進化したスタッドレスタイヤ「GOODYEAR ICE NAVI 8」の実力を体感
光るのは冬道性能だけじゃない 2021.11.01 グッドイヤーの最新スタッドレスタイヤを試す<AD> シリーズ初の左右非対称パターンや新コンパウンドなどの採用で、グッドイヤー史上最強をうたうスタッドレスタイヤ「ICE NAVI 8(アイスナビ8)」が登場。冬道性能とともに重要視される乾燥路面での実力を、プジョーのPHEV「3008 GTハイブリッド4」で確かめた。舗装路面上の実力をあらためて検証
つい先日まで猛暑日だ、真夏日だとうんざりする暑さと戦っていたのに、気がつけば本格的な冬の到来がもうそこまできている。降雪地帯に住むドライバーにとっては、タイヤ交換のタイミングが待ったなしだ。ウインタースポーツへと度々出かける都会に住む人たちのなかにも、「昨今は“オールシーズン”をうたうタイヤも少なくないけれど、凍結路面までを考えるとやっぱりスタッドレスタイヤに履き替えておくほうが安心」と考える人は多いことだろう。
舗装路面でスタッドレスタイヤを履くのは、ある程度の我慢を強いられるというのが少し前までの常識であった。例えば、積雪路面をしっかりつかむためのゴツいトレッドパターンは、速度を増すほどにそれ相応のノイズを発するのが当たり前だったし、氷上でグリップ力を発生するために寒くなっても柔軟性を失わない工夫が盛り込まれたトレッドゴムは、それゆえに舗装路上では路面とのコンタクト感にぐにゃぐにゃとした印象が拭い切れなかった。
特にわだちが刻まれた高速道路上などでは直進性が心もとなく、ワインディングセクションへと差しかかれば狙ったライン上をキープするのが難しいうえに、走りのペースをちょっと高めると、たちまち派手なスキール音を響かせる……といったことにもなりかねなかった。
しかし冷静に考えてみると、たとえスタッドレスタイヤでもより日常的に走行する場面は乾燥した舗装路上のほうがメインであったりする。特に、非降雪地域のユーザーであれば、その傾向がより強まるはずだ。
すなわちそこでは、スタッドレスタイヤであってもそうした雪や氷がないシーンでの性能も大いに重要になってくる。というわけで今回は、グッドイヤーの最新作アイスナビ8のポテンシャルを、乾燥路面にフォーカスしてあらためて検証してみることとした。
あらためてというのは、このアイスナビ8が最新のスタッドレスタイヤとして期待にたがわぬ雪上・氷上性能の持ち主であることを、昨シーズンにプロトタイプを装着してロングドライブでチェック済みだからだ。
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うたい文句に偽りなし
冬路面の試走は、195/65R15サイズのアイスナビ8を装着した「トヨタ・プリウス」のFWD仕様で行った。あえて少々ラフなアクセルワークを試みてもトラクションコントロールは簡単には介入せず、路面としっかりコンタクトをとっている感覚が伝わってくることに、いわゆるオールシーズンタイヤとはやはり一味違う頼もしさを覚えた。
端的に言って舗装路面から積雪した路面へと踏み込んでも、さして変わらぬペースで安心したドライブを続けることができたのだ。もちろん、それにかまけて注意を怠ってはならないが、走りの舞台が変わってもそれまでと大きく異なることのない路面とのコンタクト感や安心感を確認しながら走り続けられた。従来モデルの「アイスナビ7」比で氷上ブレーキ性能8%アップ、氷上コーナリング性能5%アップとされるうたい文句と、最新モデルのポテンシャルが実感できたことを思い出す。
全69サイズを展開するアイスナビ8だが、今回のテスト車であるプジョー3008 GTハイブリッド4に装着したのは、オリジナルタイヤと同サイズとなる225/55R18サイズのアイテム。内圧も、軽負荷時の車両規定値であるフロント230kPa、リア240kPaにセットした。これから紹介する印象は、そうしたデータのもとによるものだ。
アイスナビ8の特徴のひとつに、1997年に初代モデルがローンチされて以降、間もなく四半世紀という長い歴史に届こうというシリーズ史上初となる左右非対称パターンの採用が挙げられる。コーナリング時の操縦安定性を高いレベルで確保するべく、アウト側の剛性を高く得るために内側よりも大きめのブロックを配置しているが、見た目にもなかなかたくましく映る。
SUVゆえにタイヤとホイールハウスの間隔が広めに空いていることからトレッドパターンが目に入りやすいのだが、アイスナビ8は接地面をより広く得るためにそもそもトレッド部分が幅広のデザインであり、力強さも十分だ。加えてブランド名とさまざまな情報が刻まれたちょっと派手めのサイドウォール上のデザインも、なかなかいい感じである。「まずは、見た目はOK!」と言いたくなるマッチングである。
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ノイズを抑えEV走行にもマッチ
2021年1月にマイナーチェンジした2代目プジョー3008は、そのタイミングでプラグインハイブリッドが追加されたことも大きなトピック。プジョーの量販モデル史上最強という300PSに達するシステム出力を得て、5.9秒という一級スポーツカー並みの0-100km/h加速タイムを誇るとともに、WLTCモードで64kmというEV航続距離を実現する。
充電状態が良好である間は完全にピュアなEVとしての振る舞いを示すことで、当然ながら圧倒的に高い静粛性を実現。それゆえ今回、アイスナビ8を装着した3008 GTハイブリッド4は、タイヤが発するノイズにも厳しいという見方ができることになるわけだ。
実はアイスナビ8の開発には、スタッドレスタイヤとしての基本性能の向上に加え、乾燥路面における走行性能の向上やノイズ低減に対する努力も盛り込まれている。例えば、従来型の「アイスナビ7」に対してブロックのピッチ数を2割ほど増すことによって、パターンノイズの騒音エネルギーを31%、ロードノイズの同エネルギーを16%も低減させるというデータも示されている。
とはいえそれでもエッジが効いて、縦・横方向の溝が数多くのポイントでクロスするいかにも「雪に効きそう」なアイスナビ8のトレッドパターンを見つめていると、いささか心配になってくるというのは事実。
そんな思いを抱きつつ早速クルマを走らせてみると、まず感じられたのは「見た目とは裏腹に静か」という印象だった。正直言えば、そのパターンノイズは全く聞き取れないというわけではない。特に平滑路面では、速度に比例して周波数を高めるノイズがかすかではあるものの認められる。
しかしそれは、「意識を集中していれば確かに聞こえる」という程度であり、普通に運転していれば「全く気にならなくなる」というレベルのものだ。間違っても、昔のスノータイヤのような“冬の風物詩”と言いたくなるような派手なパターンノイズではないことは確か。高速道路の長時間のクルージングでも、疲労を招くような騒音源とはなり得ないだろう。
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冬用タイヤを意識させない
一方のロードノイズは、気になる特記事項などは皆無であった。スタッドレスタイヤも随分と静かになったものだと感心するが、ノイズ面の心配が払しょくされたとしても、舗装路上でスタッドレスタイヤを履くことに抵抗感を抱く人はまだ残るはず。特に気になるのは、低温時でも柔らかさを保つトレッドコンパウンドの仕様に起因する「何となく走りが安定しない」という点ではないだろうか。
今回はそうした点にも意識を集中させながら走行をチェック。結論から言えばこちらも前述したノイズの話題以上に気になるポイントというのは見当たらず、「そうと知っていて気にしていても、“特別なタイヤ”を装着しているという印象は感じ取れなかった」ということになる。
まず、一般路を走行していても高速道路に乗り入れても、直進性に対する不満や違和感というものは皆無。軽いわだちが舗装上に残るような部分を通過しても、特にステアリングがとられるような傾向も認められることはなかったのだ。
そもそも、乗り味という点でも「柔らかいコンパウンドを用いている」といった実感はごく薄い。アイスナビ8はトレッドコンパウンドが2層になっていて、操縦安定性を高める目的で採用された下層の「高剛性ベースコンパウンド」と、「アドバンスコンパウンド」と紹介される表面部分で構成されている。もちろん、「アシメトリックナビパターン」と呼ばれる左右非対称パターンやブロックの倒れ込みを抑制するという「ウルトラナビブレード」、そして従来モデルよりもアップしたランド比などが複合的に効いているはずだ。
ちなみに、ワインディング路へと差しかかってもグリップ能力の不足は感じないし、コーナリングの早期にスキール音を発するような軟弱さもみられなかった。
かくして、積雪・凍結路面というスタッドレスタイヤが本来の威力を発揮する前段階においても、なんら不満なき走りを支えてくれるのがアイスナビ8。余裕をもった早期のタイヤ交換でも、これなら抵抗なく付き合っていくことができそうだ。
(文=河村康彦/写真=花村英典、峰 昌宏)
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