SUVサイズも登場! 「ブリヂストン・ブリザックVRX3」の強さの秘訣に迫る
SUVにも“BLIZZAK史上断トツ”の氷雪性能を 2022.09.29 キーマンが語るBRIDGESTONE BLIZZAK VRX3の真価<AD> 降雪地で厚い支持を受けるブリヂストンの冬用タイヤ「ブリザックVRX3」に、SUV向けサイズが登場。“ブリザック史上断トツ”の性能をうたうこの製品は、ユーザーにどのような価値を提供するのか? マーケティングと開発に携わる、2人のキーマンに話を聞いた。大事なのは氷雪路での性能だけではない
1988年の誕生以来、雪国で圧倒的な支持を集めるブリヂストンのスタッドレスタイヤ「ブリザック」。現在の乗用車用の主力は「VRX3」だが、今シーズン、ここに12種類のSUV向けサイズが加わった。このサイズバリエーション拡充の意図について、そしてブリザックVRX3という製品の特徴について、ブリヂストンの関係者に話を聞く機会を得た。
インタビューの場所は、2022年4月に稼働を開始したばかりの「B-Innovation」。ブリヂストンが生産・開発の拠点としている東京・小平に位置する研究施設「Bridgestone Innovation Park」内のイノベーションセンターだ。内部には、ブリヂストンのコア技術や製品を見て・触ってアイデアを膨らませるラウンジや、アイデアを形にする工作機械などが置かれたスタジオ、社外のパートナーも使用できる共創オフィスなどがあり、隣にはやはり同年4月に完工したテストコース「B-Mobility」が広がる。
対応してくれたのは、ブリヂストンタイヤソリューションジャパン商品企画本部 消費財商品企画部の山本成明氏と、ブリヂストン製品企画部門PSタイヤ製品企画第1課の渡部亮一氏である。
――まず、雪国でブリザックが圧倒的な支持を得ている理由を教えてください。
山本:スタッドレスタイヤの真の価値は、安心・安全な冬のカーライフを提供することだと思っています。ブリザックは1988年の誕生以来、常にお客さま目線という視点を忘れずに進化してきました。
ひとくちに冬道といっても状況は刻々と変化します。なので高い氷雪上性能は追求しつつ、雨の日やドライ路面でも快適なカーライフを過ごせ、静粛性や快適性にも満足できる製品づくりを目指しています。これが北海道と北東北の主要5都市で21年連続装着率No.1という結果につながったと考えています。(※:ブリザックVRX3オフィシャルサイト参照、以下同)
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多様化するSUVオーナーのクルマの使い方
――具体的にユーザーの声を多数聞いているとのことですが、一部を教えていただくことはできますか。
山本:カタログでも紹介させていただいておりますが、小さいお子さんがいる30代の女性からは、氷上性能とドライの性能の双方が信頼できるので、毎日保育園や買い物に出かけるなかで、日陰でもより安心して通過できるという言葉をいただいています。また20代の男性からは、カチカチに凍結した路面でもしっかり減速し、カーブでもスリップしないので安心感をもって曲がることができたという話もいただきました。
――ところでブリヂストンのスタッドレスタイヤには、すでにSUV専用設計の「DM-V3」があります。そのなかで今回、VRX3にSUVサイズを用意したのは、どうしてなのでしょうか。両者の違いはどこにあるのでしょうか。
山本:SUVの販売は今も増加傾向にありますが、それに伴い、車種だけでなく用途も多様化しています。昔はスキーやキャンプに行く人ぐらいしかSUVに乗りませんでしたが、今は買い物や送迎など、街乗りで使う人が目立つようになりました。ユーザーに話を聞いても、求められているものは乗用車に似ていました。そこで用途に合わせて2つのラインナップを用意することにしたのです。
具体的には、凍結路面も多い街乗りが主なお客さまには、“ブリザック史上断トツ”の氷上性能を誇り、ミラーバーンにも強いVRX3を、レジャーに多用するお客さまには、積雪路もしっかり走破できるなどバランスのよいDM-V3をお薦めしたいと考えています。
――最近は地球温暖化に起因する気候変動が目立つようになりました。そんななかで、スタッドレスタイヤに対する考え方も変わってきているのでしょうか。
山本:私たちも気候変動は実感しており、スタッドレスにおいては、異常気象でも安全なカーライフをご提供できることが重要と考えております。天候の急変に遭遇しても安心して運転を続けられることが第一ですし、その性能を長持ちさせることも大切だと考えています。
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劇的な進化を支える多数の工夫と新技術
――では技術面に話を移します。VRX3はVRXシリーズの第3作ということになりますが、前作「VRX2」と比べて、秀でている点はどのあたりでしょうか。
渡部:氷上性能と経済性の2点を挙げたいと思います。氷上ブレーキ性能は、VRX2に比べて120%と大幅に向上しました。(※) 凍結路は最も危険なシーンであり、止まりたいという気持ちが他の路面より強くなります。その気持ちに応えるためにも、氷上で一番効くスタッドレスタイヤを目指しました。
経済性能については、溝が減らない性能を示す摩耗ライフが17%アップしました。さらに私たちが「効き持ち」と呼ぶ、いつまでもゴムの柔らかさを維持して、高いパフォーマンスを発揮し続ける性能にも目を向けており、4年後の氷上摩擦係数の低下はVRX2よりも小さくなっています。(※)
――氷上での曲がる・止まる性能を向上させた秘密を教えてください。
渡部:まずは「フレキシブル発泡ゴム」です。みなさんも氷を手でつかむと、握っているうちに次第に溶けてきて、滑って落ちやすくなることを知っていると思います。氷上性能を上げるには、氷の表面にある水を吸収することが大事です。
そのためにブリザックでは、当初からゴムの中に気泡を入れた「発泡ゴム」を使ってきました。ゴムに空いた微細な穴(球状や円柱状の気泡)で、スポンジのように水を吸収するためです。VRX3では円柱状の気泡の断面を円形から楕円(だえん)形に変えた、フレキシブル発泡ゴムに進化させました。何十μという世界なので目に見えるわけではないですが、毛細管現象により水を吸う力が増しています。
さらにスタッドレスタイヤの特徴のひとつでもあるサイプは、一部を「端止めサイプ」としています。サイプの端を反対側の溝に貫通させることをやめ、余計な水が入らないようにしています。
また、ブロックの端部には「L字ブロック」という小さな突起をつけて、水の流れをコントロールしています。
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要望を丁寧にすくい上げ、革新の技術で形にする
――摩耗ライフや効き持ち性能を上げるためには、どのような技術を投入したのでしょうか。
渡部:ブロックのサイズを均一化して接地圧を分散させたのと、ブロックの形状に応じてサイプの角度を調整し、力強いグリップを確保しながらブロック剛性を高めるようにしました。路面に対してタイヤが滑り、摩耗するのを防ぐためです。
効き持ち性能に関しては、ゴムの柔軟性を長く保たせることで実現しました。タイヤに使うゴムには、柔らかさを保つためにオイルを混入しています。ところがこのオイルがゴムの分子の隙間から抜けていくのです。使い続けていくうちにタイヤが固くなるのはこれが理由です。そこで混入する素材をオイルからポリマーに変え、分子量を大きくすることで、ゴム分子の間で引っかかるようにしました。オイルとは違って混ぜるのが難しかったですが、なんとか実現することができました。
――先ほどのお答えで、ドライ路面での性能も考慮しているとありました。例えば首都圏のユーザーは、季節外れの高温に遭遇したり、雪国に向かうべくドライ路面の高速道路を走り続けたりします。こうしたシーンでの耐摩耗性や安定性の獲得のために、どのような工夫が込められているでしょうか。
渡部:もちろん暑さやドライ路面のことも考えて開発しています。多くの地域ではドライ路面を走る時間のほうが長いわけですし、数年間使用したタイヤを履きつぶすために夏まで走る人もいます。
そのためにブリザックでは、タイヤの断面形状を非対称としています。具体的にはアウト側が丸く、イン側が角張っています。外側がバネの役目を果たし、内側で力を伝える設計です。これによって入力をやわらげつつ安定性を高めています。
こうしてふたりの話を聞いていて印象的だったのは、ユーザーの声を丁寧に聞き、市場の動向を入念にチェックした結果を製品に反映していることだった。これが既存のSUV用スタッドレスタイヤとは別に、VRX3にSUV用サイズを追加するという動きにもつながったのだろう。
そこに最先端の素材研究や製造技術などが加わったとなれば、長年にわたり支持され続けているのも、むしろ当然のことと思えた。今回のサイズ拡充により、ブリザックという信頼のブランドは、今まで以上に多くのSUVオーナーからも高い評価を受けていくのではないだろうか。
(文=森口将之/写真=荒川正幸、ブリヂストン)
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