ブリヂストンのSUV用タイヤ「ALENZA LX100」「ALENZA 001」の違いをチェックする
今こそ“SUV専用設計” 2025.04.03 BRIDGESTONE ALENZAが示すSUV専用設計タイヤの真価<AD> ブリヂストンのオンロード向けSUV専用設計タイヤ「ALENZA(アレンザ)」。その2製品である、コンフォートな「アレンザLX100」とスポーティーな「アレンザ001」を乗り比べる機会を得た。両者の違いと、今こそ「SUVのためのタイヤ」が求められる理由をリポートする。オンロードでのSUVの走りにフォーカス
SUVがかつてのセダンのように市民権を得た今では、その大多数は、SUVでありながらもオンロード系の車種が占めている。タイヤメーカーのリーディングカンパニーであるブリヂストンは、それに合わせるように、SUV向けのアレンザというブランドにおいて、2種類のタイヤをリリースしている。ひとつはコンフォート性能を重視したアレンザLX100。もうひとつはスポーツ性能を狙うアレンザ001である。「味はバターで決まる」というどこかのフレーズじゃないが、「走りはタイヤで決まる」ということなのだろう。
今回はそんな2種類のタイヤを、同じ日に同じクルマ、そして同じコースで試すことになった。パートナーとなる車両は「ジープ・グランドチェロキー リミテッド」。車両重量は2090kg。前軸重1150kg、後軸重940kg。足まわりはエアサスペンションではなくコイルスプリングを採用しているタイプだ。タイヤサイズは265/60R18 110Vを使う。割と引き締まったセッティングが施されているこのクルマ、果たしてどんな乗り味に変化するのかが楽しみだ。
まず試すことになったのは、コンフォート性重視のアレンザLX100だ。トレッドパターンを見ると、リブの部分に連続して穴が開けられ、それが細い溝で縦方向の主溝とつながっているのがわかるだろう。そもそも縦溝を持つタイヤは、地面と接する部分で気柱管共鳴音が発生してしまう。それを排除するように設置されたのが、この「ダブルブランチ型消音器」と呼ばれる構造で、溝のなかで鳴る共鳴音を抑える効果があるのだ。また、「シークレットグルーブ」と呼ばれるゴムが減ってきてから出現する溝によって、摩耗後も高周波ノイズを抑制しようとしている。
いっぽうで走りにも気を配っており、非対称パターンを採用してアウト側のブロック剛性を確保したり、サイドウォールにSUV専用のチューニングを施したりすることで、高い荷重がかかってもフラつかないように設計している。
→ブリヂストンの「アレンザLX100」と「アレンザ001」のより詳しい情報はこちら
→ブリヂストン タイヤオンラインストアはこちら
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
快適さとしっかり感を高次元で両立
横浜の赤レンガ倉庫から走りだすと、そこでまず感じたのは石畳の路面を上手にいなすマナーのよさだった。“当たり”が柔らかい感覚はかなり心地よく、それは表通りのアスファルト路に出ても印象は変わらない。滑らかさが際立つこの感覚がファンのハートをつかむのだろう。人気が高いのもうなずけるところだ。市街地メインで使うユーザーの方々であれば、間違いなくコチラがおすすめだ。
首都高速に乗り、わだちや横風といった外乱が多い状況を試していく。ステアリングの応答はかなり穏やかで、肩肘張らずに乗れる感覚だ。路面の継ぎ目の突起もうまく吸収し、いつまでも動きが残るようなことがないのも好感触。外乱を受けたとしてもフラつかず、絶妙なサジ加減だ。まるでスキーブーツからスニーカーに履き替えたときのような軽やかさで、これならエアサスだっていらないかもしれない。それでいて、重量級の車体をしっかりと支えて、真っすぐ走るところはさすがだ。
いっぽうのアレンザ001は、アレンザLX100と比べるとかなり剛性が高そうに見える。特に4本の溝に挟まれるリブは、剛性調整の溝などは刻まれているものの、LX100では太く深く刻まれていた消音器は存在しない。細かく刻まれる「3D-M字サイプ」は、制動時のブロックの倒れ込みを抑制することでライフ性能を伸ばしている。また、リブ端部の角を丸めた「マルチラウンドブロック」が、リブ中央部の接地圧を高めるとともに、接地面形状を最適化している。さらにブロックの角を丸めることで、制動時におけるエッジの巻き込みを防ぎ、フラットな接地も実現しているという。スポーツ性重視というコンセプトは見た目からも伝わってくる。
先ほどと同じように赤レンガ倉庫から走りだすと、アレンザLX100と比べて明らかに硬質なタイヤであることがうかがえる。ただ、ガチガチのスポーツタイヤというわけじゃない。入力を瞬時に収めるタイプであり、表通りに出てマンホールなどを乗り越えても、イヤな感覚はそれほどない。
→ブリヂストンの「アレンザLX100」と「アレンザ001」のより詳しい情報はこちら
→ブリヂストン タイヤオンラインストアはこちら
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
SUV専用設計のタイヤが求められる理由
首都高速に乗ってスピードレンジが高まってくると、いよいよアレンザ001の真骨頂といえる領域に入ってくる。ステアリングには小さな操舵角からしっかりとした手応えが感じられ、ジャンクションなどの長く続くコーナリングでも、狙ったラインに目がけて一発で進入できる明確なフィールが得られるところが最高だ。結果としてワインディングロードが続く横羽線などが楽しくなってくる。また直進安定性もかなり高く、ステアリングの据わりがいい。これならロングドライブでも疲れるようなことはないだろう。ハイスピード&ロングドライブを主体に考えるユーザーなら、コチラがおすすめだ。
このように、同じクルマ、同じ環境で2種類のタイヤを比較してみると、その性格の違いがはっきりと感じられる。やはり「走りはタイヤで決まる」のだ。だからこそタイヤ選びはおざなりにせず、しっかりと見極めて選んでほしい。
SUVはただでさえ大柄で重く、重心も高い傾向がある。さらに近年では、複雑な機構を持つハイブリッドや、重いバッテリーを搭載する電気自動車のSUVも珍しい存在ではなくなってきた。結果として2t超えはおろか、なかには3tに手が届きそうなものまで存在するようになった。そこに多人数で乗車してとなれば、重量はさらに増すわけだ。事実、今回のグランドチェロキー リミテッドも、総重量は2365kgに達する。気軽に乗れるSUVということでついつい忘れがちな重量問題。けれども今日では、それだけ重たいクルマを多くのドライバーが動かしており、それが当たり前のことになってきているのだ。だからこそ、路面と唯一接地しているタイヤをおろそかにしてはならない。最後の最後に守ってくれるのは、SUVのことをきちんと考えてくれているアレンザのようなタイヤなのだから。
(文=橋本洋平/写真=郡大二郎/車両協力=ステランティス ジャパン)
→(関連記事)SUV専用設計プレミアムタイヤ「BRIDGESTONE ALENZA LX100」の真価
→ブリヂストンの「アレンザLX100」と「アレンザ001」のより詳しい情報はこちら
→ブリヂストン タイヤオンラインストアはこちら
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
車両データ
ジープ・グランドチェロキー リミテッド
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4900×1980×1810mm
ホイールベース:2965mm
車重:2090kg
駆動方式:4WD
エンジン:2リッター直4 DOHC 16バルブ ターボ
トランスミッション:8段AT
最高出力:272PS(200kW)/5250rpm
最大トルク:400N・m(40.8kgf・m)/3000rpm
タイヤ(1):(前)265/60R18 110V/(後)265/60R18 110V(ブリヂストン・アレンザLX100)
タイヤ(2):(前)265/60R18 110V/(後)265/60R18 110V(ブリヂストン・アレンザ001)
燃費:--km/リッター
価格:830万円