クルマ好きなら毎日みてる webCG 新車情報・新型情報・カーグラフィック

第3回:フォード・クーガ(森 慶太)

“いいクルマ”の典型 2016.06.01 「フォード・クーガ」を語り尽くす<PR> フォードならではの美点が端々に感じられるミドルサイズSUV「クーガ」。正規販売の終了が間近に迫った今、あらためて2リッターターボエンジンを搭載した上級グレード「タイタニアム」に試乗し、その実力を徹底的に確かめた。

よくできたクルマの原稿は難しい

クーガ、どういうクルマか。「運転しやすく、乗って快適」……と書くと、アッという間に試乗記が終わってしまう。まだ2行。1行半強。具体的にどのようにできているクルマだから「運転しやすく、乗って快適」なのかを書けば、もうちょっと話が長く続く。なので、そのへんのことを。

クルマ好きなら毎日……ということでちょっと注意してイロイロ読んでもらうとわかると思いますが、クルマの試乗記の多くにおいて、その試乗記っぽい部分は往々にして、運転した人=書いている人がそのクルマに関して気になったことを書いている部分だったりする。ナニゴトもなく平和にコトが運んでいると、その間のことは書かれにくい。少なくともあんまりリアルには。

なぜ書かれにくいかというと、そもそも記憶に残るようなことが起きていなかったから。人間が自身の呼吸や歩行に関して特に意識することがないのと似て、ナニゴトも起きず平和にクルマが走っているときのこと(もちろん、それは極めて大事なところでありますが)をちゃんと書くのは、実はけっこう、難しい。極端な話、散々乗ったあげく「ナンかイイね」ぐらいしかなかったり……とかもする(実はそれが最高のホメ言葉という説もあります)。

「シート、よし」とか「右ハン環境、モンダイなし」とかに続いてのクーガの第一(?)印象としてあるのは、例えば車体がずいぶんガッチリしている。車体の軽量化がクルマ作り界の最新流行だというのを意識して書くなら、「いまのクルマには珍しく」というフレーズを追加してもいいかもしれない。主に燃費のために骨格を軽くしたぶん骨身がケズられちゃった感が、このクルマの場合はない。車体軽量化とある種セットで「一見静かなんだけど、ちょっと注意してみると実はいろんな雑振動が……」なんてのも最近はママありがちだけど、やはりクーガ、それとも違う。車体がガッチリできていて、なんというか、味が濃い。濃い味つけということではなくて、素材の味が。ハウス栽培系ではなく露地栽培系。現状これだけガッチリしていてくれたら、個人的には(笑)キラいな巨大ガラス屋根も気にならない。

第1回:ヘビーユーザーにこそ薦めたい(渡辺敏史)
→第2回:クーガを見ずしてSUVを選ぶなかれ(高山正寛)

→「フォード・クーガ」オフィシャルサイト

 

フォードの世界戦略を担うミドルサイズSUV「クーガ」。北米では「エスケープ」の名で販売されている。
フォードの世界戦略を担うミドルサイズSUV「クーガ」。北米では「エスケープ」の名で販売されている。 拡大
「クーガ」のインストゥルメントパネルまわり。パーキングブレーキのレバーの位置は仕向け地に応じて異なり、右ハンドル仕様が売られる日本では、センターコンソールの右側に備えられている。
「クーガ」のインストゥルメントパネルまわり。パーキングブレーキのレバーの位置は仕向け地に応じて異なり、右ハンドル仕様が売られる日本では、センターコンソールの右側に備えられている。 拡大
「タイタニアム」には、前半分が電動で開閉する、デュアルパネルサンルーフが装備される。
「タイタニアム」には、前半分が電動で開閉する、デュアルパネルサンルーフが装備される。 拡大
テールゲートを飾る「TITANIUM」のバッジ。「タイタニアム」は2リッターターボエンジンを搭載した上級グレードにあたる。
テールゲートを飾る「TITANIUM」のバッジ。「タイタニアム」は2リッターターボエンジンを搭載した上級グレードにあたる。 拡大

秀逸なブレーキの操作性

車検証記載値によると、車重は1720kg。これはたしか、たぶん、先代モデルの日本仕様(同じヨンクで、ただしエンジンはガソリンのポート噴射2.5リッター5気筒+ターボ)と同じくらい。今回はパワートレイン関係が軽くなって、車体側が重たくなって、で都合、ほぼ“いってこい”ということ? ま、わかりませんが。フロント軸重1010kg。割り算すると、全体の約59%。ほう。

アクセルペダルの踏み始めやブレーキペダルの踏み始めのところのクルマ側の反応は、簡単にいうと優しい。運転手をビックリさせない系。おっとり系。ブレーキに関しては、初めてフォードに乗ると、踏み始めのところでちょっとナマクラな感じがするかもしれない。もしかして。

でもこれ、非常に具合がよろしい。ちょっと細かく説明すると、ペダル踏力(とうりょく)を高めていって狙った制動Gのところで一定にするまでのわずかな時間のなかで、うまいこと踏みかたをイメージすることができる感じ。スッと。脚の筋力で考えることができる、できやすいというか……。もっと細かい話をすると、例えばETCゲート。ゲート通過速度までクーッとブレーキをかけていって、そこから踏力をスッと抜く瞬間。そのときの制動Gの残らなさがまた、運転しやすさ的に加点要素。もちろんというか、速度ゼロまで落とすときの扱いやすさもクーガは、というかフォードはちゃんとしている。停止の瞬間の抜きのやりやすさもあり、速度が消え入るように止められる。快感。

第1回:ヘビーユーザーにこそ薦めたい(渡辺敏史)
→第2回:クーガを見ずしてSUVを選ぶなかれ(高山正寛)

→「フォード・クーガ」オフィシャルサイト

 

現行型「クーガ」の車重は、1.5リッターの「トレンド」が1640kg、2リッターの「タイタニアム」が1720kgとなる。
現行型「クーガ」の車重は、1.5リッターの「トレンド」が1640kg、2リッターの「タイタニアム」が1720kgとなる。 拡大
フロントウィンドウに備えられた運転支援システムのセンサーユニット。自動緊急ブレーキ機能の「アクティブ・シティ・ストップ」は、上級グレードの「タイタニアム」だけに装備される。
フロントウィンドウに備えられた運転支援システムのセンサーユニット。自動緊急ブレーキ機能の「アクティブ・シティ・ストップ」は、上級グレードの「タイタニアム」だけに装備される。 拡大
「タイタニアム」のヘッドランプはHID式。コーナリングランプやオートレベライザーなどの機能が備わる。
「タイタニアム」のヘッドランプはHID式。コーナリングランプやオートレベライザーなどの機能が備わる。 拡大

“JC08モード超え”も難しくはない

パワートレイン関係のことは、正直あまり覚えていない。「チカラは十分ある」ぐらいしか。頼んでもいないキックダウンが勝手に起きたり等の挙動不審なコトがあって「ン!?」となった記憶がゼロ。トルコン+6スピードのプラネタリー自動変速機ということでクルマ好き的に気になるシフトパドルはたしかついていなかったし、借りている間の前進中にセレクターを「D」以外の場所へ動かしたことは一度もなかったけれど、それで何ら不足は感じなかった。初めて走ると泣きそうになる(というか筆者はなった)某イジワルなクネクネ道でもちゃんと試乗したけれど。なんか、あった……かなあ? そうだ。6速100km/hは1750rpmぐらい……というのを確認したとき以外、エンジン回転数メーターは見なかった。

気になる燃費。先代モデルのときは、高速道の巡航で8リッター/100km「あたりがほぼ上限かなあ。これは」と思ったものだった。8リッター/100kmとはつまり、換算すると12.5km/リッター。いや8.2リッター/100kmだったかなあ。それだと、約12.2km/リッターになりますね。

今回のチェック区間は、河口湖のほとりがスタート地点。トリップコンピューターのBだったか2だったかをリセット(もう一方はwebCGが借り出し時点からのチェック用に使用しているのでタッチ厳禁)。そこから11kmほど下道を走って、河口湖インターから中央道河口湖線に乗って、中央道上り藤野PAまでの59.3km区間で16.6km/リッター。おー。いまのクルマっぽく、燃費ちゃんとよさげ。なお、そこまでの平均速度は64km/h。エコランせずフツーに運転。エアコンON。それと、距離計誤差はチェックしてないので、補正とかできません。すいません。

第1回:ヘビーユーザーにこそ薦めたい(渡辺敏史)
→第2回:クーガを見ずしてSUVを選ぶなかれ(高山正寛)

→「フォード・クーガ」オフィシャルサイト

 

「クーガ」に1.5リッターターボと2リッターターボの2種類のエンジンが用意されるようになったのは、2015年9月から。それまで現行型のクーガには1.6リッターターボのみが搭載されていた。
「クーガ」に1.5リッターターボと2リッターターボの2種類のエンジンが用意されるようになったのは、2015年9月から。それまで現行型のクーガには1.6リッターターボのみが搭載されていた。 拡大
トランスミッションはトルコン式の6段AT。手動での変速は、シフトセレクター上部のスイッチで行う。
トランスミッションはトルコン式の6段AT。手動での変速は、シフトセレクター上部のスイッチで行う。 拡大
JC08モード計測における「クーガ タイタニアム」の燃費は10.0km/リッターと公表されている。
JC08モード計測における「クーガ タイタニアム」の燃費は10.0km/リッターと公表されている。 拡大

骨太な足まわりのチューニング

乗り心地。「欧州車、ドイツ車」というイメージで乗ると、上下方向の揺れは比較的か意外にか、フツーに出ている感じ。ガッチリ車体+ゆったりな揺れ……で大筋間違ってはいないと思うけど、要注意点として、その上下方向の揺れがもっぱらバウンシングになっていることに注意。つまり、ピッチングは出ていない。同じフォード車で例えば「フォーカス」あたりの記憶と比較すると「さすがにちょっとリアが重たい感じかな?」というのはあるけれど、バウンシング。車体が路面と平行の角度を保ったまま、上下に。あと動車高、つまり走行中の車高がダラシなく基準位置=静止状態の車高から落ち込む感じがない(これがあると、乗っていて気持ちがドヘッと疲れます)。なので、ゆったりなんだけどユルくはない。あくまで、“ある種の”ユルさ。車体の骨格だけでなく、アシ関係もガッチリ系。イザというとき頼れる感じ。あるいは逆境に強そうな。

知ったか顔で書くと、専門的にはダンパーの圧側つまり縮み側の減衰がしっかりあるのがひとつポイントだそうで。「じゃあほかのメーカーも圧側の減衰しっかりをドシドシやればいいじゃん、日本車もマネしろよ」と思うのが人情なのだけど、基本中の基本であるところの〈車体ガッチリ〉がちゃんとできていないクルマでヘタにそれをやると、痛い系のショック入力が発生しがちになる。それは避けたいので、圧側はホドホドに。あるいはチョボチョボに。でも減衰力の全体のボリュームは相応に確保しないといけないので、圧側ホドホドかチョボチョボのぶんを伸び側に盛る。と、ヒョッと縮んで反転して伸びていった先でキュッと止まって乗員不快。以上、サスペンションチューニングあるある話(の聞きかじり)でした。

クーガの乗り心地がまるでフカフカのジュータンの上を歩くがごとしであるかというと、実際にはそんなことはない。路面に凹凸があれば、それらはそれらとしてちゃんとわかる。でも大事なのは、凹凸があっても、わかっても、「それだけのこと」になっているところ。デコボコがあったらデコボコで、デコもボコもデコやボコで終わる……というのはつまり、“ガツッ!!”にならない。痛い系のショック入力にならず、またショックが後を引かない。イヤな余韻がない。要は、車体的にもダンパー的にも減衰が、抑えがしっかり効いている。たくましい。

第1回:ヘビーユーザーにこそ薦めたい(渡辺敏史)
→第2回:クーガを見ずしてSUVを選ぶなかれ(高山正寛)

→「フォード・クーガ」オフィシャルサイト

 

シート表皮は「タイタニアム」がフルレザー、「トレンド」がハーフレザーとなる。
シート表皮は「タイタニアム」がフルレザー、「トレンド」がハーフレザーとなる。 拡大
リアシートは6:4分割可倒式で、リクライニング機構も備わっている。
リアシートは6:4分割可倒式で、リクライニング機構も備わっている。 拡大
「タイタニアム」に装備される運転席/助手席シートバックテーブル。
「タイタニアム」に装備される運転席/助手席シートバックテーブル。 拡大
ボディーカラーは「トレンド」に3色、「タイタニアム」に3色の全6色。テスト車は「ホワイトプラチナム」だった。
ボディーカラーは「トレンド」に3色、「タイタニアム」に3色の全6色。テスト車は「ホワイトプラチナム」だった。 拡大

直進してよし、曲がってよし

ハンドル関係。車体やアシがいいのと、あと電動パワステ(だと思います)のクセをよく払拭というか、よくわかって扱いづらくないようにしてあるので、直進時やほぼ直進時の進路の管理はやりやすい。レーンの真ん中を常にキレイにキープして……の運転を極力心がけてやってみるとすぐわかることに、クーガは、というかフォード車は真っすぐ走る。定規に沿ってビーッと引いたような真っすぐではなくて、フリーハンドで上手に描けた真っすぐの線。カンペキにフラットでイーブンな路面なんてこの世に存在しないので、もちろん修正舵(だ)の操作は必要……なのだけど、それは無意識にやってしまっているので特にどこでどう修正したとかの記憶は残らない。

ブレーキ関係やアクセル関係の特性も上記のごとく良好であるので、例えばの話、常日ごろオット(ないしオトーサンなど)の運転のおっかなさやカナクギっぽさに助手席や後席でヘキエキやドキドキやヒヤヒヤしている女性の皆さんは「クーガ、ステキ!!」とか言ってみるといいかもしれません。もちろん、ワザと彼に聞こえるように(笑)。クーガ、いわゆる運転がうまくなるタイプのクルマの一台です。ていうか、フォードです。

もっとハンドルをいっぱいきって、いわゆるコーナリング関係。旋回関係。ひとことだけ言うとしたら、舵のつながりがよい。切り始めた直後あたりにビクッと急な反応が返ってきてウワッとなって思わず手を止めて(ということは旋回のためのハンドル操作などはそこからまたやり直し)……みたいなことがないのと、あと、視界が開けた先でカーブがさらにキュウッとキツくなっていたような場合は、そのままシームレスにハンドルきり増しで対応OK。ロール姿勢の管理もふくめて、やはり扱いやすい。というか、コーナリング中のロールのことをほぼ意識させないだけのしつけがこのクルマはできている。うーんフォード。旋回時の舵のきり始め、動かし始めの瞬間にホンのわずかパキッと感があったような気はするけれど、それはホント、細かい話。書かなくてもいいような(笑)。

第1回:ヘビーユーザーにこそ薦めたい(渡辺敏史)
→第2回:クーガを見ずしてSUVを選ぶなかれ(高山正寛)

→「フォード・クーガ」オフィシャルサイト

 

ステアリングホイールは「トレンド」「タイタニアム」ともに本革巻きとなる。
ステアリングホイールは「トレンド」「タイタニアム」ともに本革巻きとなる。 拡大
「タイタニアム」のフロントシートには、5段階で温度調整が可能なシートヒーターが備わっている。
「タイタニアム」のフロントシートには、5段階で温度調整が可能なシートヒーターが備わっている。 拡大
荷室容量は後席を起こした状態で406リッター、後席をたたんだ状態で1603リッター。トノカバーが標準装備される。(写真をクリックすると、シートの倒れる様子が見られます)
荷室容量は後席を起こした状態で406リッター、後席をたたんだ状態で1603リッター。トノカバーが標準装備される。(写真をクリックすると、シートの倒れる様子が見られます) 拡大
「クーガ」にはブレーキ制御によってアンダーステアを抑制する「トルク・ベクタリング・コントロール」が採用されている。
「クーガ」にはブレーキ制御によってアンダーステアを抑制する「トルク・ベクタリング・コントロール」が採用されている。 拡大

腰高なクルマだからこその配慮

細かいことをいうと、直進中のロール関係。コーナリングをやってるわけでもないのになぜか姿勢が傾く(そして乗員のアタマがフラッとかカクッとかなる)クルマがよくあるけれど、クーガの場合、その心配はナシ。重心位置や乗員のアタマの位置が高いところにあるクルマだからなおのこと、そのへんはちゃんと……な方向で配慮がちゃんとしてあるっぽい。また、それの延長でというか、フォーカスや「フィエスタ」と比べると、クルマが喜々として曲がる感じを少し抑えてあるっぽい。ま、セオリーどおり、ですかね。

あとそう、クーガ、ヨンクである。タイプ的にはトルクスプリット、つまりフロント2輪が主駆動輪で、リア2輪が従駆動輪……のはずだけど、ヨンク状況お知らせディスプレイ(あるんです、そんなのが)をウオッチしていると、ブレーキペダルからアクセルペダルへスッと踏み替えてアクセルペダルを踏み込みながら発進する場合はFRになっている。なっているというか、そのようにグラフィックが。でそのままフツーに加速していくと、おっとり刀でフロントの駆動も増えていって、またリアの駆動が減っていって、30km/hあたりでFF状態に。ならばと今度は、ブレーキペダルから足を離しただけで発進。いわゆるクリープ走行。と、おー。FFですねえ。

ひとつおもしろいのは、駆動系のなかや4つのタイヤの接地面でやりとりされているチカラの実際の状況はともかく、体感するGの感じがそのディスプレイのとおりっぽいこと。トルクスプリットのクラッチ(おそらくは油圧作動の湿式多板)の締結圧を制御するソレノイドかナンかへ流してるアンペア値をそのまんまグラフ化したらこうはならないはずで、じゃあほかにどんなパラメーターや演出(?)を見たり加えたり(?)しているのでしょう。

ついでに書くと、瞬間燃費。アイドリング中の表示が“--”とかになるクルマがほとんどななか、クーガの場合は違っていた。走行中のkm/LからL/hつまり1時間あたり何リッターかに単位が切り替わって表示を続ける。エアコンONだと、最少で1.0L/hとか。「おー、おもしろい」というのが半分と、あと半分は、「そうかタイタニアム、スタート&ストップ機構はついてないのか」。はっはっは。

第1回:ヘビーユーザーにこそ薦めたい(渡辺敏史)
→第2回:クーガを見ずしてSUVを選ぶなかれ(高山正寛)

→「フォード・クーガ」オフィシャルサイト

 

悪路走破性能を考慮して、「クーガ」の最低地上高は200mmとなっている。
悪路走破性能を考慮して、「クーガ」の最低地上高は200mmとなっている。 拡大
「クーガ」の駆動システムは「トレンド」「タイタニアム」ともにFFベースの4WD。状況に応じて、各車輪に伝える駆動力を0.16秒ごとに調整しているという。
「クーガ」の駆動システムは「トレンド」「タイタニアム」ともにFFベースの4WD。状況に応じて、各車輪に伝える駆動力を0.16秒ごとに調整しているという。 拡大
前軸と後軸への駆動力配分はメーター内のインフォメーションディスプレイで確認することができる。(写真=向後一宏
前軸と後軸への駆動力配分はメーター内のインフォメーションディスプレイで確認することができる。(写真=向後一宏) 拡大
フルカラーのインフォメーションディスプレイでは、燃費や車速などの走行データなどの確認が可能。運転支援システムのON/OFFもここで操作する。
フルカラーのインフォメーションディスプレイでは、燃費や車速などの走行データなどの確認が可能。運転支援システムのON/OFFもここで操作する。 拡大

オーディオの出来栄えは隠れた美点

そういえばクーガ、GPSナビもついてない……と思ったら、違った。あった。ダッシュ中央部上メあたりにある“SOUND”のボタンを長押しすると(この操作はbyトリセツというかそんな感じで)出現。単位ならぬ画面が切り替わる。フォード標準のインフォテインメントシステムのなかに日本仕様のGPSナビを潜り込ませてあるカタチ。

それよりも、要注目はオーディオ関係。電話機能ナシの「iPhone4」をコネクトしてiTunes内の音源データを再生させてみたところ、これがなかなか。筆者の場合、オーディオ関係の評価方面のことはクルマ関係の評価方面のことよりもさらにシロートなのでアレですが、イイ音。クルマの乗った感じとよく似た、というかミゴトに同じ系統の、聴き疲れのしない音。ちなみに、ウロ覚えですが、このオーディオ関係、開発というかチューニングというかは日本のブランチでやっているという話を聞いたような……。フォードの日本仕様とくると自動車評論家やモータージャーナリストはすぐ「カーナビがー!!」とかいうのが半ばお約束だったけど、それよりも素でついているオーディオの音のよさに注目して紹介してあげたほうがヨカッタのではないか。いい仕事、してあるっぽいですよ。これは以前から。

気になる燃費、その後。河口湖のほとりでリセットしたトリップコンピューターの2だかBだか(ケータイの写真をみたら2でした)はそのまま、中央道上り藤野PAを出発。そのすぐ先の相模湖インターで降りて、山越え(?)して、さらに相模川沿いに下って、アッチいってコッチいって16号。保土ヶ谷バイパス。横浜新道。第三京浜……の出口の赤信号ストップの時点で確認したところ、153.4km区間の平均燃費が12.9km/リッター。同じく、平均速度は48km/h。どうですか、お客さん。

フォード・クーガ、運転しやすく乗って快適なクルマでした。このタイミングでこういう仕事の依頼がくるということは、少なくともクーガならまだ売りモノはそれなりの数があるということで。はい。

(文=森 慶太/写真=荒川正幸)

第1回:ヘビーユーザーにこそ薦めたい(渡辺敏史)
→第2回:クーガを見ずしてSUVを選ぶなかれ(高山正寛)

→「フォード・クーガ」オフィシャルサイト

 

「クーガ」にはオーディオや空調、携帯端末との連携機能などを統合制御するインフォテインメントシステム「MyFord Touch」が標準装備される。
「クーガ」にはオーディオや空調、携帯端末との連携機能などを統合制御するインフォテインメントシステム「MyFord Touch」が標準装備される。 拡大
オプションで用意される、パナソニック製のナビゲーションシステム。(写真=向後一宏
オプションで用意される、パナソニック製のナビゲーションシステム。(写真=向後一宏) 拡大
「クーガ」には音声認証システムの「SYNC(シンク)」が採用されており、オーディオなどの各種機能を音声で操作できる。
「クーガ」には音声認証システムの「SYNC(シンク)」が採用されており、オーディオなどの各種機能を音声で操作できる。 拡大
フォードは2016年内の日本市場撤退を表明しており、正規販売で「クーガ」を買える期間はあとわずかとなっている。
フォードは2016年内の日本市場撤退を表明しており、正規販売で「クーガ」を買える期間はあとわずかとなっている。 拡大

車両データ

フォード・クーガ タイタニアム

ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4540×1840×1705mm
ホイールベース:2690mm
車重:1720kg
駆動方式:4WD
エンジン:2リッター直4 DOHC 16バルブ ターボ
トランスミッション:6AT
最高出力:242ps(178kW)/5500rpm
最大トルク:35.2kgm(345Nm)/2000-4500rpm
タイヤ:(前)235/50R18 101V/(後)235/50R18 101V(コンチネンタル・コンチスポーツコンタクト5)
燃費:10.0km/リッター(JC08モード)
価格:424万円

第1回:ヘビーユーザーにこそ薦めたい(渡辺敏史)
第2回:クーガを見ずしてSUVを選ぶなかれ(高山正寛)

→「フォード・クーガ」オフィシャルサイト

 

フォード・クーガ タイタニアム
フォード・クーガ タイタニアム 拡大