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時代が求めた高性能 「クムホ・エクスタPS71 SUV」を試す

妥協は要らない 2024.03.25 2024 Spring webCGタイヤセレクション<AD> 生方 聡 クムホの人気スポーツタイヤ「エクスタPS71」に、SUV向けの「PS71 SUV」が登場。高いスポーツ性をキープしながらSUVに求められるポイントを強化したというから楽しみな商品だ。「ジープ・グランドチェロキー」で試した印象をリポートする。

パフォーマンスSUVに欠かせないものとは?

ここ日本だけでなく、世界的に見てもSUVが高い人気を集める状況が続いている。その中心となるのはオンロード指向のモデルであり、なかでも“パフォーマンスSUV”は、走る楽しさを求めるドライバーにとっては気になるクルマばかり。一方、スペースに余裕があることから電気自動車(BEV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)のSUVも増えており、スポーツカー顔負けのハイパフォーマンスを誇るクルマが目立つ。

そんなスポーツ性の高いSUVにおいて、その性能をフルに引き出すには、タイヤのチョイスが重要になってくる。ドライバーが意のままに操るための優れたドライグリップやぬれた路面でも安心して走れるウエット性能はもちろんのこと、普通の乗用車に比べて重量が重く、また、全高と重心が高いSUVでは、よりタイヤの剛性が必要になる。そのうえ高いレベルの乗り心地や静粛性が求められるだけに、タイヤの選択が難しい。

しかも、サイズが大きいSUV用タイヤは価格が高く、タイヤ交換の時期が近づいているオーナーにとっては、次のタイヤ選びは楽しい反面、悩ましいというのが現実だ。そこで、今回チェックしたのが、クムホのエクスタPS71 SUV。パフォーマンスSUVに求められる高性能を高いレベルで実現した、いま注目のヨーロピアンスポーツタイヤである。

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今回はクムホの新たなSUV向けスポーツタイヤ「エクスタPS71 SUV」を「ジープ・グランドチェロキー サミットリザーブ4xe」に装着してドライブした。
今回はクムホの新たなSUV向けスポーツタイヤ「エクスタPS71 SUV」を「ジープ・グランドチェロキー サミットリザーブ4xe」に装着してドライブした。拡大
「エクスタPS71」の派生モデルとして2023年に追加されたばかりの「PS71 SUV」。「SUV」のロゴをまさにSUVのシルエットが取り囲んでいる。
「エクスタPS71」の派生モデルとして2023年に追加されたばかりの「PS71 SUV」。「SUV」のロゴをまさにSUVのシルエットが取り囲んでいる。拡大
プラグインハイブリッドの「グランドチェロキー サミットリザーブ4xe」の車両重量は2.5tにも達する。SUV専用にきちんと設計されたタイヤを選びたいところだ。
プラグインハイブリッドの「グランドチェロキー サミットリザーブ4xe」の車両重量は2.5tにも達する。SUV専用にきちんと設計されたタイヤを選びたいところだ。拡大

待望のSUV向けラインナップ

エクスタPS71 SUVを手がけるクムホは1960年に創業した韓国のタイヤメーカーだ。その確かな技術力は、韓国だけでなく、ヨーロッパやアメリカの主要な自動車メーカーに新車装着タイヤとして採用されていることが物語っている。日本で販売される輸入車に純正装着されることもあって、近年は日本の輸入車ユーザーのあいだでも知名度が高まっている。2024年から全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権にタイヤをワンメイク供給することも決まった。

アフターマーケット用のバリエーションも増えており、日本市場でもスポーツやコンフォート、それにスタッドレスタイヤやオールシーズンタイヤまでさまざまな商品が用意されている。なかでもこの「エクスタ」はブランドを代表するスポーツタイヤシリーズであり、フラッグシップの「PS91」以下、8つのモデルが日本市場に導入済みである。

そんなエクスタシリーズのなかから、今回紹介するのが、優れた高速走行性能に加えて、快適な乗り心地と高い静粛性を高次元で両立するPS71。もともとはスポーツカーやセダン/ステーションワゴン向けのみだったが、そのスポーツ性能を受け継ぎつつ、SUV向けに剛性や耐摩耗性能を向上したのが、パフォーマンスSUVに打ってつけのPS71 SUVなのである。

今回はジープのフラッグシップモデルであるグランドチェロキーから、PHEVの「サミットリザーブ4xe」に純正サイズの275/45R21を装着し、その性能を試すことにした。

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早朝の都心を走り始める。ロードノイズがよく抑えられた「エクスタPS71 SUV」は電動パワートレインとの相性が抜群だ。
早朝の都心を走り始める。ロードノイズがよく抑えられた「エクスタPS71 SUV」は電動パワートレインとの相性が抜群だ。拡大
「グランドチェロキー サミットリザーブ4xe」には純正と同じ275/45R21サイズを装着。「PS71 SUV」のラインナップは17~22インチの全41サイズで、「トヨタ・ヤリス クロス」や「マツダCX-3」などの国産人気SUVから輸入大型SUVまでカバーする。
「グランドチェロキー サミットリザーブ4xe」には純正と同じ275/45R21サイズを装着。「PS71 SUV」のラインナップは17~22インチの全41サイズで、「トヨタ・ヤリス クロス」や「マツダCX-3」などの国産人気SUVから輸入大型SUVまでカバーする。拡大
サイドウォールを彩るチェッカードフラッグパターン。乗り込む前から気持ちを高めてくれる遊び心だ。
サイドウォールを彩るチェッカードフラッグパターン。乗り込む前から気持ちを高めてくれる遊び心だ。拡大

期待を超える快適さ

グランドチェロキーの足元を飾るエクスタPS71 SUVは、21インチに45偏平というサイズだけになかなかの存在感。それだけにサイドウォールが目立つが、チェッカードフラッグをイメージさせるデザインがグランドチェロキーをスポーティーに彩るのがうれしいところだ。トレッドにもチェッカードフラッグのデザインが刻まれており、“世界三大デザイン賞”のひとつ「iF DESIGN AWARD」を獲得しているのにも納得がいく。

まずはまだ交通量の少ない早朝の都心を軽く流してみると、いい意味で期待が裏切られた。走りだしてすぐに気づくのがその快適性の高さ。275/45R21と広い幅のタイヤにもかかわらず、ロードノイズはよく抑えられており、PHEVのグランドチェロキー4xeがモーターだけで走行している場面でも高い静粛性を維持しているのだ。

路面とのコンタクトもスムーズで、乗り心地が優れているのもこのタイヤの印象をよくしている。もし事前に何も知らされていなければ、コンフォートタイヤと思い込んでしまいそうな仕上がりには驚くばかりである。

それでいて剛性の高さが伝わってくるのがスポーツタイヤならではのポイント。街なかでも、ステアリング操作に素直にクルマが反応し、その際にタイヤの腰砕け感がないのはSUV向けにタイヤの剛性を高めたのが功を奏しているのだろう。

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スポーツタイヤでありながら路面とのコンタクトが優しく、乗り味は極めてコンフォート。それでいながらコーナリング時にはがっしりと踏ん張ってくれる。
スポーツタイヤでありながら路面とのコンタクトが優しく、乗り味は極めてコンフォート。それでいながらコーナリング時にはがっしりと踏ん張ってくれる。拡大
トレッドは高剛性リブとワイドブロックを並べた左右非対称デザイン。今回はウエット路面を試すことができなかったが、4本の太いストレートグルーブが高い排水性を予感させる。
トレッドは高剛性リブとワイドブロックを並べた左右非対称デザイン。今回はウエット路面を試すことができなかったが、4本の太いストレートグルーブが高い排水性を予感させる。拡大
タイヤケースはナイロンとアラミドを組み合わせた高剛性タイプ。高速域でも姿勢変化が抑制され、優れた直進安定性を味わえる。
タイヤケースはナイロンとアラミドを組み合わせた高剛性タイプ。高速域でも姿勢変化が抑制され、優れた直進安定性を味わえる。拡大

運転の楽しさが際立つ性能

高速道路に入ると、エクスタPS71 SUVの実力がさらに明確になる。普通の乗用車に比べて全高が高いグランドチェロキーとの組み合わせであっても姿勢変化はよく抑えられており、直進安定性も高い。タイヤがよどみなく転がっていくこともあって、長距離ドライブはお手の物。一般道と同様に、静粛性や乗り心地にも優れているため、ドライバーを含め、乗員全員が快適な時間を過ごせるはずだ。

ちょっとしたワインディングロードも試したが、コーナーでもしっかりと路面を捉え、思いのほか軽快にカーブを駆け抜けるハンドリングのよさを体験。ワイドな両サイドのブロックや接地面形状を最適化した設計が大きく寄与している。しかも、グリップに余裕があるぶん、加速時にはグランドチェロキー4xeの大トルクをしっかりと路面に伝えてくれるし、タイヤに大きな負荷がかかる場面でもタイヤの剛性感が伝わってくるから、安心してステアリングやアクセル、ブレーキを操作できるのが実に頼もしいのだ。

一般道、高速道路、そしてワインディングロードとさまざまな状況でエクスタPS71 SUVを試してみたが、スポーツ性と快適性を見事に両立していることが確認できた。さらにこれだけの高性能を誇りながら、比較的求めやすい価格で販売されているというのも大きな魅力だ。

運転の楽しさに妥協したくないパフォーマンスSUVオーナーにとって、エクスタPS71 SUVは心強い味方になってくれるはずだ。

(文=生方 聡/写真=郡大二郎)

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BRIDGESTONE RECNO GR-XⅢ
Continental AllSeasonContact 2
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ワインディングロードに踏み入れる。大きなボディーを持て余すことなく、モーター+エンジンによる強大なトルクを「エクスタPS71 SUV」がしっかりと路面に伝えてくれる。
ワインディングロードに踏み入れる。大きなボディーを持て余すことなく、モーター+エンジンによる強大なトルクを「エクスタPS71 SUV」がしっかりと路面に伝えてくれる。拡大
ビード部に補強材を追加することで横方向の剛性をがっちりと強化。ハンドリング性能と安定性を高めている。
ビード部に補強材を追加することで横方向の剛性をがっちりと強化。ハンドリング性能と安定性を高めている。拡大
一般道から高速道路、ワインディングロードまで、どのステージでもスポーツ性と快適性を高度に両立していた「エクスタPS71 SUV」。オーナーにとっては心強い味方となるだろう。
一般道から高速道路、ワインディングロードまで、どのステージでもスポーツ性と快適性を高度に両立していた「エクスタPS71 SUV」。オーナーにとっては心強い味方となるだろう。拡大

車両データ

ジープ・グランドチェロキー サミットリザーブ4xe

ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4910×1980×1810mm
ホイールベース:2965mm
車重:2510kg
駆動方式:4WD
エンジン:2リッター直4 DOHC 16バルブ ターボ
モーター:交流同期電動機
トランスミッション:8段AT
エンジン最高出力:272PS(200kW)/5250rpm
エンジン最大トルク:400N・m(40.8kgf・m)/3000rpm
モーター最高出力:145PS(107kW)
モーター最大トルク:255N・m(26.0kgf・m)
タイヤ:(前)275/45R21 110Y XL/(後)275/45R21 110Y XL(クムホ・エクスタPS71 SUV)
ハイブリッド燃料消費率:10.4km/リッター(WLTCモード)
EV走行換算距離:53km(WLTCモード)
充電電力使用時走行距離:62km(WLTCモード)
交流電力量消費率:280Wh/km(WLTCモード)
価格:1227万円


 

ジープ・グランドチェロキー サミットリザーブ4xe
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