ホンダ、新型燃料電池車「FCVコンセプト」発表

2014.11.17 自動車ニュース
「ホンダFCVコンセプト」「ホンダ・パワーエクスポート コンセプト」とともに撮影に応じる、本田技研工業の伊東孝紳社長。

ホンダ、新型燃料電池車「FCVコンセプト」を世界初公開

本田技研工業は2014年11月17日、燃料電池自動車(FCV)のコンセプトモデル「ホンダFCVコンセプト」を発表した。

従来モデル「FCXクラリティ」との近似性を感じさせる「FCVコンセプト」のエクステリア。
インテリアはいかにもショーカー然とした仕上がり。このデザインがどこまで市販モデルに反映されるか、注目したい。
FCスタックやモーター、パワーコントロールユニットなどを一体化したパワートレイン。シート間や床下などを侵食することなく、すべてがボンネットの下に収められる。

■パワーユニットの小型化で5人乗車の車内空間を実現

ホンダFCVコンセプトは、同社が2008年にリース販売を開始した「FCXクラリティ」の後継モデルとして市販化が予定されている、新型FCVのコンセプトモデルである。ホンダはこの市販モデルを2015年度内に日本で発売し、その後、米国、欧州に投入する予定だ。

開発の目標はFCXクラリティからのさらなる性能向上とコストダウンにあり、特に電気を発生するFCスタックをはじめ、パワーユニットは大幅な小型化、高効率化を実現している。具体的には、従来のものより20%薄く、同面積当たりの電流密度を1.5倍に高めた新構造のFCセルを採用。積層セル数を30%減らし、FCスタックのサイズをこれまでより33%小型化した。

また、同車ではこのFCスタックをパワーコントロールユニットや駆動モーター、ギアボックス、電圧コントロールユニットなどと組み合わせて、フロントボンネットの下に搭載。パワーユニット全体のサイズは、現行モデルのV6エンジンとほぼ同等に抑えられており、大人5人が乗車できるキャビンスペースを実現するとともに、将来的には複数の車種への展開も可能にしているという。

出力の向上も図っており、小型高出力の電圧コントロールユニットや、従来の1.7倍の圧力でセルに空気を供給する電動ターボ型コンプレッサーとも相まって、スタック全体では最高出力100kW以上、出力密度については従来比約60%増の3.1kW/リッターを実現している。

一方、車体の後方には70MPaの充てん圧力に耐える高圧水素貯蔵タンクを搭載しており、1回の充てんで700km以上の距離を走行可能(JC08モード)。併せて充てんに要する時間を約3分に抑え、一般的なガソリン車と同等の使い勝手を追及したという。

最大で9kWの電力を供給できる、外部給電器の「ホンダ・パワーエクスポート コンセプト」。
ホンダが岩谷産業と共同開発したスマート水素ステーション。
左から、FCVの開発責任者である本田技術研究所の清水 潔氏、本田技研工業代表取締役社長の伊東孝紳氏、同執行役員の三部敏宏氏。

■FCV開発だけにとどまらない取り組みをアピール

また今回のFCVコンセプトには、FCXクラリティと同じく、FCスタックで発電した電気を外部に供給できる外部給電機能を搭載。発表会では、車両とともに最大9kWの電力を供給できる新型外部給電器の「ホンダ・パワーエクスポート コンセプト」も公開した。この給電器は、FCVから取り出した電気をAC100V 3kVA、および単相三線100/200V 6kVAに変換して供給することが可能で、将来的には他メーカーの車種の外部給電機能にも対応する予定となっている。

また、これらのコンセプトモデルに加え、会場では岩谷産業と共同開発し、さいたま市で実証実験を行っているスマート水素ステーションの展示も行った。このステーションはホンダが独自開発したコンプレッサーを必要としない高圧水電解システムを採用しており、高圧水素タンクから充てんノズルまでの主要構成部位のパッケージ化に成功。設置工事期間の短縮や、設備の接地面積の削減を実現したという。

ホンダはこれらの展示を通し、FCVの開発だけにとどまらない同社の広範な取り組みをアピール。「つくる」「つかう」「つながる」の3つのコンセプトで、CO2ゼロ社会の早期実現を目指すとした。

(webCG)

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