもこだわったインテリアだと感じた。

ドライビングポジションを調整していざ出発、という段で、今回の参加車で唯一の電動シートだということに気づく(「インテンス」は手動シート)。おまけにキャプチャーでは、全車シートヒーターとステアリングヒーターが標準装備されている。今日のような冬の寒い日にはありがたいアイテムだ。

快適装備を遠慮なく作動させつつ走りだして真っ先に感じるのは、速い、ということだ。ルノー・日産・三菱のアライアンスで共同開発した1.3リッター直噴ターボエンジンは低回転から力がみなぎっている。加速に余裕があるというレベルを超えて、パワフルだ。今回試乗した3台で、動力性能は文句なくナンバーワンだろう。

このエンジンは基本骨格を共有する「ルーテシア」と基本的には共通であるけれど、SUVというスタイルに合わせたチューンが施されている。具体的には最高出力はルーテシア比でプラス23PSの154PS、最大トルクも同じくプラス30N・mの270N・mとなっている。

デュアルクラッチ式の7段AT(EDC)との連携も良好で、アクセル操作に対するレスポンスが素早く、しかも変速が素早いうえにショックがほとんどないから、ファン・トゥ・ドライブと快適さを両立している。Bセグメントのコンパクトカーのパワートレインというよりは、もうひとつ上のセグメントであるように感じる。

乗り心地は、サスペンションがきれいに伸びたり縮んだりしながらフラットな姿勢を保つ、いかにもルノーらしいもの。市街地ではやや硬めでスポーティーな味つけかと思ったけれど、速度を上げるにつれて路面からのショックはマイルドに変化、フラットライドの美点が強調されるようになる。

乗り心地のほかに強調しておきたいのがステアリングフィールのよさで、タイヤと路面とがどのように接しているのかという情報が、すっきりと手のひらに伝わってくる。懐の深い乗り心地と合わせて、もっと大きなクルマをドライブしているような錯覚を覚えた。

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「キャプチャー」のボディーサイズは全長×全幅×全高=4230×1795×1590mm、ホイールベースは2640mm。先代と比べると95mm長く、15mm幅広く、5mm高い。ホイールベースも35mm延長されている。
「キャプチャー」のボディーサイズは全長×全幅×全高=4230×1795×1590mm、ホイールベースは2640mm。先代と比べると95mm長く、15mm幅広く、5mm高い。ホイールベースも35mm延長されている。拡大
ソフトパッドを用いたダッシュボードや、フローティング形状のセンターコンソールが目を引く「キャプチャー」のインテリア。全モデルにステアリングヒーターが標準装備されている。
ソフトパッドを用いたダッシュボードや、フローティング形状のセンターコンソールが目を引く「キャプチャー」のインテリア。全モデルにステアリングヒーターが標準装備されている。拡大
「キャプチャー」に搭載される1.3リッター直4ターボエンジンは、最高出力154PS、最大トルク270N・mを発生。最新の「ルーテシア」に比べ23PSと30N・m増しのスペックとなる。トランスミッションは「7EDC」と呼ばれる7段DCTを組み合わせている。
「キャプチャー」に搭載される1.3リッター直4ターボエンジンは、最高出力154PS、最大トルク270N・mを発生。最新の「ルーテシア」に比べ23PSと30N・m増しのスペックとなる。トランスミッションは「7EDC」と呼ばれる7段DCTを組み合わせている。拡大
今回試乗した3台の中で唯一、ヒーター機能付き電動本革シートが標準装備される「キャプチャー インテンス テックパック」。BセグメントSUVとは思えない充実した装備も同車の自慢だ。
今回試乗した3台の中で唯一、ヒーター機能付き電動本革シートが標準装備される「キャプチャー インテンス テックパック」。BセグメントSUVとは思えない充実した装備も同車の自慢だ。拡大
左右一体式で最大160mmのスライド機構が備わる後席も、前席と同じく本革仕立てとなる。内装色は写真のブラックのみ設定。
左右一体式で最大160mmのスライド機構が備わる後席も、前席と同じく本革仕立てとなる。内装色は写真のブラックのみ設定。拡大
後席を使用する5人乗車時の荷室容量は、クラス最大となる536リッター。60:40の分割可倒式となる後席背もたれを前方に倒せば、最大1235リッターにまで荷室容量を拡大できる。
後席を使用する5人乗車時の荷室容量は、クラス最大となる536リッター。60:40の分割可倒式となる後席背もたれを前方に倒せば、最大1235リッターにまで荷室容量を拡大できる。拡大

きびきび曲がる「2008」

今回の3台の中で、最も先鋭的なデザインが与えられているのは間違いなく2008だ。ボディーパネルには幾何学模様のモチーフが反復して使われ、ヘッドライトとリアコンビネーションライトにはライオンの“かぎ爪”が走る。デイライトランニングランプは、サーベルやライオンの牙を思わせる。

インテリアもアバンギャルドだ。ステアリングホイールの上から計器類を見ることになるプジョー独特の「iコックピット」は、デジタルメーターが3D表示される「3D iコックピット」となってさらに未来的になった。ハザードやデフロスターなどのトグルスイッチはピアノのようなツヤのあるブラックに塗られ、シフトセレクターの形状も凝っている。

内外装ともに、作り手が楽しみながら、乗る人をアッと驚かそうと思いながらデザインしていることが伝わってきて、「クルマのデザインってまだ新しいチャレンジをする余地が残っているんだな」と、ニヤけてしまう。ただし、取材スタッフの間からは「エクステリアは目がチカチカしました」「自分が保守的なのか、この運転席は何回乗っても慣れません」という声が挙がったことも確か。万人受けはしないけれど、だからこそ面白いという意欲作だ。

と、デザインに関しては賛否両論あるけれど、走りだすとよくできたコンパクトカーだという意見で一致する。そのドライブフィールは軽快で、「2008って運転が楽しい」と素直に思える。

1.2リッター直列3気筒エンジンははじけるように回転を上げ、アイシン・エィ・ダブリュ製の8段ATがいかにも効率よく動力を路面に伝える。また、トランスミッションの多段化によって1速のギア比を低く設定できたため、発進加速も力強い。ただし、4気筒エンジンのキャプチャーと取っ替え引っ替え乗り比べると、やはり発進からのほんの一瞬、あるいはキックダウンでギアを落とす瞬間に、3気筒っぽい“ポロポロ感”を感じることがある。念のために言えば、2008を単体でドライブする時にはまったく気にならない。あくまで比較した場合の話だ。

乗り心地も軽やかだ。ステアリングホイールを切ると素直に向きを変え、そこにはSUVという言葉から想像する鈍重さはかけらもない。“ネコ足”と呼ばれた昔のプジョーの乗り味とはちょっと違って、パキン、パキンときびきび曲がる。それでいて、路面からの突き上げはしっかりと抑えられている。この整った乗り心地には、215/60R17サイズの「ミシュラン・プライマシー4」タイヤという、カッコよりも実利を重視したタイヤ選びも貢献しているはずだ。

キャプチャーが少し湿り気を帯びたしっとりとした乗り味だったのに対して、2008は軽妙でドライ。この2台のドライブフィールをひとことで言い表せば、「快適な乗り心地と楽しいハンドリングを両立したフランス製小型車」ということになる。けれども同じ条件で乗り比べるとテイストはまったく異なるわけで、おもしろい経験だったし、勉強にもなった。

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「2008」のボディーサイズは全長×全幅×全高=4305×1770×1550mm。従来モデルより全長が145mm、全幅が30mm拡大している一方で、車高は20mm低められており、一般的な機械式駐車場にも入庫できるようになった。
「2008」のボディーサイズは全長×全幅×全高=4305×1770×1550mm。従来モデルより全長が145mm、全幅が30mm拡大している一方で、車高は20mm低められており、一般的な機械式駐車場にも入庫できるようになった。拡大
プジョー車でおなじみのステアリングホイールの上から見るようにメーターを配置した「iコックピット」は、立体表示のデジタルメーターを備えた「3D iコックピット」に進化。
プジョー車でおなじみのステアリングホイールの上から見るようにメーターを配置した「iコックピット」は、立体表示のデジタルメーターを備えた「3D iコックピット」に進化。拡大
「2008」には最高出力130PS、最大トルク205N・mの1.2リッター直3ターボエンジンが搭載される。トランスミッションは8段ATを組み合わせている。
「2008」には最高出力130PS、最大トルク205N・mの1.2リッター直3ターボエンジンが搭載される。トランスミッションは8段ATを組み合わせている。拡大
ファブリックとテップレザー(合皮)の組み合わせとなる「2008アリュール」のシート表皮。サイドの張り出しが少ない「コンフォートシート」が装備されているのも同グレードの特徴だ。
ファブリックとテップレザー(合皮)の組み合わせとなる「2008アリュール」のシート表皮。サイドの張り出しが少ない「コンフォートシート」が装備されているのも同グレードの特徴だ。拡大
後席の背もたれには60:40の分割可倒機構が備わる。先代モデルよりも70mm長い2610mmのホイールベースを有しており、後席の足元スペースは十分確保されていた。
後席の背もたれには60:40の分割可倒機構が備わる。先代モデルよりも70mm長い2610mmのホイールベースを有しており、後席の足元スペースは十分確保されていた。拡大
荷室容量は、従来モデル比でプラス74リッターとなる434リッター。可動式のフロアボードを上部にセットすることで、荷室を上下に区切ることもできる。写真は荷室床面を下部にセットした様子。
荷室容量は、従来モデル比でプラス74リッターとなる434リッター。可動式のフロアボードを上部にセットすることで、荷室を上下に区切ることもできる。写真は荷室床面を下部にセットした様子。拡大

このセグメントはおもしろい

後席や荷室の広さなどの実用性を比べるのは、Tクロスにとって少し酷かと思った。Tクラスの全長は4115mm、対してキャプチャーが4230mm、2008が4305mmと、少し差があるからだ。けれども前席の位置をそろえて後席に座ると、意外やTクロスは善戦した。1580mmの全高とスクエアなボディー形状をうまく生かして、後席は身長180cmの筆者が座っても頭上スペースに十分な余裕があるのだ。パッケージングの勝利だろう。

一方、全高1550mmの2008は、ボディー後端に向かってギュッと絞り込まれるフォルムとも相まって、後席に座ると圧迫感を覚えた。後席が最も快適だったのがキャプチャー。3台の中でも最も長い2640mmのホイールベース、最も高い1590mmの全高を利して、広々とした空間を構成している。

そうしたサイズやデザインへの考え方の違いもあり、荷室の広さはキャプチャーがVDA方式で536リッター、Tクロスが同455リッター、2008が同434リッターとなる。いずれも荷室自体はスクエアな形状で、いかにも使い勝手がよさそうである点は共通している。

実用面でもうひとつ気になるのは、運転支援装置だ。こちらについては、レーンをキープしながら先行車両に追従する機能や、駐車時に周囲の安全性を確認する機能など、現代のクルマに求められる能力を3台とも過不足なく備えていた。細かいことを言えば、デビューが新しい2008とキャプチャーはアダプティブクルーズコントロール作動時に、渋滞で停止しても3秒以内なら自動で再発進する機能が備わる。

ただし、実際に使ってみると気になるのはインターフェイスで、Tクロスとキャプチャーが直感的に扱えるのに対して、2008は操作パネルの裏側にあるスイッチをブラインドタッチで操作しなければならないため、慣れるのに時間が必要だった。オーナーになって何時間か操作したら問題なく覚えられるものかもしれないけれど、初心者が面食らうであろうことは間違いない。

といったように、今回試乗した3台のコンパクトSUVはそれぞれに個性があって、このセグメントのクルマ選びはおもしろいと思えた。個人的には、キャプチャーと2008で最後まで悩みそうだ。どちらも単に出来がよくて実用的なだけでなく、見た目や手触り、ドライブフィールなどで心に訴えかけてくるものがあった。あえて選べば、街なか優先だったら2008、長距離ドライブの機会が多ければキャプチャーといったところか。

参考までに今回の試乗車で車両本体+外装色の合計価格を並べてみると、TクロスTSI 1stプラス(エナジェティックオレンジメタリック)が337万9000円、キャプチャー インテンス テックパック(ブランナクレメタリック/ノワールエトワール)が323万4000円、2008アリュール(エリクサーレッド)が309万1500円となる。

こう見ると個人的な好みは別として、1台だけ4気筒エンジンを積み、ホイールベースと全高の余裕でスペース的にも優位なルノー・キャプチャーがお値打ちであるのは間違いない。欧州ナンバーワンの販売実績と人気には、確かな理由があるのだ。

(文=サトータケシ/写真=郡大二郎)

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ストップ&ゴー機能付き「アダプティブクルーズコントロール」や歩行者・自転車検知機能付きの「アクティブエマージェンシーブレーキ」「オートハイ/ロービーム」といった運転支援システムの充実も「キャプチャー」のセリングポイント。
ストップ&ゴー機能付き「アダプティブクルーズコントロール」や歩行者・自転車検知機能付きの「アクティブエマージェンシーブレーキ」「オートハイ/ロービーム」といった運転支援システムの充実も「キャプチャー」のセリングポイント。拡大
「ルノーマルチセンス」と呼ばれる走行モードに連動したイルミネーションカラーが表示される「キャプチャー」の7インチメーターパネル。個別設定が可能なカスタマイズモード「My Sense」、スポーティーな走りが楽しめる「Sport」、燃費重視の「Eco」という3つの走行モードが用意されている。写真は「Sport」モード選択時の様子。
「ルノーマルチセンス」と呼ばれる走行モードに連動したイルミネーションカラーが表示される「キャプチャー」の7インチメーターパネル。個別設定が可能なカスタマイズモード「My Sense」、スポーティーな走りが楽しめる「Sport」、燃費重視の「Eco」という3つの走行モードが用意されている。写真は「Sport」モード選択時の様子。拡大
「キャプチャー」のシフトパネルまわり。フライングセンターコンソールと呼ばれる宙に浮いたようなデザインが特徴。下段にはスマートフォンの非接触充電トレーが備わっている。
「キャプチャー」のシフトパネルまわり。フライングセンターコンソールと呼ばれる宙に浮いたようなデザインが特徴。下段にはスマートフォンの非接触充電トレーが備わっている。拡大
運転席側に向けて角度がつけられた「キャプチャー」の7インチタッチ式モニター。「Apple CarPlay」「Android Auto」に対応するインフォテインメントシステム「イージーリンク」の操作や運転モードの切り替え、照明のカスタマイズなどがモニターを通じて行える。
運転席側に向けて角度がつけられた「キャプチャー」の7インチタッチ式モニター。「Apple CarPlay」「Android Auto」に対応するインフォテインメントシステム「イージーリンク」の操作や運転モードの切り替え、照明のカスタマイズなどがモニターを通じて行える。拡大
最新世代のルノー車に共通するLEDのCシェイプデイタイムランプが特徴的な「キャプチャー」のフロントフェイス。タイヤは215/55R18サイズで、今回の試乗車には「グッドイヤー・エフィシェントグリップ パフォーマンス」が装着されていた。
最新世代のルノー車に共通するLEDのCシェイプデイタイムランプが特徴的な「キャプチャー」のフロントフェイス。タイヤは215/55R18サイズで、今回の試乗車には「グッドイヤー・エフィシェントグリップ パフォーマンス」が装着されていた。拡大
今回の比較試乗ではいずれも約280kmを走行。満タン法での燃費値は「キャプチャー」(右)が15.8km/リッター、「Tクロス」(中央)が14.1km/リッター、そして「2008」(左)が14.6km/リッターだった。
今回の比較試乗ではいずれも約280kmを走行。満タン法での燃費値は「キャプチャー」(右)が15.8km/リッター、「Tクロス」(中央)が14.1km/リッター、そして「2008」(左)が14.6km/リッターだった。拡大
ルノー・キャプチャー インテンス テックパック
ルノー・キャプチャー インテンス テックパック拡大
 
ルノー・キャプチャー VS. フォルクスワーゲンTクロス VS. プジョー2008の画像拡大

車両データ

ルノー・キャプチャー インテンス テックパック

ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4230×1795×1590mm
ホイールベース:2640mm
車重:1310kg
駆動方式:FF
エンジン:1.3リッター直4 DOHC 16バルブ ターボ
トランスミッション:7段AT
最高出力:154PS(113kW)/5500rpm
最大トルク:270N・m(27.5kgf・m)/1800rpm
タイヤ:(前)215/55R18 95H/(後)215/55R18 95H(グッドイヤー・エフィシェントグリップ パフォーマンス)
燃費:17.0km/リッター(WLTCモード)
価格:319万円

フォルクスワーゲンTクロスTSI 1stプラス
フォルクスワーゲンTクロスTSI 1stプラス拡大
 
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フォルクスワーゲンTクロスTSI 1stプラス

ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4115×1760×1580mm
ホイールベース:2550mm
車重:1270kg
駆動方式:FF
エンジン:1リッター直3 DOHC 12バルブ ターボ
トランスミッション:7段AT
最高出力:116PS(85kW)/5000-5500rpm
最大トルク:200N・m(20.4kgf-m)/2000-3500rpm
タイヤ:(前)215/45R18 89V/(後)215/45R18 89V(ピレリ・チントゥラートP7)
燃費:19.3km/リッター(JC08モード)/16.9km/リッター(WLTCモード)
価格:337万9000円

プジョー2008アリュール
プジョー2008アリュール拡大
 
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プジョー2008アリュール

ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4305×1770×1550mm
ホイールベース:2610mm
車重:1270kg
駆動方式:FF
エンジン:1.2リッター直3 DOHC 12バルブ ターボ
トランスミッション:8段AT
最高出力:130PS(96kW)/5500rpm
最大トルク:230N・m(23.5kgf・m)/1750rpm
タイヤ:(前)215/60R17 96H/(後)215/60R17 96H(ミシュラン・プライマシー4)
燃費:19.2km/リッター(JC08モード)/17.1km/リッター(WLTCモード)
価格:302万円