トヨタ・カローラ スパシオ 1.5X“Gエディション”(FF/4AT)【ブリーフテスト】
トヨタ・カローラ スパシオ 1.5X“Gエディション”(FF/4AT) 2003.07.08 試乗記 ……195.3万円 総合評価……★★★ カローラをベースに、「3列シート7人乗り」を実現したジャパニーズミニバン「スパシオ」。フェイスリフトを受け、足まわりをリファインされたマイチェンモデルに、CG編集局長阪和明が乗った。“ウォーキングシューズ”の割り切り
ほぼ全般にわたり“ソツなく”つくられている2ボックス型コンパクトカー。デビューから2年が経過した2003年4月、マイナーチェンジを受けたものの、本質的な評価に変わりはない。とはいえ、乗り心地が向上するなど、中身の充実ぶりが光る。家族用の移動手段として、また車両本体価格約160万円のクルマとしてとらえれば、納得のいく仕上りをみせる。スポーティでもラクシャリーでもないし、べつだん走らせていて心ときめくこともない。けれど“ウォーキングシューズ”と割り切れば、エンジニアやデザイナーの工夫と知恵の詰まった、なかなか使い勝手のよいクルマである。幼稚園年長組から小学3〜4年生あたりの、お子さんがいる家族には歓迎されそう。
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【概要】どんなクルマ?
(シリーズ概要)
「スパシオ」は、「カローラ」ベースのコンパクトミニバン。2人乗りの前席、3人がけの2列目シートに加え、2人が座れる格納式の3列目シートにより7人乗りを実現した。現行モデルは、2代目。2003年4月にマイナーチェンジが施された。1.5リッターと1.8リッターモデルの2種類があり、1.8リッターモデルはFF(前輪駆動)に加えて、4WD仕様も設定される。トランスミッションは、4段ATのみ。
マイナーチェンジの眼目は、外装の変更や環境性能の向上などで、エクステリアに、グリルとバンパーを一体化した新しいフロントマスクや、LEDのリアコンビネーションランプなどを採用。さらに、全車「超ー低排出ガス車」をパスするとともに、1.5リッターモデルは、平成22年燃費基準を達成し、グリーン税制の優遇措置を受けることができる。
(グレード概要)
スパシオは、ベーシックな「X」グレード、豪華装備の「X“Gパッケージ”」、スポーティな「Sエアロツアラー」の3種類で構成される。テスト車の1.5リッター「X“Gパッケージ”」は、車載情報端末「G-BOOK」対応DVDナビゲーションシステムと、見通しの悪い交差点などで左右を表示する「ブラインドコーナーモニター」がオプション設定(Xグレードを除く)されたことが新しい。
【室内&荷室空間】乗ってみると?
(インパネ+装備)……★★★
目新しさはないが、奥行きのあるインストルメントパネルは嫌味のないデザインだ。中央にはオプション装備の“G-BOOK対応DVDボイスナビゲーション付ワイドマルチAVステーション”と呼ばれる、カーナビとオーディオ一体型システムがでんと居座る。スイッチやボタン類のレイアウトは、けっして煩雑じゃない。小物入れが豊富なことも嬉しい点。インパネ上面に仕込まれた蓋付き小物入れ、同じインパネ両サイドのカップホルダー、ナビ/オーディオ両脇のポケット、グローブボックスの上にあるトレイ、シートクッション下の引き出し、それにドアポケットと、収納場所に困ることはなさそうだ。オートエアコン、ワンタッチでも開閉できるパワーウィンドゥ、電動格納調整式ドアミラー、チルト式ステアリングホイール、運転席側アームレスト等々の装備もひととおり揃う。
(前席)……★★★
モケット張りのシート座面はやや高い。乗り降りするにはちょうど具合のいい高さであり、同時にそれは視界のよさにも貢献する。ノーズがスラントしているためボンネット先端を確認できないとはいえ、目線が高いことで取りまわしは楽だ。座面は高くとも天井も高いから、ドライバーの頭上にはかなり余裕がある。さすがに全高が1.6mを超えるだけのことはある。
(2列目シート)……★★★
リアシートに座ってまず驚かされるのが、足元の余裕である。非常に広々としており、前席のシートバックと膝との間には縦にしたコブシが3つ分入る(前後に身長約170cmの乗員が座った場合)。着座位置は高く個人的にはあまり落ち着かないが、ドライブの途中で景色を楽しみたい子供には喜ばれそうだ。ヘッドルームは前席ほどではないにしても、不満のないレベルにある。一応3人座れるが、中央部分は幅が狭いのであくまで子供用か小柄な人向けと考えるか、パタンと前に倒して簡易テーブルとして使ったほうがいい。
(3列目シート)……★
まったくのオケージョナルユース。普段は畳まれて、荷室フロアとして使われる。非常時に引き出されて使われるわけだが、その場合、ラゲッジルームに積まれたモノを、ほとんどすべて降ろす必要がある。
(荷室)……★★★
コンパクトカーとしては文句のない空間がある。日常生活ではもちろんのこと、家族4人で小旅行する際にも困らないだけの広さだろう。床は高いが、背の高いクルマなので天地の余裕は充分だ。床が高いのは、そこに“緊急用”とでもいうべきサードシートが隠されているからだ。もちろん、分割式のリアシートを畳めば広大な荷室を確保できる。
【ドライブフィール】運転すると?
(エンジン+トランスミション)……★★
1.5リッター4気筒はスムーズにまわるが、たいしてトルクはない。平坦路ではそこそこ走るが、上り勾配だと非力な印象はぬぐえない。どうしても低めのギアを使わざるをえず、したがってうるさい。もっともこれは、このクルマをどうとらえるかで話は異なってくる。べつに遅いわけではないし、オカーサンが子供を乗せて買い物に出かけるには、このくらいの動力性能でもいい。私自身はまったく痛痒を感じなかった。4段ATのレシオもエンジンにマッチしているし、“インパネ”シフトの使い心地も悪くない。
(乗り心地+ハンドリング)……★★★
びっくりしたのが、乗り心地のいいところ。マイナーチェンジ前に比較するとかなり洗練されている。段差を乗り越えたときの突き上げがうまく抑えられているばかりか、全体にソフトで快適な乗り心地を提供してくれる。ダンパーの改良が大きなポイントらしい。うねった路面ではわずかにピッチングが顔を覗かせるとはいえ、ひとクラス上の乗り心地を実現している。ロールは大きく、また電動パワーステアリングはスローで軽すぎる感触ながら、普通に走らせるぶんには問題ない。そもそもスパシオはワインディングロードをがんがん攻めるクルマではないから、これで充分と感じた。
(文=阪和明CG編集局長/写真=峰昌宏/2003年6月)
【テストデータ】
報告者:阪和明CG編集局長
テスト日:2003年6月3日〜4日
テスト車の形態:広報車
テスト車の年式:2003年型
テスト車の走行距離:1250km
タイヤ:(前)185/70R14 88S/(後)同じ
オプション装備:G-BOOK対応DVDボイスナビゲーション付きワイドマルチAVステーション(6.5型液晶ワイドマルチディスプレイ+CD+MD一体AM/FMマルチ電子チューナー付きラジオ+TV+6スピーカー)+ガラスアンテナ(ダイバシティ&TV用)(25.6万円)/ブラインドコーナーモニター(2.0万円)/SRSサイドエアバッグ(3.0万円)
形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(3):高速道路(5):山岳路(2)
テスト距離:361.1km
使用燃料:26.7リッター
参考燃費:13.5km/リッター

阪 和明
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