中国ではどんなクルマが売れている?【北京ショー2014】

2014.04.22 自動車ニュース
北京の天安門前で。アメリカ、日本、ドイツ、韓国とさまざまな国のクルマが走って行く。
北京の天安門前で。アメリカ、日本、ドイツ、韓国とさまざまな国のクルマが走って行く。

【北京ショー2014】中国ではどんなクルマが売れている?

世界最大の自動車市場となった中国で、一番売れている乗用車は何? 乗用車販売におけるセダンとハッチバックの比率はどれくらい? 北京モーターショーを見る上で知っておくと役に立つ「中国市場の今」をまとめてみた。

<グラフ>「中国の新車販売台数」(クリックすると拡大されます)
<グラフ>「中国の新車販売台数」(クリックすると拡大されます)

■市場規模は10年で5倍に

webCG読者の皆さんは、中国がすでに世界最大の自動車市場であることはご存じだろう。しかし、実際に現地でどんなクルマが売れているかを知っている方は少ないのではないだろうか。

2013年の中国の新車販売台数は実に2198万台。2位のアメリカ(1560万台)の1.4倍、3位の日本(537万台)の4倍というダントツの巨大市場である。しかも、2003年の440万台から10年間で5倍増という急成長ぶりだ(左のグラフ参照)。

とはいえ、メーカー各社のクルマが市場の成長に伴って一様に販売を伸ばしているわけではない。中国のモータリゼーションは所得水準が高い沿海部の大都市から始まり、内陸の都市や地方の農村部へと広がり続けている。モータリゼーションが早く始まった大都市と最近始まった農村部では、所得水準もライフスタイルも大きく違う。当然ながら売れ筋のクルマも異なるのである。

<表>「中国の車種別乗用車販売台数トップ10(2013年)」(クリックすると拡大されます)
<表>「中国の車種別乗用車販売台数トップ10(2013年)」(クリックすると拡大されます)
上海GM五菱の小型ワゴン「五菱宏光」。
上海GM五菱の小型ワゴン「五菱宏光」。

■販売ランキングトップは農村向けミニバン

前置きが長くなったのは、2013年の乗用車の販売台数ランキング(左表参照)で意外なクルマが首位になったからだ。上海五菱GMの「五菱宏光」で、年間販売台数は約53万台。「えっ、そんなメーカーも車名も聞いたことないぞ」と思った読者も多いかもしれない。かく言う筆者も、ランキングを見るまでコイツがトップだなんて想像もしなかった。

上海五菱GMは、米GMと中国の上海汽車が共同で広西チワン族自治区のローカルメーカーだった五菱汽車を買収して発足した合弁企業だ。五菱汽車はもともと日本の軽ワンボックスに似た小型ワゴンを生産し、主に農村部で販売していた。中国の小型ワゴンの値段は3~5万元(約30万~80万円)と激安で、かつては中国メーカーの独壇場だった。ところが、五菱は親会社の資本と技術を取り入れて品質を高め、小型ワゴン市場でトップシェアに躍り出たのである。

五菱宏光はその最新の発展型だ。ボディーサイズは全長4400×全幅1680×全高1750mmと大型化し、ボンネットが前方に出てミニバンと呼ぶのがふさわしいスタイルになった。だが、売れているのはやはり農村部が中心。北京や上海などの大都市で見かけることはほとんどない。中国で一番売れているのに、外国人の目にはまず触れることのない「幻のクルマ」なのだ。

「フォード・フォーカス」
「フォード・フォーカス」
「フォルクスワーゲン・ラヴィーダ」
「フォルクスワーゲン・ラヴィーダ」
「フォルクスワーゲン・サンタナ」
「フォルクスワーゲン・サンタナ」

■「ジェッタ」と「サンタナ」がついにフルモデルチェンジ

ランキングの2位から10位までは、外資系メーカーの小型セダンがずらりと並んだ。2位の「フォーカス」と5位の「セイル」にはハッチバックもあるが、フォーカスはセダンとハッチバックの販売比率が半々、セイルはセダンの方がずっと多く売れている。都市部ではSUVの人気が急速に高まっているものの、中国全体ではセダン人気がまだまだ根強いことを裏付ける結果と言えそうだ。

フォーカスは米フォードが世界120カ国以上で販売するグローバルカーであり、中国市場向けに開発されたわけではない。しかし、その個性的なデザインと実用性の両立が、中国のユーザーから高く評価されているようだ。一方、3位の「ラヴィーダ」や4位の「エクセル」は、中国のユーザーの嗜好(しこう)を取り入れて開発された中国市場専用モデルである。

7位の「ジェッタ」と10位の「サンタナ」は、1980年代に開発された古いモデルがマイナーチェンジを重ねながら20年以上も現地生産されていた。しかしサンタナは2012年末、ジェッタは2013年3月についにフルモデルチェンジを敢行。「ポロ」の車台を利用したコンパクトセダンの兄弟車として生まれ変わった。中国のドライバーにとっては長年慣れ親しんだブランドであり、日本人にとっての「カローラ」や「サニー」に近い響きがあるのだろう。フルモデルチェンジ後も売れ行きは好調のようだ。

(文と写真=岩村宏水)

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