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ラインナップから読み解くジャガーのいま【F-TYPE×九島辰也】

原点はやはりスポーツカー 2020.10.09 JAGUAR ~英国が誇る名門の“いま”~<AD> 九島 辰也 ジャガーのラインナップにおける唯一の2シータースポーツカー「F-TYPE」。モータージャーナリスト九島辰也は、その走りにこそ、この歴史あるブランドのすべてが凝縮されていると言う。

伝統芸といえる味

「F-PACE」「E-PACE」が販売の筆頭にあがるジャガーだが、彼らのクルマづくりの神髄はこのF-TYPEにこそある。

ジャガーは生粋のスポーツカーメーカー。80年以上前の「SS100」の時代から、それは変わらない。なので、彼らはこのクルマを慎重かつ念入りにつくり上げた。コンセプトカーのときから、筆者は海外のモーターショーでデザイナーやエンジニアにインタビューしてきたが、皆熱く、真剣に語ってくれたのを覚えている。なんたって久しぶりの2シータースポーツだからね。「XK」とは違う。彼らはこれがつくりたかったのだ。

デザインはもちろんワイドトレッド&ショートオーバーハングのディメンションにこだわり、走りについてはトルクベクタリングなども装備した。それにあのエキゾーストノートも……。まぁ、一部の英国メディアは「あれはやり過ぎ」と伝えていたけど。

そんなF-TYPEを実際に走らせると、まさにジャガーのスポーツカーであることを実感する。それが特に表れているのはハンドリング。ステアリング自体にスポーツカーらしいフィーリングがあるのは当然のこと、クイックなレスポンスは感動モノだ。兎(と)にも角にも、右へ左へと操舵するのが楽しくなる。それに追従するリアサスの動きも、ジャガー伝統の味付け。じわっと粘る感じがたまらない。このセッティングにどれだけの時間を費やしたのだろう。もはや伝統芸である。

個人的にはドライビングポジションも好きだ。胸に刺さるように突き出たステアリングホイールを握り足を投げ出すというポジションが彼らのスタイル。往年の名車である「XK120」「E-TYPE」「XJS」もみんなコレ。いまは電動で好みに合わせてセットすることもできるが、ジャガーを楽しむなら、このドラポジに尽きる。

そんな、味の濃いF-TYPEは、まさに大人の男のプライベートカー。クルマ好きな英国紳士のおもちゃとなる一台だ。もしダンヒルの創業者アルフレッド・ダンヒルが生きていたら、1号車をオーダーしたに違いない。英国流ジェントルマンはエレガントでありながらも、相当やんちゃだからね。

(写真=郡大二郎)

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→ジャガーF-TYPEコンバーチブル【試乗記】

 

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著者プロフィール:九島辰也

日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。2019-2020日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。自動車専門誌の編集長を経験した後、フリーランスのモータージャーナリスト兼コラムニストに。現在はアリタリア航空機内誌日本語版『PASSIONE』の編集長、男性誌『MADURO』の発行人・編集長も務める。ファッション、旅、ゴルフ、葉巻、ボートといった自動車以外の分野にも造詣が深く、寄稿多数。クリエイティブプロデューサーとしても活躍している。

歴史あるブランドであるジャガーに詳しい九島辰也さん。今回は、ピュアスポーツモデル「F-TYPE」のドライブフィールについて聞いた。
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ジャガーのピュアスポーツモデル「F-TYPE」。オープントップの「コンバーチブル」(写真)と「クーペ」という、2つのボディータイプがラインナップされる。
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スポーツカーにふさわしいタイト感と開放感が得られる「F-TYPE」のコックピット。
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パワーユニットは、写真の2リッター直4ターボエンジン(最高出力300PS)のほか、3リッターのV6ターボ(同380PS)、5リッターV8ターボ(同575PS)が用意される。
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2020年1月からは、マイナーチェンジを施された最新モデルが国内で手に入るようになっている。
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