ハチロクの再来?「アルテッツァ」に乗る

1998.12.28 自動車ニュース
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ハチロクの再来?「アルテッツァ」に乗る(12/28)

1998年のカーオブサイヤー受賞車となった「トヨタ・アルテッツァ」に試乗した。2リッターFRのコンパクトなスポーツセダンだ。

1998年10月30日に発売された「トヨタ・アルテッツァ」は、「ドライビングそのものを楽しむこと」を念頭に開発されたという、後輪駆動のスポーツセダンだ。エンジンは自然吸気の2リッターDOHCで、210ps(AT仕様は200ps)を発生する直4の3S-GE型と、直6で160psの1G-FE型が用意されている。4気筒版には6MTかステアシフトマチックつき5ATが組み合わされ、6気筒版は4ATのみの設定となっている。

今回、試乗してみたのはもっともスポーティな設定の「アルテッツァRS200Zエディション」の6段MT仕様である(250.0万円)。全長4400mmの比較的コンパクトなボディサイズにもかかわらず、室内には大人4人分のスペースが十分に確保されている(定員は5名)。運転席は着座位置が低く、バケットタイプのシートに座ると、目の前に「クロノグラフをイメージした」というメーターが控えている。「特別なスポーツセダン」という雰囲気ははそれなりに出ているが、33歳の筆者には、デザインの趣味がどうも子供っぽく感じられた。

走り出してみるとまず、乗り心地が意外によいので驚いた。自然吸気で210ps、22.0kgmの出力を誇り、ZR規格の偏平率45のタイヤを履くクルマであるにもかかわらず、町中や低中速域での乗り心地はしなやかで硬すぎない。高速道路に入ってもその印象は変わらず、目路段差を越えたショックなども上手に吸収して不快感を残さない。

エンジンは高回転型で、低回転域のトルクの細さが気になるものの、回せば4000rpmあたりからトップエンドまでモリモリとパワーが出てくるタイプだ。ゆえに常に高回転をキープして走りたくなる。その特性に呼応するように、6段MTはギア比が低い加速重視型で、とくに4、5、6速がかなり接近している。それゆえ、高速道路でも頻繁にシフトを繰り返してキビキビと飛ばすのが心地よい。

「アルテッツァ」の楽しさがいちばん発揮されるのは、一般道ならやはり峠道だろう。ハンドリングは素直で不自然なクセがなく、ハンドルやブレーキ、アクセル操作による挙動の変化がとてもわかりやすい。ただ、思ったよりもダンパーやブッシュが乗り心地よりのソフトな状態に設定されているせいか、路面が荒れたコーナーではダンピングがやや不足気味になるのが気になった。

しかし「アルテッツァ」はスポーツドライビングのための「ベース車両」というべきクルマである。サスペンションの設定などはむしろ、オーナーの好みに応じて変更できるような余地を残しているのかもしれない。そんなところも含めて、「アルテッツァ」はドアが4枚になって帰ってきたAE86なのか、という感じがした。

「アルテッツァ」はたしかに、完成度の高いスポーツサルーンであった。でもスバル・インプレッサやマツダ・ロードスターに感じれられるような、エンスー心を熱くさせる「なにか」が欠けている気がするのはなぜだろう。(Web CG スヤマ)

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