第455回:よみがえったもう1台のボンドカー
幻のトヨタ2000GTがフルレストアを経て復活

2017.11.01 エディターから一言
復活したもう1台の「トヨタ2000GT」“ボンドカー”。
復活したもう1台の「トヨタ2000GT」“ボンドカー”。

トヨタが1967年に世に問うた名スポーツカー「2000GT」は、日本車として初めて映画『007』シリーズの劇中車に用いられたことでも知られている。その“2000GTボンドカー”が、実は2台存在したことをご存じだろうか。長くベールに包まれていた幻の2000GTボンドカーが、このたびフルレストアを経て復活。ついにその姿を、われわれの前に現した。

もう1台の“ボンドカー”は2017年10月22日に京都で開催された「トヨタ2000GTミーティング」で披露された。
もう1台の“ボンドカー”は2017年10月22日に京都で開催された「トヨタ2000GTミーティング」で披露された。
ミーティングは世界遺産に登録されている東寺で開催された。
ミーティングは世界遺産に登録されている東寺で開催された。
ミーティング当日の天候はあいにくの雨。それにもかかわらず、多くの「トヨタ2000GT」が駆けつけた。
ミーティング当日の天候はあいにくの雨。それにもかかわらず、多くの「トヨタ2000GT」が駆けつけた。
ずらりと並んだ「トヨタ2000GT」。
ずらりと並んだ「トヨタ2000GT」。

1967年の『007は二度死ぬ』に登場

ちょうど50年前の1967年。5月16日がトヨタ2000GT発売の日である。もっとも、その日に初めて“トヨ2”が披露されたというわけではなかった。

そこから約2年前、1965年10月の東京モーターショーで、プロトタイプが披露され、翌66年5月には第3回日本グランプリに出場している。同年7月の鈴鹿1000kmレースでは1-2フィニッシュで優勝するなど、デビュー前からクルマ好きの注目を集めていたのだ。

なかでも同年10月に谷田部で開催されたFIA公認スピードトライアルにおける3つの世界記録達成という偉業は、発売前にして国際的な評価をも高めていた。

そして、67年5月の発表とほぼ同時と言っていいだろう、6月7日に公開された映画『You Only Live Twice』(邦題『007は二度死ぬ』)に登場し、人気をさらに不動のものとしている。ショーン・コネリー演じるジェームズ・ボンド映画の劇中車として、2000GTが日本車としては初めて採用されたのだった。

実をいうと、本編中にジェームズ・ボンドが2000GTをドライブするシーンはない。若林映子演じるアキの助手席、という設定だった。もっとも、若林も2000GTを運転することはなく、当時のトヨタワークスドライバーが代役を務めたという話も有名である。英国でのスタジオ撮影には「アルファ・ロメオ・スパイダー」が使われた。

それゆえ、2000GTがボンドカーであるかどうかを巡っては、マニアの間でも意見が分かれるところだが、ボンド映画に登場し、重要や役割を演じた初めての日本車であることには違いない。

それはさておき、“ボンドカー”としての2000GTが人気を博した理由は、ただ単に世界的に有名な映画に登場したからではなかった。それが、世にも美しいロードスタースタイルだったからでもある。長身(約1.9m)のコネリーがクーペでは狭くて乗りこめなかったから屋根を切った、ともいわれている。プロトタイプをベースに突貫工事を強いられたロードスター化だったが、そのスタイリングはあまりにも美しくまとまっており、以後、多くのコンバージョンが生まれるほど、2000GT好き、クルマ好きを魅了してきた。

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