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新しい「メルセデス・ベンツ EQS」で真のラグジュアリーを堪能する

手の届く“究極” 2024.12.26 メルセデスの高級サルーン EQSに乗るということ<AD> 島下 泰久 時代を切り開く新たな高級サルーンとしてメルセデス・ベンツが提案する「EQS」。デザイン・機能・快適性と、全方位的な進化を遂げた同モデルに触れたなら、これが理想のクルマなのだと誰もが納得することだろう。

メルセデスのプライドが伝わってくる

まさしく自動車を世に生み出した存在であるメルセデス・ベンツのこれまでの歴史は、いうなれば「自動車を極める」ものだったといえる。クラフトマンシップを生かし、最先端のテクノロジーを取り入れ、その時代に考え得る最高の一台を世に問う。今まで変わらず貫かれてきたその姿勢こそが、メルセデス・ベンツを比類のないプレミアムなブランドにしたというのが私の解釈である。

メルセデス・ベンツ EQSは、車名の“S”が示すとおり「Sクラス」と並び立ち、そうしてメルセデス・ベンツのたどり着いた、究極のプレミアムカー像を体現する存在だ。このたび、新たにフィーチャーされたポイントは、デザイン、インテリア、そして走行性能まで多岐にわたる。今回は、そうして創り出された最先端のラグジュアリー性を、東京・丸の内を出発して三重・伊勢志摩まで向かうロングドライブでじっくり味わうことにした。

早朝の街並みのなか、たたずむ新しいEQSの姿に、まず目が行ったのが威厳を高めたエクステリアだ。新採用の「エクスクルーシブグリル」は、オーセンティックなクロームルーバーラジエーターグリル、そして屹立(きつりつ)したスターマークのボンネットマスコットによって、ド真ん中のメルセデス・ベンツをアピールする。

これがEQSのキャビンフォワードフォルムと見事なマッチングを見せるのが興味深いところで、同時に装着された「AMGスタイリング」のハイグロスブラックを大胆にあしらった前後バンパーなどとも相まって、先進的で、かつラグジュアリーな世界が描き出されている。率直に言って、その姿は事前に想像していた以上に魅力的に映った。

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メルセデス・ベンツのなかで電動サルーンの最高峰と位置づけられる「EQS」。2024年11月には、新型の国内販売がスタートした。(※写真はすべてオプション装着車)
メルセデス・ベンツのなかで電動サルーンの最高峰と位置づけられる「EQS」。2024年11月には、新型の国内販売がスタートした。(※写真はすべてオプション装着車)拡大
今回の試乗車は後輪駆動の「EQS 450+」。メルセデスの象徴たるボンネットマスコットと、水平ラインの入った「クロームルーバーラジエーターグリル」は、先進感のあるエクステリアにもマッチしている。
今回の試乗車は後輪駆動の「EQS 450+」。メルセデスの象徴たるボンネットマスコットと、水平ラインの入った「クロームルーバーラジエーターグリル」は、先進感のあるエクステリアにもマッチしている。拡大
紡錘(ぼうすい)形のフォルムとロングホイールベースは「EQS」の大きな特徴のひとつだ。主に前者はエアロダイナミクスに、後者は後席での快適性に貢献する。
紡錘(ぼうすい)形のフォルムとロングホイールベースは「EQS」の大きな特徴のひとつだ。主に前者はエアロダイナミクスに、後者は後席での快適性に貢献する。拡大
ボディー下方に見られるハイグロスブラックのパートは「AMGスタイリング」によるドレスアップ。ラグジュアリーなムードを醸し出している。
ボディー下方に見られるハイグロスブラックのパートは「AMGスタイリング」によるドレスアップ。ラグジュアリーなムードを醸し出している。拡大

滑らかで意のままになる走り

運転席に乗り込むと、そこにも新しい体験が待っていた。新たに搭載されたソフトドアクロージング機能によって、ドアは力を入れなくてもスムーズに引き込まれるように閉まる。すると眼前に広がるのが「MBUXハイパースクリーン」。この全幅にして実に141cmにも及ぶディスプレイパネルが、新たに標準装備のリストに加わったのだ。

そして、いよいよ走りだす。今回試乗した「EQS 450+」は、最高出力を従来の333PSから360PSへと向上させた電気モーターで後輪を駆動する。その走りは、やはりまず極上の滑らかさが印象的だ。シームレスで力強い加速感はもちろん、発進時や低速域でのドライバビリティーの良さが光る。

電気自動車だからといって、むやみにレスポンスを高めたりするのではなく、あくまでメルセデス・ベンツらしく、やや重めのアクセルペダルの踏み加減に応じて、意のままにコントロールできる特性に仕立てられているのだ。

フットワークの良さにもあらためてほれぼれさせられた。身のこなしは実際のサイズよりもはるかに軽やかな印象で、狭い交差点なども苦にすることがない。これは後輪を最大4.5度まで操舵するリアアクスルステアリングの恩恵だろう。

首都高速道路に入り、ちょっとした渋滞を抜けて東名高速道路へ。ここでも好印象に変わりはない。全域で力があるおかげでアクセル開度は小さくて済み、気持ちにも余裕ができる。質の高い走りは、心地よく、そして疲れ知らずである。

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車内前方に広がるのは、3枚の液晶画面で構成され、ひとつの特大ディスプレイのように見える「MBUXハイパースクリーン」。物理的なスイッチ類は画面上のメニューに置き換えられており、すっきりとした印象を与える。
車内前方に広がるのは、3枚の液晶画面で構成され、ひとつの特大ディスプレイのように見える「MBUXハイパースクリーン」。物理的なスイッチ類は画面上のメニューに置き換えられており、すっきりとした印象を与える。拡大
上質なナッパレザーで仕立てられた、試乗車(エクスクルーシブパッケージ装着車)のシート。ヘッドレストにはソフトなクッションも備わっている。
上質なナッパレザーで仕立てられた、試乗車(エクスクルーシブパッケージ装着車)のシート。ヘッドレストにはソフトなクッションも備わっている。拡大
ドライバー前方に配置される「デジタルコックピットディスプレイ」の情報量は実に豊富。その表示グラフィックや走行音は、好みに合わせて変更できる。
ドライバー前方に配置される「デジタルコックピットディスプレイ」の情報量は実に豊富。その表示グラフィックや走行音は、好みに合わせて変更できる。拡大
最高出力360PSのモーターが実現するパワフルさもさることながら、「EQS」では、そのフットワークの良さ、そして軽やかな身のこなしがドライバーを喜ばせる。
最高出力360PSのモーターが実現するパワフルさもさることながら、「EQS」では、そのフットワークの良さ、そして軽やかな身のこなしがドライバーを喜ばせる。拡大

どのシートでもうっとり

乗り心地も、やはりさすがメルセデス・ベンツとしか言いようがない。特に大きなギャップを通過した際の、サスペンションがきれいにストロークしてしなやかにいなしていくさまなどは、至極の快適性と高い安心感をもたらす。直進性も上々。欧州仕様車でCd値(空気抵抗係数)0.20という空気抵抗の小ささを実感させる、風を切り裂くというよりは風に乗るかのような軽やかさも相まって、高速巡航の気持ちよさは格別だ。

あるいはEQSのユーザーにとって、より注目すべきはむしろ後席かもしれない。新しいEQSには、後席に招き入れる人に極上のもてなしを提供するオプション「エクスクルーシブパッケージ」を新設定しているのである。

これに含まれる「エグゼクティブシート」は、ナッパレザー表皮に肌触りの良いラグジュアリーヘッドレスト、クッションなどを備えるほか、約38度までのリクライニングが可能となる。同時に、助手席を前方に移動させて足元スペースを広げ視界を拡大するショーファーポジション、MBUXリアエンターテインメントなども備わっている。

せっかくなので、こちらも試してみた。柔らかく包み込むようなシートに体を預けて、姿勢は少しリクライニング。さらに、ショーファーポジションに設定する。頭上空間にも余裕があり、とてもくつろげる。

走りだすと、ネック&ショルダーウォーマーやシートヒータープラスといった快適装備のおかげもあって、早々に眠りに落ちそうになってしまった。そもそもクルマ自体、快適性が非常に高く室内がとても静かなだけに、これなら招き入れた誰もが深く満足してくれるに違いない。

なお、標準のエレクトリックアートライン内装では、後席シートバックの40:60分割可倒に対応する。エクスクルーシブパッケージを選択すると後席の背もたれは可倒式ではなくなるものの、オーナーカーかショーファードリブンかを用途に応じて選択できるのは、今どきのラグジュアリーカーらしい。

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試乗車の後席は「エグゼクティブシート」と呼ばれるスペシャルアイテム。仕立てが上質なのはもちろん、最大38度のリクライニング機能やマッサージ機能が利用できるほか、後席にいながらの助手席操作(ニールーム拡大)も可能だ。
試乗車の後席は「エグゼクティブシート」と呼ばれるスペシャルアイテム。仕立てが上質なのはもちろん、最大38度のリクライニング機能やマッサージ機能が利用できるほか、後席にいながらの助手席操作(ニールーム拡大)も可能だ。拡大
主に後席の快適性を高める「エクスクルーシブパッケージ」には、「MBUXリアエンターテインメントシステム」も含まれている。
主に後席の快適性を高める「エクスクルーシブパッケージ」には、「MBUXリアエンターテインメントシステム」も含まれている。拡大
ルーフに広がる2つの大型サンルーフはキャビンの開放感を高めてくれる。前後のサンシェードがセンターピラーに収納されるのが個性的。
ルーフに広がる2つの大型サンルーフはキャビンの開放感を高めてくれる。前後のサンシェードがセンターピラーに収納されるのが個性的。拡大
後席用のアームレストには、脱着可能な操作デバイスを装備。例えば、助手席を前方に移動させニールームを広げた際などは、助手席背面のタッチパネルに手を伸ばさずともさまざまなオペレーションが可能となる。
後席用のアームレストには、脱着可能な操作デバイスを装備。例えば、助手席を前方に移動させニールームを広げた際などは、助手席背面のタッチパネルに手を伸ばさずともさまざまなオペレーションが可能となる。拡大

距離への不安は過去のもの

新しいEQSのトピックとして、こちらも見逃すことができないのが、一充電走行距離の伸長である。その数値はWLTCモードで実に759km。従来の700kmという数字もずぬけたものだったが、さらにそれを上書きしてみせたのだ。

大幅な性能向上を可能にしたのは、まずは駆動用バッテリーの大容量化。従来の107.8kWhから、さらに1割近く大きい118.0kWhにまで拡大されている。そのうえで高効率化、そしてペダルフィールの改善も行った最新世代の回生ブレーキ、特に寒い時期の航続距離減少を抑えるヒートポンプの採用などによって、国内販売車両で最長の一充電走行距離を実現しているのである(2024年11月時点)。

実際のところ、今回目指した伊勢志摩までの距離は東京から約480kmで、EQS 450+なら難なく到着できる。東京からの片道なら広島・尾道あたりまで経路充電は不要。名古屋くらいなら往復できるほどだ。

しかも新しいEQSは、急速充電のスピードも非常に速い。データによれば、最近増加中の150kWの急速充電器を使えば、電池残量10%から80%までの充電にかかる時間は約53分。そして30分あれば10%から53%まで充電できるという(※)。

クルマは充電の必要がなくても、人間は休憩したいというわけで、静岡の御殿場JCTで新東名高速道路に入って最初のサービスエリアである駿河湾沼津SAに立ち寄ることに。実際、お手洗いに行きコーヒーを飲み、メールチェックでもしていたら、15分や20分はあっという間で、この間に継ぎ足し充電しておけば、200~300km分の充電ができているのだ。EQSに乗っていると、航続距離への不安はもはや過去のものと言いたくなる。

 

※ 冷房設定26℃の室内で、急速充電器メーカー開発施設の急速充電器にて実施した検証結果。急速充電器(CHAdeMO規格)で電池残量10%から80%まで充電するのにかかった充電時間と、30分での充電量です(メルセデス・ベンツ日本調べ)。バッテリーの充電状態や温度、また充電器の設定などの諸条件によって充電制御が異なるため、必ずしもこの値を保証するものではありません。

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新東名高速道路・駿河湾沼津SAの急速充電器前で。WLTCモードで759kmもの一充電走行距離を誇る「EQS 450+」だが、ちょっとした立ち寄り休憩の際に補充電を行えば、その移動能力は一段と高まる。
新東名高速道路・駿河湾沼津SAの急速充電器前で。WLTCモードで759kmもの一充電走行距離を誇る「EQS 450+」だが、ちょっとした立ち寄り休憩の際に補充電を行えば、その移動能力は一段と高まる。拡大
普通充電と高出力な急速充電に対応する「EQS」。最大出力150kWの急速充電器を使った場合、53分ほどで電池残量10%から80%までチャージできる。
普通充電と高出力な急速充電に対応する「EQS」。最大出力150kWの急速充電器を使った場合、53分ほどで電池残量10%から80%までチャージできる。拡大
給電口は、普通充電・急速充電ともに車体の右リアに集約。リッドはオープン/クローズとも電動式となっている。
給電口は、普通充電・急速充電ともに車体の右リアに集約。リッドはオープン/クローズとも電動式となっている。拡大
メルセデス最新の運転支援システムをフル装備。絶大な安心感とともに、乗員を快適に目的地へといざなう。
メルセデス最新の運転支援システムをフル装備。絶大な安心感とともに、乗員を快適に目的地へといざなう。拡大

時代に合った理想のサルーン

そんな風にクルマも人も疲れ知らずのまま、伊勢志摩までのロングドライブは余裕で完遂となった。正直、このまま今から東京に戻るのだって、全然苦ではないだろう。この走りこそ、まさに王道のメルセデス・ベンツだ。

冒頭でEQSのことを、電気自動車としてSクラスと並び立つ存在だと書いた。実際、その走りの質の高さは、それに比肩する。いや正直に言えば、パワートレインのスムーズさ、静粛性はそれを上回ると言っても過言ではない。

しかも新しいEQSは、エクスクルーシブグリルやエグゼクティブシートといったアップデートによって、それこそSクラスのオーナーをも満足させるラグジュアリー性も手に入れている。そう、電気自動車の美点を生かしてメルセデス・ベンツとして目指すクルマの理想を極めた存在が、まさに新しいEQSなのだ。

ここまで述べてきたとおり、電気自動車への不安となる部分も、このクルマではもはや解消されているといっていい。最新形のラグジュアリーに触れたいと考えているならば、一度試してみる価値はある。

(文=島下泰久/写真=三浦孝明)

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◇理想を極めたラグジュアリーカー 新しい「メルセデス・ベンツ EQS」の魅力を長距離ドライブで探る【Movie】

 

志摩観光の拠点といわれる賢島で、海辺の風景を楽しむ。青い海と空、そして個性的な観光船が新時代のサルーンを歓迎してくれた。
志摩観光の拠点といわれる賢島で、海辺の風景を楽しむ。青い海と空、そして個性的な観光船が新時代のサルーンを歓迎してくれた。拡大
「EQS」は、実際の路上の映像に重ねて、わかりやすく進行方向を表示する「MBUX ARナビゲーション」を搭載する。航空写真を思わせる3Dマップ(写真)も便利な機能だ。
「EQS」は、実際の路上の映像に重ねて、わかりやすく進行方向を表示する「MBUX ARナビゲーション」を搭載する。航空写真を思わせる3Dマップ(写真)も便利な機能だ。拡大
風光明媚(めいび)とはいえ東京からは距離感のある三重・志摩。しかし、「EQS」の快適性とスタミナをもってすれば、意外なほど容易にアクセスすることができる。
風光明媚(めいび)とはいえ東京からは距離感のある三重・志摩。しかし、「EQS」の快適性とスタミナをもってすれば、意外なほど容易にアクセスすることができる。拡大
伊勢の名所、伊勢神宮にも立ち寄った。「EQS」は全長5225mmの大型サルーンだが、後輪操舵のおかげもあって、狭い路地や駐車場での取り回しも楽に行える。
伊勢の名所、伊勢神宮にも立ち寄った。「EQS」は全長5225mmの大型サルーンだが、後輪操舵のおかげもあって、狭い路地や駐車場での取り回しも楽に行える。拡大

車両データ

メルセデス・ベンツ EQS 450+

ボディーサイズ:全長×全幅×全高=5225×1925×1520mm
ホイールベース:3210mm
車重:2500kg ※オプション非装着時の値
駆動方式:後輪駆動
モーター:交流同期電動機
最高出力:360PS(265kW)
最大トルク:568N・m(57.9kgf・m)
タイヤ:(前)255/45R20/(後)255/45R20
一充電走行距離:759km(WLTCモード)
交流電力量消費率:188kWh/km(WLTCモード)
車両本体価格:1535万円(税込)【MP202501】 ※写真はオプション装着車(エクスクルーシブパッケージ、アドバンスドパーキングパッケージ、ベーシックパッケージ、MANUFAKTURオパリスホワイト<ボディーカラー>を選択)

メルセデス・ベンツ EQS 450+
メルセデス・ベンツ EQS 450+拡大
荷室は「EQS 450+」の場合で620リッターから1700リッターと、大型のステーションワゴンに匹敵する容量。開口部も広く、使い勝手にも優れる。
荷室は「EQS 450+」の場合で620リッターから1700リッターと、大型のステーションワゴンに匹敵する容量。開口部も広く、使い勝手にも優れる。拡大
ラグジュアリーなホテルが点在する志摩の海辺で。今や充電器のある宿泊施設は多く、「EQS」のような電動サルーンでのロングドライブも安心して楽しめるようになっている。
ラグジュアリーなホテルが点在する志摩の海辺で。今や充電器のある宿泊施設は多く、「EQS」のような電動サルーンでのロングドライブも安心して楽しめるようになっている。拡大