イギリスメーカーのブース紹介【ジュネーブショー2012】

2012.03.09 自動車ニュース
ベントレーのコンセプトカー「EXP 9 F」。
今年のイギリスブランドはちょっと違う!【ジュネーブショー2012】

【ジュネーブショー2012】プレスの注目度満点、イギリス車ブース

2012年3月6日のプレスデイで開幕したジュネーブモーターショー。今や、コーチビルダーの類い以外は外国資本メーカーばかりになってしまったイギリスブランドのニューモデルを紹介する。

■ダントツの注目度はベントレーのSUV

フォルクスワーゲン傘下に入ったベントレーや、BMWで生き延びるロールス・ロイスをはじめ、イギリスブランドは伝統の老舗らしいこぢんまりとしたところが多く、年に数回行われる大規模なモーターショーごとにド派手なニューモデルを披露することは厳しい。ましてや、自動車大帝国のドイツが怒涛(どとう)の新車攻勢をかけるなかでは、彼らの陰に隠れてしまうことも少なくない。しかし、今年は違った。主要なイギリスブランドのニューモデルやコンセプトカーがひな壇を飾り、プレスの注目度も良好。大英自動車帝国復活! というほどの大風呂敷なものではなかったものの「イギリスもまんざらでもないじゃん」くらいの存在感を見せ付けていた。

そのなかでダントツの注目度と集客力を誇ったのは、ベントレーが発表したコンセプトカー「EXP 9 F」である。人の数だけでみれば、奇抜なスタイルで客を引き寄せたランボルギーニや、ブースを詣でること自体に意味があるフェラーリをも上回り、今回のショーのトップだと思う。
プレスデイにもかかわらず、視察に来ている部品メーカーの開発者やベントレーの上客、さらにどこからパスを手に入れたのか知りたくなる子連れを含め、クルマのまわりには常に人、人、人で、取材するのが困難なほどだった。

このクルマが狙うのはもちろん「ポルシェ・カイエン」が開拓した富裕層SUVマーケットだ。カイエン以前はブランドイメージを崩しかねないということで、高級車やスーパースポーツカーブランドが二の足を踏んでいたものの、カイエンの成功で一気に情勢が変わった。中国市場でも人気のあるカテゴリーゆえに、“平べったいクルマ”しかないランボルギーニですら、参入を画策しているくらいの注目マーケットである。ベントレーもその頂点として、しっかりもうけようというわけだ。

クラシカルなイギリス車の雰囲気にベントレーテイストが加わった、落ち着いているのか、派手なのかイマイチつかみ所のないスタイリングはともかく、お手軽に作ろうと思えばグループ内の「アウディQ7」あたりのプラットフォームを用いることで、2、3年内に発売することは難しくないだろう。「Q7」には6リッターのV12気筒ディーゼルターボもあるので、600psを誇るベントレーの6リッターW12ガソリンユニットも難なく収められるはずだ。

「ジャガー XFスポーツブレーク」
「ジャガー XFスポーツブレーク」
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■ジャガーはワゴンモデルで勝負

アメリカのフォードを離れ、インドのタタ傘下に入ったジャガー&ランドローバー。今のところ、インドを代表する大企業との関係は良好なようで、業績も順調に伸びている。今回のジュネーブショーで彼らはジャガーが今後のキーとなるニューモデルを、またランドローバーはブランドの勢いに弾みをつけそうなコンセプトカーを持ち込んだ。

ジャガーがお披露目したのは「XF」のステーションワゴンとなる「XFスポーツブレーク」。XFをベースにボディー後半を変更することでワゴンにしたものである。プレミアムブランドでワゴンは必須アイテムだが、ジャガーはそこに食い込めていない。ベースモデルの方に問題があったのかもしれないが、「Xタイプ」では成功することがかなわなかったカテゴリーだ。仮にXFスポーツブレークでもブレークできなければ、今後のワゴン戦略の見直しを迫られることになるだろう。斬新なデザインの「XFセダン」や「XJ」と比べると結構コンサバなスタイルにまとめられている。

「ランドローバー・レンジローバー イヴォーク コンバーチブル」
「ランドローバー・レンジローバー イヴォーク コンバーチブル」

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「ロールス・ロイス ファントム」
「ロールス・ロイス ファントム」

■市販化願う「イヴォーク コンバーチブル」

ランドローバーは、コンパクトSUV「レンジローバー イヴォーク」のオープンカーである「イヴォーク コンバーチブル」を公開した。SUVのオープンモデルは「日産ムラーノ」には存在するが、プレミアム系としては初といえる。実直さがウリのランドローバーだが、その反面、プレミアムブランドとしては派手さもまた同じくらい大事だったりする。イヴォーク コンバーチブルはまさにそこを強化するモデル。屋根を取り払っても魅力的なスタイリングにかげりは見えない。公式コメントでは市販化はショーでの反応次第ということだが、ぜひとも登場を願う一台である。

このほか、ロールス・ロイスが最上級モデルの「ファントム」の大幅なマイナーチェンジモデルを発表。2013年に生まれ変わることを宣言しているロータスは大きなニューモデルこそなかったが、プレスカンファレンスに2012年にロータスからF1復帰するキミ・ライコネンを呼び、話題作りに余念がなかった。

(文と写真=新井一樹)

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