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使って知る「YOKOHAMA BluEarth-XT AE61」の真価

もう我慢は必要ない 2020.03.30 2020 Spring webCGタイヤセレクション<AD> 生方 聡 横浜ゴムがクロスオーバーSUV向けに開発した新商品「BluEarth-XT(ブルーアース・エックスティー)AE61」。オンロードでのシャープなハンドリング性能や優れた静粛性をうたうこのタイヤの実力を確かめるべく、「シトロエンC5エアクロスSUV」に装着してのドライブを実施した。

SUVブームに乗っかれない理由

日本だけでなく、世界的にSUVが大人気のいまの自動車市場。各社から魅力的なニューモデルが続々と登場し、まさにSUVが百花繚乱(りょうらん)という状況である。人気の秘密は、そのアクティブなイメージに加えて、高い視点がもたらす運転のしやすさや、広い室内空間など。一度乗ったら手放せない優れた機能性がSUVにはあるのだ。

その多くは、道なき道を突き進む本格的なクロスカントリータイプではなく、オンロードでの使用に主眼を置いた都会派のモデルやクロスオーバーモデルで、サイズや価格が手ごろなものも多いことから、SUVの存在はますます身近になってきている。

しかし、そんなSUVブームに乗っかれない自分がいる。SUVといえば、高めの最低地上高や大径のタイヤが特徴のひとつだが、その影響で、走行時のボディーの揺れが大きかったり、それを抑えるために強化されたサスペンションのおかげで乗り心地が悪化していたり、あるいはタイヤのロードノイズが大きかったりと、普通のステーションワゴンに比べると快適性などで一歩及ばないモデルも多いのが事実。オフロードを走るためにSUVを購入するならまだしも、オンロード中心の使い方で、常日頃から快適性で我慢を強いられるというのが、SUVに踏み切れない理由なのだ。

そんな悩みに応えるべく、横浜ゴムから登場したのが、クロスオーバーSUV向けオンロード用サマータイヤのブルーアースXT AE61である。

→「ヨコハマ・ブルーアースXT AE61」の詳しい情報はこちら

横浜ゴムがクロスオーバーSUV向けに開発した「ブルーアースXT AE61」。2020年2月に発売されたばかりの新製品だ。
横浜ゴムがクロスオーバーSUV向けに開発した「ブルーアースXT AE61」。2020年2月に発売されたばかりの新製品だ。拡大
世界的に人気を博すSUVだが、高い車高や大柄なボディー、大径のタイヤが、走りにマイナスの影響を与えているケースも少なくない。
世界的に人気を博すSUVだが、高い車高や大柄なボディー、大径のタイヤが、走りにマイナスの影響を与えているケースも少なくない。拡大
高めの着座位置がかなえる視界のよさはSUVの大きな魅力だが、腰高な車両形状は“ふらつき”の原因ともなる。
高めの着座位置がかなえる視界のよさはSUVの大きな魅力だが、腰高な車両形状は“ふらつき”の原因ともなる。拡大
「シトロエンC5エアクロスSUV」と東京湾アクアライン。今回の試走は東京と千葉をつなぐ幹線道路と、付近の一般道で行った。
「シトロエンC5エアクロスSUV」と東京湾アクアライン。今回の試走は東京と千葉をつなぐ幹線道路と、付近の一般道で行った。拡大

高いオンロード性能を追求したSUV用タイヤ

ブルーアースXT AE61は、横浜ゴムの低燃費タイヤブランド「BluEarth(ブルーアース)」に新たに加わったクロスオーバーSUV向けのサマータイヤ。同社のSUV用タイヤといえば、高いオフロード性能を備えた「ジオランダーX-MT」など、「GEOLANDAR(ジオランダー)」シリーズを思い浮かべる人も多いだろう。その一方で、オンロードを重視した商品も用意されており、このブルーアースXT AE61は、国内のタイヤラベリング制度において、すべてのサイズで転がり抵抗性能「A」、ウエットグリップ性能「a」を獲得する低燃費タイヤである。

ブルーアースの名にふさわしい低燃費性能を備えるだけでなく、クロスオーバーSUVなど、オンロード重視のSUVを快適に走らせることを目指したのが、このタイヤの特徴だ。具体的には、思いどおりの走りを実現するハンドリング性能、高速道路での高い直進安定性、SUV特有のふらつきと偏摩耗の抑制、静粛性の確保といった課題を解決するために、さまざまな技術が盛り込まれている。

例えば、専用に開発された非対称のトレッドパターンは、内側の「パワーインサイドショルダー」、中央の「トリプルセンターリブ」、外側の「高剛性アクティブショルダー」のすべてで高い剛性を確保。内側のブロックを倒れにくくすることで偏摩耗を抑制するほか、外側の剛性アップでレーンチェンジなどでのふらつきを防止し、ハンドリング性能も強化している。中央を走る3本の幅広リブは、スタビリティーの向上をねらったものだ。さらに、ロードノイズ、パターンノイズを低減するパターンを開発することで、静粛性の向上も図ったという。

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「BluEarth(ブルーアース)」はヨコハマの擁する低燃費タイヤのブランド。SUV用の「ブルーアースXT AE61」も、日本自動車タイヤ協会が定めたグレーディングシステムにより、低燃費タイヤとして分類されている。
「BluEarth(ブルーアース)」はヨコハマの擁する低燃費タイヤのブランド。SUV用の「ブルーアースXT AE61」も、日本自動車タイヤ協会が定めたグレーディングシステムにより、低燃費タイヤとして分類されている。拡大
外側のショルダーについては、ブロックを横断しないようにミゾを配することで高剛性を実現。ふらつきを抑え、高いハンドリング性能を実現している。
外側のショルダーについては、ブロックを横断しないようにミゾを配することで高剛性を実現。ふらつきを抑え、高いハンドリング性能を実現している。拡大
内側のショルダーについても、ミゾがブロックを横断しないようにすることで高い剛性を確保。排水性を高めるべく、2本の細いグルーブ(縦ミゾ)が彫られている点も特徴だ。
内側のショルダーについても、ミゾがブロックを横断しないようにすることで高い剛性を確保。排水性を高めるべく、2本の細いグルーブ(縦ミゾ)が彫られている点も特徴だ。拡大
「ブルーアースXT AE61」は高いブロック剛性と理想的な接地面形状により、重心の高いSUVで発生しがちな偏摩耗を抑制。高いロングライフ性能を備えているという。
「ブルーアースXT AE61」は高いブロック剛性と理想的な接地面形状により、重心の高いSUVで発生しがちな偏摩耗を抑制。高いロングライフ性能を備えているという。拡大

話題のフレンチSUVでその実力をチェック

ブルーアースXT AE61の実力を試すために選んだのが、シトロエンC5エアクロスSUVだ。全長×全幅×全高=4500×1850×1710mmのSUVらしい堂々とした体格ながら、シトロエンならではのアバンギャルドなデザインにより、他のSUVとは一線を画する注目のモデルである。

前輪駆動でありながら、路面状況に合わせてトラクションを制御する「アドバンストグリップコントロール」を搭載するとはいえ、おもな活躍の場はやはりオンロード。しかも、余裕あるトルクと燃費に優れた2リッター直列4気筒ディーゼルターボを搭載し、広いキャビンを誇るこのクルマは、グランドツアラーとしての資質が高く、なおさらオンロードの走りのクオリティーが気になるところだ。今回のテストでは、標準サイズと同じ235/55R18のブルーアースXT AE61を装着。そのシンプルな外観は、シトロエンC5エアクロスSUVのデザインにうまく溶け込んでいる。

走りだしてすぐに感じるのが、路面に対するブルーアースXT AE61のスムーズなコンタクト。シトロエン自慢のしなやかなサスペンションも手伝って、ざらついた感触や足元のばたつきなどがしっかりと抑えられている。SUVというと太く径の大きなタイヤがその存在を主張しすぎる傾向があるが、このタイヤはいい意味でタイヤの存在を感じさせないのだ。乗り心地も実にマイルドで、シトロエンらしい心地よい走りが堪能できる。

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今回の試走に使用した「シトロエンC5エアクロスSUV」。2019年5月に発売されたシトロエンの最新SUVだ。
今回の試走に使用した「シトロエンC5エアクロスSUV」。2019年5月に発売されたシトロエンの最新SUVだ。拡大
「C5エアクロスSUV」は、ゆったりとした快適な乗り心地が身上。試乗車にはオプション装備の上質なナッパレザーシートが備えられていた。
「C5エアクロスSUV」は、ゆったりとした快適な乗り心地が身上。試乗車にはオプション装備の上質なナッパレザーシートが備えられていた。拡大
最近はサイドウオールに凝ったデザインを施したタイヤも多いが、「ブルーアースXT AE61」のそれは比較的シンプル。おおらかな面構成の「C5エアクロスSUV」のサイドビューにマッチしている。
最近はサイドウオールに凝ったデザインを施したタイヤも多いが、「ブルーアースXT AE61」のそれは比較的シンプル。おおらかな面構成の「C5エアクロスSUV」のサイドビューにマッチしている。拡大
試走で真っ先に感じたのは路面に対する“あたり”のスムーズさ。カタログなどでは「走りのよさ」がうたわれている「ブルーアースXT AE61」だが、乗り心地も快適だ。
試走で真っ先に感じたのは路面に対する“あたり”のスムーズさ。カタログなどでは「走りのよさ」がうたわれている「ブルーアースXT AE61」だが、乗り心地も快適だ。拡大

騒音も振動もよく抑えられている

もうひとつ、ブルーアースXT AE61の印象をよくしているのが、静粛性の高さだ。SUVはそのデザイン上、ロードノイズが車内に侵入しやすく、タイヤの性能が走行時の静粛性に大きく影響する。その点、このブルーアースXT AE61はロードノイズがしっかりと抑えられ、また、特定の回転で高まるパターンノイズもほとんど気にならなかった。さらに、目地段差を越えるような場面でのショック、いわゆるハーシュネスもよく抑えられており、その際の“ボコッ”というタイヤの音も小さい。

高速道路を巡航する場面では、直進安定性に優れ、横揺れもよく抑えられているから、長時間ステアリングを握っていても疲れ知らず。それでいて、コーナーではタイヤがしっかりと踏ん張り、思いのほか軽快な動きを見せるのがうれしいところだ。

街中から高速までひととおり試乗して感じたのは、クルマとタイヤをうまく選べば、SUVであっても、ドライビングの楽しさや快適性を我慢しなくてもいいということ。私自身、まだSUVを所有したことがないが、このブームを機にそろそろ次は……と思っているだけに、ブルーアースXT AE61の存在はとても頼もしく、新しい一歩を踏み出すきっかけになるかもしれない。

(文=生方 聡/写真=荒川正幸)

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→DUNLOP ALL SEASON MAXX AS1
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天候に恵まれたために今回は試せなかったが、「ブルーアースXT AE61」は、シリカがより均一に配合されたコンパウンドや排水性を高めたトレッドパターンによる、高いウエット性能も特徴となっている。
天候に恵まれたために今回は試せなかったが、「ブルーアースXT AE61」は、シリカがより均一に配合されたコンパウンドや排水性を高めたトレッドパターンによる、高いウエット性能も特徴となっている。拡大
トレッドパターンに関しては、ピッチの長さが不均等(5つのピッチ長を使い分けているのだ)な点にも注目。ブロックやリブを横断しない横ミゾの配置は、走行時の騒音低減にも寄与している。
トレッドパターンに関しては、ピッチの長さが不均等(5つのピッチ長を使い分けているのだ)な点にも注目。ブロックやリブを横断しない横ミゾの配置は、走行時の騒音低減にも寄与している。拡大
高速道路やワインディングロードでは、高い走行安定性やしっかりとしたハンドリングの特性も実感。「ブルーアースXT AE61」は、運転しやすく、かつ疲れにくいタイヤといえるだろう。
高速道路やワインディングロードでは、高い走行安定性やしっかりとしたハンドリングの特性も実感。「ブルーアースXT AE61」は、運転しやすく、かつ疲れにくいタイヤといえるだろう。拡大

車両データ

シトロエンC5エアクロスSUVシャイン

ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4500×1850×1710mm
ホイールベース:2730mm
車重:1640kg
駆動方式:FF
エンジン:2リッター直4 DOHC 16バルブ ディーゼル ターボ
トランスミッション:8段AT
最高出力:177PS(130kW)/3750rpm
最大トルク:400N・m(40.8kgf・m)/2000rpm
タイヤ:(前)235/55R18 100V/(後)235/55R18 100V(ヨコハマ・ブルーアースXT AE61)
燃費:16.3km/リッター(WLTCモード)
価格:431万9000円

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