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道を選ばないM+Sタイヤ「TOYO TIRES OPEN COUNTRY R/T」の実力は?

1本で2度おいしい 2020.03.30 2020 Spring webCGタイヤセレクション<AD> トーヨータイヤのSUV用タイヤ「OPEN COUNTRY(オープンカントリー)」シリーズは、用途や見た目などが異なる4モデルがラインナップされている。今回はオフロード性能とオンロードでの快適性をバランスさせたという「R/T」を「三菱デリカD:5」に装着し、その実力を確かめた。

ラスト1マイルの未舗装路をどうする?

3月1日に多くの渓流や湖などでの釣りが解禁となり、いよいよ太公望のシーズン開幕! 今年はどこへ行こうかと、予算やスケジュールを調整しながら計画を立てるこの時ほど楽しいものはない。こんなにクルマに乗る仕事なのに、残念ながら船酔いがひどいので大海原にこぎだす船釣りが苦手だ。したがって釣行先は、おのずと山の中と海沿いということになる。

ここで毎年、頭を悩ませるのがタイヤ選びだ。というのも、目的地の近くまでは高速道路で行くものの、釣り場までのラスト1マイルは未舗装路であることが多いからだ。特に駐車スペースの周辺などは舗装されていないケースが多い。だからサマータイヤだとちょっとギリギリな感じで、雨でぬかるんだときや石がゴロゴロしている場所もあることを考えると、少しヘビーデューティーなほうが安心だ。また、本格的な雪道を走る機会はないけれど、早春の渓流などへ行くことを考えると、「M+S」(マッド&スノー)程度の耐雪性能は望みたい。とはいえ、本格的なオフロード用タイヤだと、往復数時間にわたる高速道路での巡航がノイズと振動に耐える修行になってしまうおそれがある。

舗装路では快適で、未舗装路やちょっとした雪道もある程度はカバーする、しかもウエットグリップはしっかり確保している、“ちょいオフ”ぐらいのいいあんばいのタイヤはないものか。そんなことを思いながら探していたところ、見つけたのがトーヨータイヤのオープンカントリーR/Tだ。オープンカントリーはもともと北米市場で人気を博したSUVやクロスオーバー用のタイヤで、なかでもR/Tはオフロード性能とオンロード性能を両立したモデルとなる。

R/TとはRugged Terrain(ラギッドテレイン)の略で、すなわちゴツゴツした地形にも対応することを意味する。このタイヤを、三菱デリカD:5に装着して試乗してみた。このクルマを選んだのには理由がある。スタイル的にはミニバンでありながらSUV並みの走破性能を有すデリカD:5であれば、快適性とオフロード性能の両方を評価できると考えたからだ。というわけで、富士五湖方面に向けていざ出発!

→「トーヨータイヤ・オープンカントリーR/T」の詳しい情報はこちら

オフロード性能に加えオンロード性能にも配慮したトーヨータイヤの「オープンカントリーR/T」。2020年3月現在、12インチから18インチまで全11サイズをラインナップしており、同年4月下旬には225/60R18と215/65R16Cの2種が追加される予定。価格はオープン。
オフロード性能に加えオンロード性能にも配慮したトーヨータイヤの「オープンカントリーR/T」。2020年3月現在、12インチから18インチまで全11サイズをラインナップしており、同年4月下旬には225/60R18と215/65R16Cの2種が追加される予定。価格はオープン。拡大
トーヨータイヤでは「オープンカントリーR/T」をオフロード性能とオンロードでの耐摩耗性や走行安定性を両立させた新カテゴリータイヤと位置付けている。
トーヨータイヤでは「オープンカントリーR/T」をオフロード性能とオンロードでの耐摩耗性や走行安定性を両立させた新カテゴリータイヤと位置付けている。拡大
今回は、ミニバンでありながらSUV並みの走破性能が自慢の「三菱デリカD:5」に装着。東京都内から中央高速で河口湖までの往復約350kmを走行し、街乗りから高速、そしてオフロードまで、各シチュエーションでパフォーマンスを確認した。
今回は、ミニバンでありながらSUV並みの走破性能が自慢の「三菱デリカD:5」に装着。東京都内から中央高速で河口湖までの往復約350kmを走行し、街乗りから高速、そしてオフロードまで、各シチュエーションでパフォーマンスを確認した。拡大
富士山麓の林道にたたずむ「デリカD:5」。試乗車のパワートレインは最高出力145PS、最大トルク380N・mの2.3リッター直4ディーゼルターボに8段ATの組み合わせ。電子制御オンデマンド4WDが採用されている。
富士山麓の林道にたたずむ「デリカD:5」。試乗車のパワートレインは最高出力145PS、最大トルク380N・mの2.3リッター直4ディーゼルターボに8段ATの組み合わせ。電子制御オンデマンド4WDが採用されている。拡大

見た目はアグレッシブ

デリカD:5用のタイヤサイズは、225/55R18。オープンカントリーR/Tは、12インチの軽自動車サイズから18インチまで、豊富なサイズをラインナップしている。このタイヤを実際に装着してみると、デリカD:5のルックスがより一層タフな印象となる。オープンカントリーR/Tのブロックパターンがなかなかゴツいからだ。ゴツいブロックパターンは、力強くてカッコいい。岩場や泥濘(でいねい)地をもろともせずに走破しそうな雰囲気がムンムン漂う。

このタイヤは、両サイドウオールのデザインが異なる、いわばリバーシブルモデル。さらに一部サイズにおいて片面がホワイトレター仕上げ、その反対がブラックレター仕上げとなるリバーシブルモデルもラインナップされている。白い文字のロゴを外側にしてアピールすることもできれば、目立たない黒い文字で控えめに演出することもできるユニークな設定だ。

その一方で前述のゴツいブロックパターンには、舗装路での乗り心地がゴロゴロするんじゃないか、ゴーゴーとうるさいんじゃないかという懸念も抱く。果たして、乗り心地や静粛性はいかに?

いざ市街地を走りだしてみると、タイヤの印象は拍子抜けするほど洗練されていた。タイヤの接地面に硬さは感じられないし、ゴロゴロする感触もない。これにはちょっとした秘密がある。外からタイヤを見て目につく部分、すなわちショルダー部分は、オフロードで性能を発揮するアグレッシブな形状になっている。

対してセンター部分は、オンロードでの操縦安定性や快適性に配慮した設計になっているのだ。食レポではおいしいたこ焼きを「外カリッ、中トロッ」などと表現するけれど、このタイヤもちょっと似ている。オンとオフのハイブリッドであり、“1本で2度おいしい”のだ。

→「トーヨータイヤ・オープンカントリーR/T」の詳しい情報はこちら

アウトドアアクティビティーに向かう先でも、今やほとんどの道が舗装されているが、例えば湖畔や渓流の釣り場に向かう最後のアプローチはオフロードであることもよくある。雨が降った後では、ぬかるんでいることも少なくない。SUV用タイヤであれば、こうしたシチュエーションで安全に走れる性能が欲しい。
アウトドアアクティビティーに向かう先でも、今やほとんどの道が舗装されているが、例えば湖畔や渓流の釣り場に向かう最後のアプローチはオフロードであることもよくある。雨が降った後では、ぬかるんでいることも少なくない。SUV用タイヤであれば、こうしたシチュエーションで安全に走れる性能が欲しい。拡大
「オープンカントリーR/T」のサイドウオールは左右で仕様が異なっており、ホイールに組み込む際、どちらかのデザインを好みで外側に配置できる。写真は「スタイリッシュ」と呼ばれる立体感あるデザインを外側にした様子。サイズは限定されるが、ホワイトレター仕様もラインナップされている。
「オープンカントリーR/T」のサイドウオールは左右で仕様が異なっており、ホイールに組み込む際、どちらかのデザインを好みで外側に配置できる。写真は「スタイリッシュ」と呼ばれる立体感あるデザインを外側にした様子。サイズは限定されるが、ホワイトレター仕様もラインナップされている。拡大
中央部がオールテレイン(主にオンロード用)、左右ショルダー部分がマッドテレイン(主にオフロード用)として開発された「オープンカントリーR/T」のブロック。この両者が組み合わされたトレッドパターンをトーヨータイヤでは「ハイブリッドパターンデザイン」と呼び、オン/オフの性能を両立させた秘密だと説明している。
中央部がオールテレイン(主にオンロード用)、左右ショルダー部分がマッドテレイン(主にオフロード用)として開発された「オープンカントリーR/T」のブロック。この両者が組み合わされたトレッドパターンをトーヨータイヤでは「ハイブリッドパターンデザイン」と呼び、オン/オフの性能を両立させた秘密だと説明している。拡大

音をコントロールしたタイヤ

首都高速4号線から中央道に抜けながら、静粛性をチェックする。正直なところ、あれだけブロックパターンがゴツいとブロックが路面にあたる衝撃が大きいから静粛性はあまり期待できないと思っていた。もうひとつ、ブロック間に閉じ込められる空気の量が多いから、それがはじけて大きな音を立てることも想像した。

ところが、巡航速度が50km/hから70km/h、80km/hと上がっても、タイヤからのノイズが気にならなかった。オープンカントリーR/Tの開発にあたっては、ノイズを小さくすることと、耳に障らない音質にするためにブロックパターンの配列を最適化したとのことで、その効果は確かに感じられる。「ゴー」という低いロードノイズ、「シャー」という高周波の音もよく抑えられていて「音をコントロールしたタイヤ」という印象を持つ。

タウンスピードで感じた整った乗り心地のよさは、高速道路でも変わらない。むしろ、速度が上がるにつれてフラットな乗り心地になっていくのが好ましい。1時間も運転していると、出発前に見たブロックパターンのゴツさを忘れてしまいそうになり、これなら長距離ドライブでも快適に走ることができると確信した。同乗者から不満の声が出るおそれも、皆無と言っていいだろう。

高速道路でレーンチェンジを試す。もしかしたら大きなブロックがヨレて、ヨロっとするんじゃないかと危惧したけれど、杞憂(きゆう)に終わった。レーンチェンジはスムーズで、かつ安定している。ハンドルの手応えもしっかりしたもので、タイヤがどの方向を向いているのかをしっかり伝えてくれるから不安感はまったくない。

これもタイヤのセンター部分はオンロード性能を考えた設計にしていることが奏功しているのだろう。センター部分はブロックの剛性を高めて操縦安定性を高めているのだ。快適に中央道を走っていると、やがて目的地の河口湖インターが見えてきた。

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高速道路を走行する「デリカD:5」。大きめなブロックパターンからは想像するのが難しいほどロードノイズは最小限に抑えられ、キャビンでは前後シートに座る乗員がストレスなく会話も行えた。
高速道路を走行する「デリカD:5」。大きめなブロックパターンからは想像するのが難しいほどロードノイズは最小限に抑えられ、キャビンでは前後シートに座る乗員がストレスなく会話も行えた。拡大
ショルダー部分の横方向に配置された大きな溝は「ストーンイジェクター」と呼ばれる。石などの異物をかんだ際にタイヤが簡単に破損したりせず、同時に溝に詰まった土などを素早く取り除ける形状を考慮したものだという。
ショルダー部分の横方向に配置された大きな溝は「ストーンイジェクター」と呼ばれる。石などの異物をかんだ際にタイヤが簡単に破損したりせず、同時に溝に詰まった土などを素早く取り除ける形状を考慮したものだという。拡大
センター部分のブロック剛性を高め、高速走行時の直進性や操縦安定性を確保。背の高いミニバンタイプのボディーデザインが採用される「デリカD:5」だが、レーンチェンジの際にクルマがヨレるような不安感はなかった。
センター部分のブロック剛性を高め、高速走行時の直進性や操縦安定性を確保。背の高いミニバンタイプのボディーデザインが採用される「デリカD:5」だが、レーンチェンジの際にクルマがヨレるような不安感はなかった。拡大
街乗りでの乗り心地のよさが、そのまま高速走行時も続いた。ロールやピッチングが抑制された最新の「デリカD:5」と「オープンカントリーR/T」のマッチングも良好だった。
街乗りでの乗り心地のよさが、そのまま高速走行時も続いた。ロールやピッチングが抑制された最新の「デリカD:5」と「オープンカントリーR/T」のマッチングも良好だった。拡大

“ちょいオフ”にうれしい性能

河口湖周辺、富士の麓のワインディングロードも、高速道路で感じたのと同じように、安心して走ることができる。今回は仕事なので釣り道具を持ってくることはしなかったけれど、“クルマ釣行”の楽しみのひとつは、景色のいいワインディングロードを堪能できることだ。このタイヤだったら文句はない。道の周囲には残雪が残るけれど、M+S規格のこのタイヤだったら、デリカD:5が三菱伝統の4駆システムを備えていることもあって安心だ。

釣り場周辺によくある、“ちょいオフ”の未舗装路に入ってみる。前述したように伝家の宝刀の4駆システムもあって、これくらいの未舗装路は苦もなく走ることができる。それでもこのタイヤなら大丈夫だと思えたのは、未舗装路を走り終えてタイヤを眺めたときだった。オフロード性能に配慮したショルダー部分のトレッドパターンが、泥や枯れ葉、石などをきれいに排出しているのだ。ショルダーのスリット形状は土を排出することを念頭に置いたもので、石をかまないような配慮もなされている。

「釣り」や「キャンプ」、あるいは「MTB」や「バードウオッチング」といったアクティビティーを楽しむ方の多くは、本格的なオフロード性能はいらないだろう。けれども、“ちょいオフ”に対応してくれると安心できるはずだ。そういったアウトドア派に向けて、市街地や高速走行での快適性も確保しているこのタイヤは、かなり有力な選択肢になるはずだ。

(文=サトータケシ/写真=花村英典)

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「デリカD:5」は、先の改良でパワステが油圧式から電動式に変更された。ボディーサイズに似合わない軽快かつ正確なハンドリングが、富士山麓周辺のワインディングロードで確認できた。
「デリカD:5」は、先の改良でパワステが油圧式から電動式に変更された。ボディーサイズに似合わない軽快かつ正確なハンドリングが、富士山麓周辺のワインディングロードで確認できた。拡大
「オープンカントリーR/T」は、オンロードでは正確なハンドリングと快適な乗り心地を、水辺までの短いオフロードでは安心感ある走破性を披露してくれた。本格的なオフロード用としては、同シリーズに「M/T」モデルがラインナップされている。
「オープンカントリーR/T」は、オンロードでは正確なハンドリングと快適な乗り心地を、水辺までの短いオフロードでは安心感ある走破性を披露してくれた。本格的なオフロード用としては、同シリーズに「M/T」モデルがラインナップされている。拡大
回転方向のブロック剛性を高めた「L型連結ブロック」がセンター部分に配置された「オープンカントリーR/T」。ドライ路面における操縦安定性の確保に加え、ロードノイズの低さもセリングポイントといえそうだ。
回転方向のブロック剛性を高めた「L型連結ブロック」がセンター部分に配置された「オープンカントリーR/T」。ドライ路面における操縦安定性の確保に加え、ロードノイズの低さもセリングポイントといえそうだ。拡大

車両データ

三菱デリカD:5 P

ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4800×1795×1875mm
ホイールベース:2850mm
車重:1960kg
駆動方式:4WD
エンジン:2.3リッター直4 DOHC 16バルブ ディーゼル ターボ
トランスミッション:8段AT
最高出力:145PS(107kW)/3500rpm
最大トルク:380N・m(38.7kgf・m)/2000rpm
タイヤ:(前)225/55R18 98Q M+S/(後)225/55R18 98Q M+S(トーヨータイヤ・オープンカントリーR/T)
燃費:13.6km/リッター(JC08モード)/12.6km/リッター(WLTCモード)
価格:437万1400円

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三菱デリカD:5 P
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