中古車市場で人気のアルファードを知ろう
新型40系アルファードの値段はいくら? 人気の型式・グレード・選び方を徹底解説

2025.08.07
新型40系アルファードの値段はいくら? 人気の型式・グレード・選び方を徹底解説
ラージサイズミニバンのなかで、圧倒的な人気を誇る「トヨタ・アルファード」。当然のことながら中古車市場での需要も高く、最新世代のモデルだけでなく、先代モデルの売買も活発になっています。

グレードもさまざまで、購入を検討される方のなかには、その選び方に悩んでしまう人も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、2023年に発売された最新(現行)モデルを中心に、世代間の違いやグレードごとの特徴を紹介。専門家のコメントを交えつつ、あなたにピッタリな一台が見つかるように説明します。

執筆:渡辺 陽一郎(カーライフ・ジャーナリスト)
執筆・編集:webCG編集部
写真:トヨタ自動車、webCG
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1.アルファードで人気の型式・グレード・新車&中古車価格

アルファードとは?

 出典:トヨタ YouTubeショールーム 【ALPHARD PHEV】Style Movie「さらに、颯爽と前へ進め。」

アルファードはトヨタが販売する高級ミニバンで、広い車内と快適な乗り心地が魅力とされています。特に内装の高級感や静粛性、余裕の走行性能が高く評価されており、「移動するリビングルーム」などともいわれます。初心者でも運転しやすいサポート機能も充実。ファミリーカーとしても人気があるものの、会社組織や宿泊施設のショーファードリブン(運転手付きの送迎車)としても広く使われています。日本国内のミニバンのなかではトップクラスの人気を誇り、新型が出るたびに注文が殺到するほどです。

アルファードの試乗記・コラムを見る

アルファードの世代別中古車相場(4代目40系・3代目30系)

アルファードの中古車で主に取引されているのは、2015年から2023年まで生産された3代目(30系)と、2023年に発売された、4代目となる現行モデル(40系)です。例えば、この2世代の純ガソリンエンジン車(非ハイブリッド。以下ガソリン車と表記)にクローズアップしてみると、「webCGの中古車検索」における中古車相場は以下のようになります。
(※40系・30系といった呼び名は通称で、支払総額や件数<在庫数>は2025年6月現在のもの。以下同じ)

       
型式 40系 30系
中古車価格 569万円~1013万円 154万円~1917万円
在庫数 541件 4886件
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40系の場合、最低金額は569万円からスタートしており、人気が高いぶん、在庫が少なく、値崩れしていないことがわかります。新車価格とも比較してみましょう。

40系アルファードのグレード別新車・中古車価格

最新世代のアルファードは、パワートレインや装備の違いにより、以下の3グレード(全9種類)が用意されています。パワートレインについては、エンジンとモーターを併用するハイブリッドモデルのほか、さらに外部からの充電も可能となるプラグインハイブリッドモデル(PHEV)、ガソリン車も選ぶことができます。このうちPHEVは動力性能のスペックも優れているため、“アルファードのハイパフォーマンス仕様”という見方もできます。

プラグインハイブリッドモデル(PHEV)

40系アルファードのプラグインハイブリッドモデル(PHEV)は、優れた走行性能と環境性能を両立させる一台です。もちろん、EV走行も可能(EV走行換算距離:73km)。そのため、日常の短距離移動はモーター駆動だけでこなすことができますから、静粛性も抜群です。

ガソリンエンジンも搭載するハイブリッド車とあって、長距離走行でも安心感が得られます。室内空間はさらに快適に進化し、高級感のある内装や先進の安全装備が充実。加速力や乗り心地もトップレベルで、まさに移動するラグジュアリールームといえるでしょう。環境に配慮しながらも、快適性と力強さを求める方に最適な選択肢といえます。

なお、仕様としては6人乗りの「エグゼクティブラウンジ」のみ。駆動方式は「E-Four」と呼ばれる4WDのみになります。

       
グレード名 エグゼクティブラウンジ(プラグインハイブリッド)
新車価格 1065万円(4WD)
中古車価格
(支払総額)
1275万円~1315万円
在庫数 2件
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ハイブリッドモデル

40系アルファードのハイブリッドモデルは、ガソリンモデルに比べて燃費性能が大幅に優れており、街乗りから長距離移動まで経済的に使うことができます。加えて、走行時の静粛性が高く、高級ミニバンにふさわしい快適な車内空間を実現。

モーターの力でスムーズな加速が可能となっており、信号の多い市街地でもストレスなく走行できます。ガソリンモデルは車両価格が比較的安価で初期コストを抑えられますが、燃費や騒音面ではハイブリッドが勝るといえるでしょう。環境性能や快適性を重視するなら、ハイブリッドは非常に魅力的な選択肢です。

       
グレード名 エグゼクティブラウンジ Z X
新車価格 860万円(2WD)
882万円(4WD)
635万円(2WD)
657万円(4WD)
510万円(2WD)
532万円(4WD)
中古車価格
(支払総額)
704万円~1380万円 647万円~1350万円 648万円
在庫数 123件 247件 2件
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このハイブリッドモデルとPHEVに設定されるエグゼクティブラウンジは、40系アルファードで最上級となるグレードで、専用の豪華シートや後席用モニター、上質な内装材などによって快適性と高級感を極めた仕様となっています。Zグレードは装備と価格のバランスがよく、広く人気を集めています。一方、Xグレードは基本装備を抑えたエントリーモデルで、買いやすさを重視する方に適しています。

ガソリンモデル

40系アルファードのガソリンモデルは、ハイブリッドに比べて車両価格が抑えられており、初期費用の低さを重視する方にとって魅力的な選択肢です。モーターアシストはないものの、2.5リッター直4エンジンがもたらす加速は十分であり、日常使いや高速走行で走りを楽しめます。

また、車量がハイブリッドモデルに対して軽くなっているため、走行フィーリングにおいては軽快感が得られ、メカニズム的にシンプルであるがゆえに、メンテナンス系のコストを抑えやすいという利点も挙げられます。購入後のランニングコストや静粛性ではハイブリッドモデルが有利になるので、いずれにするか、用途や予算に応じた選択が重要といえます。

項目 Z
新車価格 555万円(2WD)
574万8000円(4WD)
中古車価格
(支払総額)
569万円~1013万円
在庫数 529件
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2.40系アルファード 各グレードの特徴

エグゼクティブラウンジ

40系アルファードのエグゼクティブラウンジは、ほかのグレードと比べて後席、特に2列目シートの快適性が格段に高いというのが魅力になっています。「エグゼクティブラウンジシート」と名づけられた専用の大型リクライニングシートは上質なプレミアムナッパ本革で仕立てられており、オットマンやマッサージ機能も装備。まるで高級ホテルのラウンジのようなくつろぎ空間を提供します。

後席モニターや専用コンソールなど装備も充実し、まさに「移動する応接室」。上質なもてなし感を重視するなら、エグゼクティブラウンジが最上の選択といえるでしょう。パワートレインはプラグインハイブリッド(4WDのみ)とハイブリッド(2WDまたは4WD)が選べます。

内装・外装

どんな人におすすめ?
40系アルファードのエグゼクティブラウンジは、移動中も最高の快適さを求める方におすすめです。例えば、運転手付きで移動する経営者や役員、来客をもてなす企業の送迎用、または家族や大切な人との移動を特別な時間にしたい方に最適です。仕立てが上質であるのはもちろん、静粛性や快適性を重視する方も大きな満足が得られるでしょう。

エグゼクティブラウンジ プラグインハイブリッドの試乗記を見る

価格比較

 
項目 プラグインハイブリッド ハイブリッド
新車価格 1065万円
(4WD)
860万円
(2WD)
882万円
(4WD)
中古車価格
(支払総額)
1275万円~1315万円 704万円~1380万円
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サイズ(寸法・定員)比較

 
項目 プラグインハイブリッド ハイブリッド
乗車定員 6人乗り 7人乗り
全長(mm) 4995
全幅(mm) 1850
全高(mm) 1945 1935
ホイールベース
(mm)
3000
トレッド(mm) フロント1600/リア1600[1605]
室内(mm) 室内長3005/室内幅1660/室内高1360
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※[ ]はE-Fourと呼ばれる4WD車の値です。

Zグレード

Zグレードは、新世代アルファードのなかで、まさに中庸というべきモデル。 LEDコーナリングランプおよびLEDシーケンシャルターンランプ、スーパーUVカット&IRカット&はっ水機能付きフロントドアグリーンガラス、スーパークロームメタリック塗装の18インチアルミホイールなど装備の充実が図られたうえで、2列目には「エグゼクティブパワーシート」という、エグゼクティブラウンジシートに準じた豪華な座席が装着されます。このシートは、パワーオットマンや快適温熱機能、ベンチレーション機能も装備。大型アームレスト、折り畳みサイドテーブルも備わります。

ラインナップは、ハイブリッド車とガソリン車。それぞれに2WDと4WDが設定されています。

内装・外装

どんな人におすすめ?
エグゼクティブラウンジまでのぜいたくさは求めないが、“Lクラスミニバン”と位置づけられるアルファードならではの上質感・快適性は満喫したいという方におすすめです。エグゼクティブラウンジは「運転手付きのショーファードリブン」としての用途も多くなりますが、Zグレードは、自ら運転する方が選ぶグレードともいえます。

価格比較

 
項目 ハイブリッド ガソリン
新車価格 635万円
(2WD)
657万円
(4WD)
555万円
(2WD)
574万8000円
(4WD)
中古車価格
(支払総額)
1275万円~1315万円 704万円~1380万円
リンク 中古車を探す 中古車を探す

サイズ(寸法・定員)比較

 
項目 ハイブリッド ガソリン
乗車定員 7人乗り
全長(mm) 4995
全幅(mm) 1850
全高(mm) 1935
ホイールベース
(mm)
3000
トレッド(mm) フロント1600/リア1600[1605]
室内(mm) 室内長3005/室内幅1660/室内高1360
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※[ ]はE-Fourと呼ばれる4WD車の値です。

Xグレード

アルファードのXグレードは、最新世代のアルファードが持つ優れた基本性能を有しながら、ややシンプルな装備を組み合わせることで価格が抑えられています。シート表皮は、アルファードのなかで唯一となるファブリック。2列目シートが6:4分割のチップアップシートになっているのも特徴です。

パワーユニットはハイブリッドのみで純粋なガソリンエンジン車はありませんが、駆動方式2WD(FF)だけでなく、降雪地帯でも安心の4WDを選択することができます。

内装・外装

どんな人におすすめ?
デザインや空間的な広さからアルファードを選びたいものの、装備や素材の豪華さにはさほどこだわらない、という方にすすめられます。2列目がベンチシートになっているのは、アルファードのなかではこのXグレードのみ。乗車定員が8人であることや、2列目に3人座れることにこだわる人には、必須の選択肢となります。

価格比較

 
項目 ハイブリッド
新車価格 510万円
(2WD)
532万円
(4WD)
中古車価格
(支払総額)
648万円
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サイズ(寸法・定員)比較

 
項目 ハイブリッド
乗車定員 8人乗り
全長(mm) 4995
全幅(mm) 1850
全高(mm) 1935
ホイールベース
(mm)
3000
トレッド(mm) フロント1600/リア1600[1605]
室内(mm) 室内長3005/室内幅1660/室内高1360
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※[ ]はE-Fourと呼ばれる4WD車の値です。

どのグレードを選ぶべき? 選び方を専門家に聞いてみた

最新世代(40系)のアルファードについては現在、中古車市場でもプラグインハイブリッド、ハイブリッド、ガソリンが選択でき、グレードとしては主にZグレードが流通しています。クルマ選びの専門家は、どのグレードをどんな人にすすめるでしょうか? また、その理由は? 渡辺陽一郎さんに聞きました。

カーライフ・ジャーナリスト 渡辺陽一郎

カーライフ・ジャーナリスト 渡辺陽一郎さんからのアドバイス

アルファードのパワーユニットは大きく分けて、2.5リッターの直列4気筒ガソリンエンジン、2.5リッターのハイブリッド、2.5リッターのプラグインハイブリッド(充電可能なハイブリッド。以下、PHEV)の3種類です。主要販売店は「2025年7月上旬時点で受注しているグレードはPHEVだけです」と述べています。ノーマルのガソリンエンジンとハイブリッドは、需要に生産が追いつかず、納期が遅延した結果、受注を停止しているという状況です。

対策としては、定額制カーリース(いわゆるサブスク)のKINTOがあります。最長で7年間にわたり、アルファードを使えます。ただしKINTOでは、リース期間を終えた時の買い取りができず、購入するのとは異なります。またKINTOでは、走行距離など使用に際しての制約も多く、違反するとリース期間終了時に精算が生じます。このように、借りていることを前提に大切に使う必要がありますが、より確実にアルファードを手にすることは可能です。

アルファードが本来の受注を再開する時期は未定ですが、購入可能になった時は、パワーユニットはハイブリッドを選びましょう。ノーマルガソリンエンジンに比べて燃費が良いだけでなく、モーター駆動の併用で動力性能が高く、ノイズも小さいために快適性にも優れています。

特に買い得なグレードは、ハイブリッドX・2WD(510万円)です。実用装備を充実させて、価格は割安に抑えられています。予算に余裕がある時は、内外装が上質で2列目シートの快適性も向上しているハイブリッドZ・2WD(635万円)にグレードアップするとよいでしょう。

一方、2025年7月上旬時点で受注している唯一のグレード、エグゼクティブラウンジ プラグインハイブリッド(1065万円)は価格が割高です。2列目シートが豪華な法人向けのエグゼクティブラウンジに、プラグインハイブリッドシステムと4WDシステム(E-Four)を組み合わせたことにより、価格が1000万円を超えました。それゆえ、一般的なグレードとはいえません。選ぶならハイブリッドXかハイブリッドZがよいでしょう。

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3.アルファードの年式別中古車相場


アルファードは中古車市場でも大変人気があり、リセールバリューの高い車種です。その結果、アルファードの中古車価格は、「新車価格と比べても大幅に安くはない」というレベルで推移しています。

この項では、「webCGの中古車検索」をもとに、新型40系アルファード(ハイブリッドおよびガソリン)の中古車相場を年式別に紹介します。年式ごとの、おおよその価格帯をご参照ください。(※支払総額の値や在庫数は、2025年6月現在のもの)

ハイブリッド

       
年式 中古車価格
(支払総額)
在庫数 リンク
2025年 648万円~1550万円 36件 中古車を探す
2024年 668万円~1297万円 203件 中古車を探す
2023年 649万円~1380万円 143件 中古車を探す

ガソリン

       
年式 中古車価格
(支払総額)
在庫数 リンク
2025年 592万円~910万円 56件 中古車を探す
2024年 589万円~1013万円 292件 中古車を探す
2023年 569万円~985万円 191件 中古車を探す


アルファードの中古車販売価格は、2023年以降の直近3年はやや高めになっていますが、それ以前は安くなる傾向がみられます。

4.アルファードの歴代モデル

以上、対象を最新世代のアルファードに絞ってその特徴をグレード別に紹介しましたが、これ以前に誕生した歴代アルファードはどれも、市場で大いに人気を集めた、魅力的なモデルです。在庫が多く、年代の古いものは価格も下落傾向にありますから、比較的安価に手に入れることができます。

それぞれ、どんなクルマだったのでしょうか。ここでは、2002年5月に発売された初代からの、アルファードの変遷をたどりつつ、各モデルの特徴を説明します。

初代アルファード・10系(2002年5月~2008年5月)

「グランビア」や「グランドハイエース」などの後継モデルとして、2002年5月に発売。「アルファード」という車名は、「星座のなかで最も明るい星を意味するギリシャ語のアルファ(alpha)に由来する造語」です。

エクステリアは最上級にふさわしいダイナミズムと存在感を表現したという堂々たるもので、「2+2+3」の7人乗りシートか、「2+3+3」の8人乗りシートが選択可能。いずれも2列目を回転させ3列目と対面させたり、全席を倒してフルフラットにしたり、3列目の2席を左右の壁に跳ね上げて荷室の拡大を図る「スペースアップ機能」が付いていたりと、多様なシートアレンジが自慢でした。

ボディーサイズは全長×全幅×全高=4800×(4WDは4845)×1805(同1830)×1935mmで、ホイールベースは2900mm。FFシャシーを採用したことにより低床化を実現したという室内サイズは3085×1585×1390mmと公表されていました。パワーユニットを2.4リッター直4エンジンと3リッターV6エンジンの2本立てとしたことが功を奏し(2003年には2.4リッター直4ベースのハイブリッドモデルも追加)、セールス面ではライバルに圧勝。Lクラスミニバントップの地位を築きました。

2代目アルファード・20系(2008年5月~2015年1月)

 

2008年5月、初のフルモデルチェンジにより登場。この2代目から、フロントデザインの異なる兄弟車「ヴェルファイア」が併売されるようになりました。

開発コンセプトは、「威風堂々 ミニバンの頂点へ」。初代の大ヒットの根拠となった「豪華さ」「広さ」をさらに強化しつつ、「燃費の悪さ」や「走行安定性の悪さ」といったネガを改善。正常進化が図られています。

ボディーサイズは(エアロパーツなしのFF車の場合で)初代よりも10mm長く、25mm幅広くなり、全長×全幅×全高=4850×1830×1890mm。ホイールベースは+50mmの2950mmに。ただし「コーナリングが不安定」という初代に対する評価を受けて、全高は45mm低められています。

室内サイズは3150×1585×1400mmで、乗車フォーメーションは初代と同じ「2+2+3」の7人乗り、または「2+3+3」の8人乗り。3列目シートがワンアクションで跳ね上げられるようになったのは、セリングポイントのひとつです。エンジンは2.4リッター直4と3.5リッターV6の2種類で、特に前者の燃費は初代から20%もアップするなど、環境性能の向上も図られました。安全装備の充実も2代目の特徴に挙げられます。

3代目アルファード・30系(2015年1月~2023年6月)

 

3代目アルファードは、「従来にない新しい高級車の概念を創造する」をテーマに開発され、2015年1月に発売されました。

押し出しの強いゴージャスで威厳のあるエクステリアにはさらに磨きがかかり、フロントまわりは大型のグリルで存在感を主張。サイドではホイールフレアの張り出しなどで躍動感と重厚感を、リアは威勢のよさが表現されました。

ボディーサイズは、標準ボディーのアルファードの場合で、全長×全幅×全高=4915×1850×1880mm。ホイールベースは2代目から50mm延長されて3000mmとなっています。

シートアレンジは3代目の大きなセリングポイントで、乗員の人数や荷物の量に対応して最適なモードを選ぶ自由度がアップ。例えば、ガソリン車の一部グレードで選べる助手席スーパーロングスライドシートは最大1160mmのスライド量を持ち、これまで2列目の領域とされていた位置まで移動させることが可能に。7人乗りのリラックスキャプテンシート(2列目)は、1本の操作レバーで前後方向と横方向のスライドができ、8人乗りの2列目シートには6:4分割のチップアップ機構が採用されました。最上級グレード「エグゼクティブラウンジ」が設定され、その2列目シートとして、特大サイズで快適装備も満載した「エグゼクティブラウンジシート」が装着されたのも大きなトピックです。

パワーユニットは2.5リッター直4エンジンと3.5リッターV6エンジン、さらに2.5リッターエンジンにモーターを組み合わせたハイブリッド車がラインナップされました。全車速追従機能付きのレーダークルーズコントロールや、ムービングビュー/シースルービューを備えたパノラミックビューモニター、本格的な自動駐車機能を実現したというインテリジェントパーキングアシスト2など、運転支援システムの充実ぶりも3代目の強みです。

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アルファード ハイブリッド(30系)の
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4代目アルファード・40系(2023年6月~)

 

2023年6月に発売されたのが、4代目=現行型のアルファード。開発テーマは「性能を世界基準に昇華させる」で、新しいプラットフォームを採用したうえで、静粛性や燃費、走りといった基本性能を向上させ、高級ミニバンならではの内外装デザイン、ゆとりの室内空間、優れた使い勝手を実現しています。

ボディーサイズは全長×全幅×全高=4995×1850×1935mm、ホイールベース=3000mmで、3代目からほぼ据え置き。一般的な機械式駐車場に収まるサイズを保ちつつ、平板になりがちなボディーサイドの意匠に抑揚を持たせ、力強く堂々としたスタイルを実現しています。

車内については、運転席と2列目シートの距離を5mm、2列目シートと3列目シートの距離を10mm、従来型よりそれぞれ拡大。左右のリアスライドドアに可動式の「ユニバーサルステップ」(ステップ高:220mm)を採用したり、ロングアシストグリップを設置したりと、乗降性の改善も図られました。

パワーユニットは、2.5リッター自然吸気エンジンのほか、2.5リッターエンジンがベースのハイブリッドを設定。2024年12月には、同じく2.5リッターのプラグインハイブリッドも設定されました。

運転支援システムはさらに進化し、ドライバーの操作を先読みしてステアリングの反力を変化させ、スムーズな走行をサポートする「プロアクティブドライビングアシスト」や、高速道路・自動車専用道路での安全運転をサポートする「アドバンストドライブ」を標準装備。エグゼクティブラウンジのハイブリッド車には、スマートフォンアプリによって車外から遠隔で駐車・出庫の操作ができる「アドバンストパーク(リモート機能付き)」も用意されています。

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5.新車・登録済未使用車・中古車の違い

今回のアルファードを含め、クルマを購入するにあたっては、新車/登録済未使用車/中古車のなかから選ぶことになります。それぞれのメリット・デメリットをよく知ったうえで、自ら希望する予算と納期、その他のこだわりポイントに応じて選ぶのがおすすめです。

       
項目 新車 登録未使用車 中古車
所有履歴 なし 登録のみされており実質未使用 過去に所有者あり
走行距離 ほぼ0km 数十km程度
(わずかな移動のみ)
数千km~数万km以上
仕様・装備の
自由度
高い
(自由に選択可能)
低い
(在庫車から選択)
低い
価格 高め 新車より安いのが一般的 程度に応じて安価になる
保証の内容 最大限のメーカー保証
が付帯できる
メーカー保証あり
(短い場合も)
状態による
(保証なしもあり)
納期 長期にわたることがある 登録済みのため比較的短い 即納可能な場合も多々ある

新車のメリット・デメリット

新車とは、つまり新品のこと。あなたが最初の注文者であり、メーカーの工場から手元に届くまで、まだ誰にも所有されていないクルマです。当然、走行距離は“ほぼ0km”。注文に際し、グレードやオプションを自由に選べるのが魅力です。特に値引きをされない限り、価格は高めになりますが、きれいなクルマに安心して長く乗りたい人にとっては、最も望ましい選択肢になります。

登録済未使用車のメリット・デメリット

登録済未使用車とは、その呼び名のとおり「(自動車検査登録制度上は)すでに登録されているが、ディーラーからエンドユーザーにはわたっておらず、まだ路上で使用されていないクルマ」です。つまり、走行距離もごくわずか。実質的に新車と同様の状態でありながら、価格が新車よりも安く設定される傾向にあるのが魅力です。デメリットとしては、すでにオーダー済みの車両であるため、オプションやボディーカラーの選択ができない点が挙げられます。

中古車のメリット・デメリット

過去にあなた以外の人が所有・使用していたクルマです。走行距離や年式、使用状態によって価格や品質に差が出てきます。なかには趣味性・希少性の観点から高価になっているものもありますが、基本的には新車や登録済未使用車に対しては安く、選択肢も豊富になります。ただし「使用済み」であるがゆえの劣化や故障のリスクは付きもの。購入に際しては、価格だけでなく、車両の状態や整備履歴をしっかり確認することが重要です。予算に合わせて、自らの知識や選択眼で賢く選びたい人に向いているといえるでしょう。

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6.新型アルファードに関するよくある質問

Q.アルファードの4代目(40系)と3代目(30系)の違い・進化のポイントは?

アルファードの4代目(40系、2023年~)は、新しいプラットフォームの採用によって、静粛性や燃費、走りといった基本性能を向上させたとうたわれるとおり、3代目(30系、2015年~)から大幅に進化しているといえます。

エクステリアデザインにおいては、ボディーサイズは3代目とほぼ同等ながら、平板になりがちなボディーサイドの意匠に抑揚をもたせることで、力強く堂々としたスタイルを実現。限られた寸法のなかで最大限の乗車空間を確保するべく、各部が設計されています。質感の点でも高級感が増し、後席の快適性がさらに向上しました。パワートレインも改良され、ハイブリッドは燃費性能と静粛性が向上。4代目にはプラグインハイブリッド車が設定されているというのも大きな違いです。

先進運転支援システムも「トヨタのミニバンとして最も充実している」といわれるほど強化されていて、グレードによっては、スマートフォンアプリによって車外から遠隔で駐車・出庫の操作ができる「アドバンストパーク(リモート機能付き)」や、高速道路・自動車専用道路での安全運転をサポートする「アドバンストドライブ」が標準で備わります。

Q.4代目(40系)アルファードには何年乗れますか?

4代目(40系)アルファードは、適切なメンテナンスを行えば10年から15年程度は安心して乗ることができるクルマです。もともとトヨタのクルマは耐久性に定評がありますが、特にアルファードのような高級ミニバンは品質も高く、日常的な点検やオイル交換、消耗品の交換などを定期的に行うことで、良好なコンディションを長く保つことができるようになります。

走行距離においても、20万kmを超えても走れる個体はあります。特にハイブリッドモデルは静粛性や燃費に優れる一方、バッテリーの寿命が気になるところですが、トヨタのハイブリッドシステムは信頼性が高く、10年以上問題なく使えるケースも多くみられます。日々の運転や保管環境にも左右されますが、丁寧に乗れば15年以上の長期使用も十分期待できる一台です。

Q.アルファード4代目(40系)を値引きする方法はありますか?

アルファードは2025年7月現在、需要に対して供給が追いついていない状況です。ディスカウントについては強引に要求することはせず、丁寧に交渉するのがベターでしょう。そのうえで考え得るノウハウは、以下のとおりです。

1.複数のディーラーを回る(販売店を競合させる)

自宅からアクセスできる範囲内に、複数のトヨタディーラーがありますか? 同じ車種でも別の店舗と価格に差が出ることがあるため、複数店舗で見積もりをとってもらうのは有効といえます。「他店では○万円引いてくれる話になりました」と事実を伝えることで、さらなる値引きの余地が生まれます。

2.決算期やボーナス時期を狙う

3月・9月(決算期)や6月・12月(ボーナス時期)は、販売ノルマ達成のため、売る側も値引きに応じやすくなるといえます。

3.下取り車を高く売る

ディーラーでの下取りは安く見積もられがちです。一括査定サービスや買取専門店で事前に査定をしておいて、下取り額を交渉の材料にするとよいでしょう。

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4.オプション付与というかたちでの値引き

本体価格の値引きが難しい場合、フロアマットやカーナビ、カーコーティングなどのオプションをサービスしてもらうという手もあります。販売する側にとっては、価格の値引きよりは応じやすい、という面があります。

5.ローン・保険の契約を含め値引き交渉を行う

販売店によっては、ローン契約や自動車保険の加入を条件に、値引き幅を拡大するケースもあります。

7.まとめ

  • トヨタの最上級ミニバンであるアルファードは、2023年に発売された4代目が最新世代にあたり、先代に続き、新車・中古車ともに人気を集めている。
  • 4代目アルファードでは、パワーユニットは2.5リッターの直列4気筒ガソリンエンジン、2.5リッターハイブリッド、2.5リッタープラグインハイブリッドの3種類が選択可能。車内の仕様でみれば、主に2列目シートの違い(エグゼクティブラウンジシート、エグゼクティブパワーシート、6:4分割チップアップシート)から3タイプが選べる。
  • このように選択肢の多いモデルであるため、自身のニーズに合った仕様の見定めが重要といえる。人気車種であるため“売り手市場”になってはいるが、複数店舗で交渉したり、購入時期を調整したりすることで、値引きも期待できる。

威風堂々のラージサイズミニバンのなかで、圧倒的な存在感と人気を誇るトヨタ・アルファード。新車・中古車ともに人気は高めですが、それだけに、先代モデルも含めて中古車の流通量は豊富で、新車も含めれば非常に多くの選択肢があるといえます。ぜひ、上記の情報をご参考のうえ、ご自身に合った一台を見つけてください。

渡辺 陽一郎
渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年間務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向した。「読者の皆さまにけがを負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。特にクルマには、交通事故を発生させる甚大な欠点がある。今はボディーが大きく、後方視界の悪い車種も増えており、必ずしも安全性が向上したとは限らない。常にメーカーや行政と対峙(たいじ)する心を忘れず、お客さまの不利益になることは、迅速かつ正確に報道せねばならない。 従って執筆の対象も、試乗記をはじめとする車両の紹介、メカニズムや装備の解説、価格やグレード構成、買い得な車種やグレードの見分け方、リセールバリュー、値引き、保険、税金、取り締まりなど、カーライフに関する全般の事柄に及ぶ。クルマ好きの視点から、ヒストリー関連の執筆も手がけている。

webCG 編集部
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1962年創刊の自動車専門誌『CAR GRAPHIC』のインターネットサイトとして、1998年6月にオープンした『webCG』。ニューモデル情報はもちろん、プロフェッショナルによる試乗記やクルマにまつわる読み物など、クルマ好きに向けて日々情報を発信中です。