オーディオ評論家・土方久明が体験した「DUNLOP SPORT MAXX LUX」がもたらす静寂
より豊かに音楽をたのしむために 2025.05.19 「DUNLOP SPORT MAXX LUX」で完成する理想のリスニングルーム<AD> 上質なタイヤは、音楽体験をも豊かにする――。ダンロップの新しいプレミアムコンフォートタイヤ「SPORT MAXX LUX(スポーツマックス ラックス)」。優れた静粛性とドライバビリティーが実現する質の高いリスニング環境を、デジタルオーディオ界の第一人者である土方久明氏が体験した。タイヤの質がリスニング環境を左右する
普段、オーディオ評論をなりわいにしている僕だが、もともとオーディオと同じくらい好きなのがクルマだ。その縁で、春から秋にかけて日本各地で開かれるアフターマーケットのカーオーディオコンテストで審査員を務めることもあり、われながら「カーオーディオの音にはかなりうるさいほう」である。
そんな僕が、クルマでいい音をたのしむために欠かせないと思っているのが、「車内の静寂感を確保すること」だ。エンジンやシャシー、ボディーはもちろん、高速で回転し、路面と唯一触れ合うタイヤの特性は、車内の静粛性を大きく左右する。タイヤのトレッドパターン、すなわち接地面に彫られた溝の空気が「パターンノイズ」を発生し、また路面の入力がタイヤを介して車内に伝わり、これが「ロードノイズ」となる。
これらのノイズを抑え、車内の静粛性を保つ観点で注目したいのが、2025年2月に住友ゴムが発売した、ダンロップのスポーツマックス ラックスだ。
操縦安定性に優れたフラッグシップブランド「SPORT MAXX(スポーツマックス)」から、低燃費を狙った「ENASAVE(エナセーブ)」まで、ダンロップのラインナップはとにかく幅広い。 そんななかで登場したスポーツマックス ラックスは、“プレミアムコンフォート”というコンセプトを掲げている。名前のとおり、パフォーマンス重視の「スポーツマックス」シリーズに属しながらも、車内の快適性、つまりコンフォート性もちゃんと狙っているという。そんなおいしい話、本当に実現できているのか?
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走りをあきらめず、静かさに妥協せず
カタログや報道資料をじっくり見てみると、車内の静粛性と走りのパフォーマンスという、両立がむずかしい要素をともに実現するため、さまざまな技術が投入されている。
まず一般的なタイヤのトレッド面を見ると、センターの膨らんだ丸みを帯びた形状をしている。対してスポーツマックス ラックスは、他のスポーツマックスのタイヤと同じ特殊なプロファイル(タイヤの断面形状)を用いることで、トレッド面をフラット化。接地面積を増やしてタイヤにしっかり路面をつかませ、ハンドル操作への反応をグッと高めている。大前提として、ドライブのしやすさを確保しているのだ。
そのうえで、車内の高い静粛性を実現するのが、「サイレントウェーブテクノロジー」と称される3つの技術である。 1つ目は、ブロックと溝の配置を最適化して、周期的な音の発生を抑える「シームレスグルーブ」。2つ目は、溝の内部に小さなギザギザの突起を設け、空気の流れをかき乱してノイズを減らす「デュアルスロープ」。そして3つ目は、タイヤの内側に装着される特殊な吸音スポンジ「サイレントコア」だ。
スポーツマックス ラックスは、これらの仕掛けで静粛性をグッと高めつつ、上述した特殊プロファイルによる優れたドライバビリティーとの合わせ技で、リラックスしながら音楽をたのしめる環境を実現しているのだ。
今回の試乗車は、前:245/40R20 99W XL、後ろ:275/35R20 102W XLサイズのスポーツマックス ラックスを履かせた「メルセデス・ベンツE300エクスクルーシブ」。2リッター直4ターボのガソリンエンジンに補助モーターを組み合わせた、マイルドハイブリッドモデルだ。オーディオには、1978年にドイツで誕生したハイエンドオーディオブランド「Burmester(ブルメスター)」のサラウンドサウンドシステムを標準で搭載している。
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音楽をクリアに聴かせる高い静粛性
「iPhone 16 Pro」をApple CarPlayで接続して、まずは一般道から試乗をスタート。集合場所の東京臨海広域防災公園から公道へ出る。ほんの数十メートル走っただけで、僕は息をのんだ。これまで覚えたことがないほどの静寂感がある。
2025年3月7日にリリースされたレディー・ガガのアルバム『Mayhem(メイヘム)』を再生したが、オーディオ用語でいうなら「S/N(シグナル/ノイズ)が高く、ノイズフロアが低い」状態で、シンセサイザーやボーカルの細かなニュアンスがロードノイズに埋もれない。ディスコやファンクのエッセンスが感じられるこのアルバムの魅力が、ビシビシ伝わってくる。
そのまま国道357号線へ。スピードレンジが50~60km/hにアップしても、路面のコンディションが刻々と変わっても、タイヤからのノイズはしっかりと抑えられている。信号で減速すると、回生ブレーキのわずかな作動音すらクリアに聞き取れるほどの静かさだ。では高速域ではどうだろう?
首都高速湾岸線へ出ると交通量は少なく、スムーズにクルージングできる。ここでは、『パイレーツ・オブ・カリビアン』などの映画音楽を手がけるハンス・ジマーの楽曲をオーケストラで表現した、『The World of Hans Zimmer - Part II』を再生した。速度が上がっても、音楽がタイヤからのノイズに負けない! 「これはいい」と思わず口に出た。車内が静かだと、オーディオのボリュームを無理に上げなくてもいいし、その状態でも、つくり手が僕たちに聴かせようとしていた壮大な音楽が、しっかりと聴こえてくる。またブルメスターならではの艶(つや)やかな音色と色彩感も、騒音に邪魔されず、車内でクリアに再現されている。
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理想のリスニングルームを完成させる最後のピース
レインボーブリッジを渡り、首都高速環状線の外回りへ。ここではスポーツマックス ラックスのハンドリング性能に感嘆した。「音楽の聴き心地に関するレビューで、ハンドリング?」と思う人もいるかもしれないが、これもカーオーディオのリスニング環境を構成する、大事な要素だ。操縦がままならない、あるいは神経質すぎるクルマでは、ドライバーは肩の力が抜けず、到底リラックスして音楽をたのしむことなどできないだろう。
この点でもスポーツマックス ラックスは快適で、まず細かいハンドル操作を必要とせずにレーンチェンジが可能。汐留トンネル先にある左右の連続コーナーでも、視線を向けた先の理想的なラインを、一回のハンドル操作でトレースできる。サイドウォールの剛性とグリップ力のバランスにも優れているようで、E300のような電子制御サスペンション搭載車との相性も、かなりいい印象だ。ピッチングやローリングなどの荷重コントロールに対する初期反応もよく、「自分の運転がうまくなった」と思わせてくれるタイヤでもあった。
クルマのドアを開けて乗り込み、走りだした瞬間から、そこは完全に自分(たち)だけのパーソナルな空間になる。そんな空間でいい音で音楽をたのしめたなら、仕事の疲れも街の喧騒(けんそう)も全部忘れて、リラックスできるだろう。大切な人との会話も、きっと弾むはずだ。
ダンロップが送り出したスポーツマックス ラックス──走りと静かさを両立させたこのタイヤは、まさに走行中の音楽体験を次のステージへ引き上げてくれる存在といえるだろう。
(文=土方久明/写真=郡大二郎/車両協力=メルセデス・ベンツ日本)
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車両データ
メルセデス・ベンツE300エクスクルーシブ
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4980×1880×1465mm
ホイールベース:2960mm
車重:1880kg
駆動方式:FR
エンジン:2リッター直4 DOHC 16バルブ ターボ
モーター:交流同期電動機
トランスミッション:9段AT
エンジン最高出力:258PS(190kW)/5800rpm
エンジン最大トルク:400N・m(40.8kgf・m)/2000-3200rpm
モーター最高出力:23PS(17kW)/1500-3000rpm
モーター最大トルク:205N・m(20.9kgf・m)/0-750rpm
タイヤ:(前)245/40R20 99W XL/(後)275/35R20 102W XL(ダンロップ・スポーツマックス ラックス)
燃費:14.0km/リッター(WLTCモード)
価格:1135万円